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ライフスタイル最終更新日:2018.02.09 公開日:2018.02.09

【2018/1/23~4/1】 150年続いた画家一族の魅惑の世界「ブリューゲル展」

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 16~17世紀のフランドル(今のベルギーに相当する地域)を代表するブリューゲル一族の作品を中心に、同時代のフランドル絵画約100点を紹介する展覧会「ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜」が、東京都美術館にて4月1日まで開催されている。

冒頭の写真:ピーテル・ブリューゲル2世 《野外での婚礼の踊り》1610年頃 Private Collection

150年にわたって著名な画家を輩出し続けたブリューゲル一族

 ブリューゲル一族は、ピーテル・ブリューゲル1世を筆頭として、150年にわたって画家を輩出し続けた。
 ピーテル・ブリューゲル1世は、宗教画、農民の生活、風景画などを描き、当時から高い評価を得ていた。彼の息子、長男のピーテル・ブリューゲル2世は、人気のあった父の作品の模倣作(コピー)を描くことで父親の功績を世に知らしめた。次男のヤン・ブリューゲル1世は、父の模倣にとどまらず、花などの静物画の名作を遺した。さらにヤン・ブリューゲル1世の息子ヤン・ブリューゲル2世と彼の息子たちも画家として同じ道を歩んだ。

 100年以上にわたる活動において、一族の工房は「ブリューゲル」の署名入りの絵画なら自動的に一流と見なされるほど、今で言うブランド的な人気を博したという。

ピーテル・ブリューゲル1世が目を向けた2つのジャンル

 なぜブリューゲル一族の絵画が愛されたのか? それは、ピーテル・ブリューゲル1世が卓越した画家として”農民の生活”と”風景画”特に冬の風景という2つの新しいジャンルに目を向けたことにあると言われている。「ブリューゲル様式」とも言われるスタイルに彼の子孫たちは磨きをかけ、改良し、大衆に普及させていったのである。

農民のリアルライフをありのままに描く

 例えば、著名な作品《野外での婚礼の踊り》(写真冒頭)は、当時の農民の日常生活が生き生きと表現されている。
 本展覧会の最初の章『宗教と道徳』で紹介されている「最後の審判」(以下の版画)や「キリストの復活」に代表されるように、聖人の生涯を証することを目的にして発展してきたヨーロッパ美術の主流は宗教画であり、普通の農民の生活をそのように写実的に表現するのは画期的なことだった。

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ピーテル・ブリューゲル1 世 [下絵] 、ピーテル・ファン・デル・ヘイデン [彫版] 《最後の審判》1558年 Private Collection

 ブリューゲル一族の画家たちは、生活の苦労で腰の曲がった農婦、物乞い、酔っ払ってダンスをし、共に歓喜するといった農民たちのありのままの姿、つまりリアルライフを描き出したのである。
 こうした現実をそのまま描くという写実的手法は、19世紀にジャポニスムと呼ばれる日本の浮世絵から影響を受けて印象派が生み出した新たな表現様式であり、それよりも何百年も前にすでにピーテル・ブリューゲル1世が手がけていたという事実は驚きに値する。

→ 次ページ:
フランドル人の心象風景たる冬の風景

フランドル人の心の風景

 《鳥罠》は、父のピーテル・ブリューゲル1世が考案して人気となったものを、息子・ピーテル・ブリューゲル2世が模倣(コピー)して広めることで有名になった作品である。ピーテル2世の工房が最も多く制作した作品で、この絵と同じ構図の模倣作品は140点以上も存在するという。

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ピーテル・ブリューゲル2世《鳥罠》1601年 Private Collection, Luxembourg

 中央ヨーロッパに住んでいた頃、人々が広間のスケート場や凍った湖でスケートに興じる姿を記者はよく見かけた。グレーの雲に覆われたどんよりとした空、冬枯れの木、スケート遊びなど《鳥罠》を見ると、欧州の冬の情景がまざまざと甦ってくる。フランドルの人々にとって冬の景色は、いうなれば日本人にとっての富士山に相応するほど象徴的なものであるという。

 宗教画が当たり前だった時代に、心の風景である絵画を発見し、模倣(コピー)をして多くの人の手に入りやすいよう提供した。ブリューゲル一族が人々に支持されたのはそういった理由ではないだろうか。

 本展覧会の第3章『冬の景色』では、代表作《鳥罠》をはじめ、《冬の市場への道》《スケートをする人がいるフランドルの農村》《冬のフランドルの農村》などが展示されている。凍てついた寒さを感覚的に伝える色調、人物のゆっくりとしたリズムや遊びに夢中な子ども達など、冬の情景をありありと伝えるブリューゲルの見事な表現の世界を堪能できる。

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ヤン・ブリューゲル2世 《冬の市場への道》1625年頃 Private Collection

ほとんどの作品が日本未公開

 本展覧会で紹介されるおよそ100点の絵画の多くは、通常公開されることのない貴重なプライベート・コレクションである。今回の出展作品のほとんどが日本初公開となっているのも見どころである。

 「画家一族 150年の系譜 ブリューゲル展」は、東京での開催後、4月に豊田市美術館、7月に札幌芸術の森美術館にて開催される。またその後、広島県、福島県にも巡回が予定されている。

 『冬の風景と城砦』『静物画の盛隆』『農民たちの踊り』など絵画のジャンル別に7つの章で紹介される画業を通して、ピーテル1世からひ孫のアブラハムに至るまで、類まれなる画家一族ブリューゲルに脈々と受け継がれた絵画への姿勢、画家の魂ともいえるものが伝わってくる。

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ヤン・ブリューゲル1世 ヤン・ブリューゲル2世《机上の花瓶に入ったチューリップと薔薇》 1615-1620年頃 Private Collection

→ 次ページ:
招待券プレゼントのお知らせ

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ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜

【会期】
2018年1月23日(火)~4月1日(日)
【開室時間】
9:30~17:30 金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
【休室日】
月曜日、2月13日(火)※ただし2月12日(月)は開室
【会場】
東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)
【観覧料】
一般1,600円 他 ※詳細は展覧会公式HPでご確認ください
【アクセス】
JR上野駅「公園口」より徒歩7分 他
【展覧会公式HP】
http://www.ntv.co.jp/brueghel/

「ブリューゲル展 」招待券プレゼント応募は終了いたしました。
賞品は抽選の上、2018年2月26日に発送しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。

2018年2月9日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)

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