ランドローバーとスターシェフ、J・オリバーがコラボしたら、究極のキッチンカーが生まれた!
© Lange Rover
ランドローバーとイギリスのスター料理人ジェイミー・オリバーがコラボした、「究極のキッチンカー」が実現した。
料理界の革命児ジェイミー・オリバー
ジェイミー・オリバーは、23歳の時にイギリスの料理番組に抜擢され人気を博した。現代のライフスタイルに合ったシンプルで実用的なレシピの料理本17冊がベストセラーとなっている、ヨーロッパでは知らない人がいないシェフだ。コック服を着ず普段着のジーンズ姿で料理をする彼は、ストレートな発言をすることでも有名で、料理界に新しい風を吹き込んだ革命児とも呼ばれている。近年は、英国の学校給食の品質改善に働きかけるなど「食育」にも意欲的に取り組む。
コック服もエプロンも身にまとわないシェフ、ジェイミー・オリバー。© picture alliance / Photoshot
ジェイミー・オリバーのためのキッチンカーとして選ばれたクルマは、2,500Lのラゲッジスペースを備えた7人乗りのランドローバー「DISCOVERY」である。シェフ自身も長年ランドローバーを相棒として仕事とプライベートで愛用している。
センターコンソールから熱々のトーストが!?
このコラボ企画は、スタートした時の様子からして面白い。
中年になったとはいえ、やんちゃなジェイミー・オリバーがランドローバー社の特別仕様車部門を訪れ、DISCOVERYを一瞥した後、開発担当者に「車内にトースターを取り付けるのはどうかな?」と提案。担当者が「えぇ、トースター?」と戸惑っている間にも、「トースターに、冷蔵庫に、コーヒーメーカーも必要だね。それに野外でパスタを作るための広~い調理台」とたたみ掛け、担当者は完全に引きぎみ。それを無視してオリバーは
「タイヤって回転するよね?じゃ、ここでバターを作れないかな?それからグリルもいいね。肉を回転させてグリルするロティサリーグリルのこと想像してみて? こりゃすっごいクルマができるよ!」と完全に自分の世界に入っている。
すごいのがランドローバー特別仕様車部門である。気難しい料理人の要求、全てをみごとにクリアしたばかりか、それ以上の装備を織り込み「夢のキッチンカー」を完成させたのだ。
初回のミーティングでのやり取りを収めた動画。ジェイミー・オリバーとランドローバーのやり取りが最高に笑える。リンク先=YouTube
ジェイミー・オリバーは、「僕の夢を実現させるために、壮大な難題をふっかけちゃったのに、ランドローバーは予想をはるかに超える最高のDISCOVERYを開発してくれたよ」と賞賛の意を表した。
大型テレビつきの調理台
気になる装備を紹介しよう。目を引くのは2つのガスレンジとシンクを備えた幅1.1m、高さ1.5mの折りたたみ引き出し式調理台である。スタイリッシュであると当時に屋外でのキッチンスペースとしてはゆとりの広さである。調理台の手前のボードには、インターネット接続ができる40インチの薄型テレビとなっていて娯楽も楽しめる。
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ホイールはなんとバター製造機とアイスクリーム・メーカー
4つのタイヤの内の3つのホイールには、回転を利用してオリジナルのバターを作れるかくはん器が組み込まれていて、ひとつのホイールで5Lのバターを作ることができる。残り1つのホイールはなんとアイスクリームメーカーだという。
センターコンソールにはパン2枚が焼けるトースターが備え付けられ、エアコンの後部にはビン3つとナイフ1本が収納できるジャム貯蔵庫が隠されている。パンといえばトーストのイギリス人には欠かせないキッチン器具である。
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トースターにご満悦のスターシェフと彼の息子。© Lange Rover
まるでドラえもんのポケットのごとく次々と飛び出すキッチン装備だが、まだまだある。フロント部分には360度回転しながら肉のグリルができるロティサリー・グリルまでついているのだ。このグリルでは、平均的なサイズのチキンなら3羽、七面鳥1羽、ラムの脚1本、子豚1頭が調理可能(日本の肉屋には通常、子豚1頭は売ってません…)。
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ボンネットを開けると、エンジン・ベイにはエンジンの余熱を使って調理するスロークッカーが隠れている。容量4.7Lのスロークッカーは、スープや煮込み料理を作るのに最適だ。
ハーブを使ったスープを作るシェフ。© Lange Rover
インジケーター・ストークはオリーブオイル・ディスペンサーに!
他にも、右のリアウィンドウにはハーブが8株まで据え付けられるハーブガーデン、左のリアウィンドウにはスパイス瓶11個分が収容できるスパイス・ラック、インジケーター・ストークによってテールゲートに据え付けられたオリーブオイル&ビネガー・ディスペンサー(各500mL)など、便利でユーモアのセンスあふれるアイテムを機能的に収納。
フレッシュなハーブがいつでも使えるようリアウィンドウに据え付けられている。ハーブは外側からも摘むことができるよう設計されている。© Lange Rover
なんともユニークなインジケーター・ストークを使ったオリーブオイル&ビネガー・ディスペンサー。© Lange Rover
「異端児」シェフの無理難題にランドローバーがプロの技術と意地で答えた、クレイジーとしかいいようがない究極のコラボ作品である。
完成したキッチンカーを使って、ジェイミー・オリバーが朝食を作って振る舞うTV番組がユーチューブで配信されているので、ご覧いただきたい。
クッキングカーで朝食を振舞うジェイミー・オリバー。彼のトークを交えたクッキングスタイルも独特だ。リンク先=YouTube
2017年10月16日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)