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最終更新日:2018.01.07 公開日:2018.01.07

謎をよぶ史上最⾼額で落札されたダ・ヴィンチの名作。なんと、あのルーヴル・アブダビへ!

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ルーヴル・アブダビ。(c) Louvre Abu Dhabi, Photography: Mohamed Somji

行方不明だったダ・ヴィンチの絵画が史上最高額で落札

 巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチによる幻のキリスト画「サルバトール・ムンディ」が11⽉15⽇、米ニューヨークの競売で約4億5030万ドル(約508億円)、美術品のオークションとしては史上最⾼額で落札された。

 「世界の救世主」という意味であるサルバトール・ムンディは、イエス・キリストを描いた肖像画で、ダ・ヴィンチが1500年ごろに描いたとみられている。⻘い服を⾝にまとったキリストが、左⼿には⽔晶⽟を持っており、右手は祝福するかのように上にあげている。

「世界の救世主」の数奇な運命

 この油絵は数奇な運命を辿ってオークションに出展された。米CNNによると、17世紀にイギリス王室が所有していたが、18世紀半ばに所在がわからなくなり、1900年に発見された時は、上書きされていたため一旦ダ・ヴィンチの作品ではないと判定された。しかし2011年に専⾨家の鑑定によってダ・ビンチのものと再確認され、ロンドンのナショナルギャラリーで一般公開され話題を呼んだ。

 現存するダ・ヴィンチの16作品のうち、個⼈所有のものはこの作品のみということで、競売前に一般公開された時点から話題になり最高値が予測されていた。競売を行ったクリスティーズでは、当初1億ドル(約112億円)前後と⾒られていたが4倍に跳ね上がり、最終⼊札額は4億ドル(約450億円)で落札され、⼿数料などが加算されて冒頭の⾦額となった。

508億円の絵の持ち主は不明

 落札者は匿名の電話でオークションに参加したと言われており、クリスティーズは⾝元を明らかにしていなかったため、所有者は誰なのか観測が⾶び交っていた。どこの億万長者がというのもあるが、多くの人がこの絵を実際に目にすることを望んでおり、所有者によってこの貴重な作品が一般公開されるかどうか決まるからである。

 そういった中、フランスのルーヴル美術館の別館「ルーヴル・アブダビ」が12月8日、ツイッター上で「ルーヴル・アブダビは、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品『サルバトール・ムンディ』を展示することを心待ちにしています。この作品はアブダビ文化観光局がミュージアムのために入手しました。」と発表。世界中のメディアを騒がせた。

安住の地を得た名画

 ルーヴル・アブダビといえば、アラブ首長国連邦の首都アブダビに11月11日にオープンしたばかりのアラブ圏初といわれるユニバーサル・ミュージアムである(記事はこちら)。
 米CNNは、アラブ首長国連邦政府は以前からこの作品に目を付けており、この機会を逃せばダ・ヴィンチ作品を入手できる機会は二度と訪れないだろうと思っていたことを伝えている。

 サルバトール・ムンディは、パリのルーヴル美術館のモナリザに匹敵する世界的な名作として、同美術館の最大の呼び物になることだろう。数奇な運命をたどった名作は安住の地を得ることになった訳である。

2018年1月7日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)

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