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最終更新日:2017.11.09 公開日:2017.11.09

【2017/10/21~2018/2/18】 アンデスの謎に迫るシリーズ集大成! 「古代アンデス文明展」が深い

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《象嵌のマスク》 モチェ文化(紀元200 年頃から750/800 年頃) ペルー文化省・国立博物館所蔵 撮影 義井豊

 南米大陸の太平洋岸に展開した、時間的にも空間的にも巨大で複雑なアンデス文明の謎に迫る「古代アンデス文明展」が、2018年2月18 日まで東京上野の国立科学博物館にて開催中だ。

そもそもアンデス文明とは?

 時間的には、紀元前3000年頃から16世紀にスペイン人がインカ帝国を滅ぼすまでの間。空間的には、ペルー、ボリビア、アルゼンチン、チリにかけての南北4000km、標高差4500mに及ぶ広大な地域で、多種多様な文化が盛衰を繰り返した。

なぜアンデス文明には謎が多いのか?

 アンデス文明は、この地域の他に類を見ない変化に富んだ自然環境の影響と、16世紀にスペイン人が侵略するまで他と接触がなかったため独自の文化を育んできた。そのためアンデス文明に関する多くの謎はいまだ解明されていない。

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標高2430mの山の尾根に広がる「空中都市」マチュピチュは、インカ帝国の遺跡。マチュピチュを建てた目的について今までさまざまな説が出たが、最近一番有力なのは、王のミイラに捧げられた街として造られたという説だ。(c) picture alliance / Sergi Reboredo

 本展覧会では、カラル、チャビン、ナスカ、モチェ、ティワナク、ワリ、シカン、チムー、インカというアンデス文明を代表する9つのユニークな文明を取り上げ、その中で育まれた神々の神話や儀礼、神殿やピラミッドを作り上げる優れた技術、厳しくも多彩な自然環境に適応した独自の生活様式を、黄金製品やミイラ、土器などの、約200点の貴重な資料によって明らかにする。
 1994年から、5回の展覧会を開催し400万人以上を動因した「TBSアンデス・プロジェクト」の集大成ともいえる特別展である。

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アンデス文明の謎とは?

アンデス文明をめぐる謎

 他の文明との接触がなかったため独自の発展の道を歩んだアンデス文明は、旧大陸の考察で蓄積した知識では解きがたい「謎」が数多く残されている。

 ここに挙げる数々の謎をガイドとして、最新の解釈が紹介された展示を楽しんでいただきたい。

① 地上絵は何のために描かれた?

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ハチドリの地上絵。(c) picture alliance / Arco Images GmbH

 ペルーの南部海岸の砂漠地帯に800㎢もの広さにわたって描かれている巨大なナスカの地上絵は、古代世界が残した最大の謎だ。
 地上絵は、サル、クモ、コンドルなど動物の絵と、台形、三角形などの幾何学模様の2種類がある。

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ナスカの地上絵に描かれた動物。左上から時計回りにトカゲ、コンドル、犬、サル、クモ。(c) picture-alliance/ dpa-infografik

 その理由については、「宇宙人が作った」、「気球を飛ばして上から見た」、「用水路だった」などの仮説があるが、最近の発見で地上絵の上で何かの宗教儀式が行われた形跡が発見された。さていったい真実は?

② 土器の謎

 車輪を用いなかったアンデス文明では、他の大陸のように、陶磁器の形状がシンメトリーではなく、動物や栽培植物、怪物や精霊など、独創的な形象壺が作り出された。リアルな人物の顔の壺などは一種のポートレートとして土器が使用されたのかもしれない。

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《同じ人物の人生の3つの時期の顔を表現した肖像土器》ラルコ博物館所蔵。モチェ文化(紀元前200年頃から750/800年頃)。(c) JAF Media Works

③ アンデスの人々は「世界」をどのようにとられていたのか?

 アンデスの人々にとって死とは何か、世界はどのような仕組みで、なぜ人は生きるのかなど、世界の成り立ちについてどのように考えていたのだろうか。

 多様な芸術作品を残したモチェ文化の土器を見ると彼らは、「人間」「自然」「死者」「神々」という4つの世界を認識していたようだ。モチェの人々は死者との交流が密接であったようで、骸骨と生身の女性が交わっている土器など、死生観が垣間見える土器が発見されている。

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左が《死んだ男性と生きている女性の性行為を描写した鐙型注口土器》、右が《シカを背負う死者をかたどった鐙型注口土器》共にラルコ博物館所蔵。モチェ文化(紀元前200年頃から750/800年頃)。(c) JAF Media Works

④ 文字のない文化のなか、どうやって情報を記録したのか?

 インカの記録技術で最も洗練されているのは、「キープ」という紐に結び目をつくる方法だ。色、テクスチャー、素材など異なる紐にさまざまな種類の結び目を作ることで、キープは単純な数量だけでない情報も記録できた。現在でもキープの完全な解読はできておらず、謎を残したままだ。

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《インカ帝国のチャチャポヤス地方で使われたキープ》 インカ帝国(15 世紀早期から1572 年頃) ペルー文化省・ミイラ研究所・レイメバンバ博物館所蔵 撮影 義井豊

⑤ 中南米原産の野菜が世界の料理を変えた?

 16世紀以前、韓国料理は辛くなく、イタリア料理にトマトは使われていなかったし、ドイツ人は「国民食」のジャガイモを知らなかった。
 トマト、トウガラシ、ジャガイモ、カボチャ、トウモロコシなどの作物は、アンデスの農民たちが古代以来、野草から選抜して大きな実がつくように育種したものなのだ。アンデスの野菜がなかったら世界の食事情はかなり違ったものになっていただろう。

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招待券プレゼントのお知らせ

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古代アンデス文明展
【会期】
2017年10月21日(土)~2018年2月18日(日)
【開館時間】
9:00~17:00(金曜日・土曜日は20:00まで)
※入館は各閉館時刻の30分前まで
【休館日】
月曜日(1/8、2/12は開館)、12/28(木)~1/1(月)、1/9(火)
※諸事情により、開館時間・休館日等を変更する場合がありますので、公式ウェブサイト等でご確認ください。
【会場】
国立科学博物館(東京・上野公園)
【最寄り駅】
・JR「上野」駅〈公園口〉から徒歩5分
・東京メトロ銀座線・日比谷線「上野」駅〈7番出口〉から徒歩10分
・京成線「京成上野」駅〈正面口〉から徒歩10分
【公式サイト】
http://andes2017-2019.main.jp/andes_web/

招待券プレゼント企画は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。賞品は11月20日(月)に発送いたします。

◆JAF会員優待のご案内
「古代アンデス文明展」の入場料がJAF会員優待(クーポン企画)にて割引となります。
詳しくはJAFご当地情報ページをご確認ください。

※ご注意
・会場チケット売場にて JAF PLUS 11月号(東京版)掲載のクーポン券提出が必要です。
・JAF会員証の提示では割引になりませんのでご注意ください。

2017年11月05日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)

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応募はこちら!(10月31日まで)
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