「寝過ごし救済バス」 今年も運行します! 欧州のナイトバスもご紹介
今年も忘年会のシーズンがやってきた。終電を逃した人のため、JR中央線・中央特快最終電車の高尾駅到着に合わせた「寝過ごし救済バス」が、2017年12月8日、12月15日、12月22日の3日間、金曜限定で運行する。
寝過ごし救済バスとは?
寝過ごし救済バスとは、西東京バス株式会社の運転手の発案により2014年から運行を開始し、今年で4年目となる。このバスは、寝過ごしてうっかり高尾駅まで来てしまった、そして東京方面行き上りの終電(0時31分発武蔵小金井行)を逃した人に、宿泊施設などがある八王子駅まで送り届けてくれるサービスだ。
※路線図は主な停留所のみ記載
最終電車(東京駅0:00発の中央特快高尾行、0:55高尾着)に接続して、高尾駅北口を1:05に発車し、高尾駅からJR八王子駅まで各停留所に停車する。運賃は、高尾駅北口~JR八王子駅間で880円(深夜バスのため、運賃は倍額)である。
昨年は3日間の運行で、75名の利用者があったそうだが、うっかり乗り過ごしてしまった人には、「八王子駅北口行」のバスの灯りが救世主に見えるのではないだろうか。
本稿に関連した記事として「飲んだら座るなっ!? 恐怖の首都圏長距離列車 乗り越しランキングJR編#1!」もご覧いただきたい。
ヨーロッパの主要都市にはナイトバスが普及しており、終電を乗り過ごすということがない。
例えば、ドイツの首都ベルリンでは、地下鉄や電車の運行はおおよそ深夜1時が終電だが、終電後もナイトバスがほぼ全地域を約1時間ごとに運行している。また、週末は地下鉄も夜間運行していて便利である。
ベルリンのナイトバスの路線図。紫色がナイトバス、赤色が夜行路面電車の路線。終電後から始発までの間もほぼ全域をカバーしている。(c)BVG
ちなみにベルリン市の公共交通機関BVGは、オリジナルの曲を使ったユーモア溢れるプロモーションビデオでも有名であるので、最新版を紹介したい。
ベルリンの公共交通が制作したPVが人気
タイトルは「Ohne uns(我らなしには)」で、BVGなしには家に帰れませんという意味合い。80年代のニューウェーブ風に仕上げたベルリン流パロディである。
夜バーに行った後にもナイトバスがあるし、オートバイの免許を押収されても路面電車があるから大丈夫。怖い人たちに追いかけられてもバスに乗り込めば安心、といったシーンに合わせた歌詞がバンドによって歌われ、サビのテキスト「我らなしには今夜ウチに帰れないよ~」がからむ。
オリジナルのプロモーションビデオ「Ohne uns」。(c)BVG
東京の公共交通にはこういったPVまでは望めないにしても、深夜まで仕事をしている人などのためにもナイトバスがあったら便利ではないかとも思うがいかがだろうか。
2017年11月29日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)