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クルマ2017.09.12

AUTOMOBILE COUNCIL#5 60年代から90年代まで!911大盛りのドイツ車編1

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 海外のヒストリックカーや国産の旧車が題材の展示・即売会『AUTOMOBILE COUNCIL(オートモビルカウンシル) 2017』。第2回となる今年は8月4~6日に幕張メッセで開催された。

 同展示会は、国内外の複数の自動車メーカーに加え、ヒストリックカーや旧車のレストアを行っているショップや、海外メーカーの輸入代理店が数多く参加している。往年のスーパーカーや高級車、さらには戦前のクラシックカーなどをまとめて見られるのが特徴だ。

 レポート第5弾はドイツ車編その1ということで、複数のショップが出展していた60~90年代のポルシェを、中でも「911」を中心にお届けする。


ポルシェは「911」+αで合計12車種が集結!

 ポルシェの顔どころか、ドイツが世界に名だたるスーパーカーである「911」は、1963年のフランクフルトモーターショーで「356」の後継車として発表された。当初は「901」という名称だったが、プジョーによる登録商標で3桁数字の車名の場合は2桁目を「0」とすることができず、後に「911」に改称された。

 「901」としては84台が1964年に生産。「911」としては1965年から量産され、50余年の歴史で2017年5月には100万台突破を達成している。なお初代911は、かつての名称にちなんで「タイプ901(901型)」と呼ばれる。

 今回は、60年代末から70年代半ばまでのモデルと、少し時代が進んで90年代のモデルの合計9車種が出展されていたので、年式の古い順に紹介する。

911S(初代・タイプ901:1968年前期)

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マカオのスケールモデルメーカー・スパーク社の日本法人「スパークジャパン」が展示した「911S」。1968年8月以降の生産モデルはホイールベースが延長されたことから、それ以前の「911」は「ナローポルシェ」といわれ、この1968年前期モデルは「最後期のナローポルシェ」といわれる。

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L、T、Sと3種類あった当時のグレードの中で、このSは「スポーツ」を意味し、最上位モデルとなる。排気量は車種によって変化するが、911の伝統として受け継がれている水平対向6気筒エンジンをリアに搭載し(1968年前期の「911S」は2L)、最高出力160ps/6600rpm、最大トルク18.2kg-m/5200rpmをマークした。「911S」は金鍛造ピストンを採用し、バルブやポートの大径化などが施されていた。

911S(初代・タイプ901:1969年式)

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空冷モデルをメインに扱うポルシェ専門店のTHE GARAGE WORKSは4台の「911」を出展。その内の最も年式が古かったのが、1969年式「911S」だ。見比べてみないとわかりにくいが、上で紹介した1968年前期型「911S」よりもホイールベースが57mm延長されており、その結果として操安性が大幅に改良された。

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「911S」の登場は1967年から。なお、すべての「911」が採用しているわけではないが、5本スポーク型の独・フックス社製ホイールは「911」の特徴のひとつとされ、最初に装着した「911」がこの時期の「911S」だ。

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続いて1970年代の「911」

1970年代の「911」は3台

 70年代といっても、1974年までは初代の「タイプ901」が生産され、1974年にモデルチェンジして2代目の「タイプ930」が登場する(「タイプ930」は1989年まで生産された)。今回は「タイプ901」のみが集合していた。

 ただし、同じ「タイプ901」でも年式が異なると外見も若干の変更が見られ、そうした細部を比較してみるのもひとつの楽しみ方だ。

911S(初代・タイプ901:1972年式)

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THE GARAGE WORKSが出展した4台の「911」の1台。1972年式の「911S」。前ページの2台の「911S」とは数年の差しかないが、細かくデザインの変更などが行われている。なお、この「911S」は5本スポークのホイールを装着していない。

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同じ初代「タイプ901」の「911S」でも、1968年(前期)式や1969年式からリアのデザインが変更されているのがわかりやすい。より曲線が強調されたデザインとなった。

911T(初代・タイプ901:1970年式)

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THE GARAGE WORKSは、1970年式「911T」のオレンジとシルバーの2台を出展した。「911T」の「T」はツーリングを表し、1968年にエントリーモデルとして設定された。

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THE GARAGE WORKSのシルバーの1970年式「911T」。ポルシェは1968年に「911T」をベースに、パワーを抑えたエンジンと4速MTを搭載したさらにエントリー向けのグレードも設定し、「911L」とする。そして「911L」は1969年にエンジンを2Lから2.2Lに変更し、その際に「911E」と改称することになる。

911 カレラRS 2.7(初代・タイプ901:1974年式)

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ショップナインプロダクションも4台のポルシェを出展。「911 カレラRS 2.7」は1972~73年に生産されたことから、通称「ナナサン・カレラ」といわれる。なお「1974年式」とあるのは、おそらく日本に輸入されて登録された年と思われる。また同車はカレラの名がつく「911」の最初のモデル。2.7はエンジンの排気量を示し、最高出力210psを絞り出した。

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「911」の長い歴史の中で「カレラ」の名の使われ方は変化していくのだが、この時代はレース用モデルに使われていた。RSはドイツ語の「Renn Sport(レン・シュポルト)」の略語で、意味はレーシング・スポーツ。レース用であることを強調していることからわかるように、同車はレースのホモロゲーション(一定台数以上を生産して、レース参戦のための条件を満たすこと)の獲得を目的として限定生産されたモデルである。

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次は1990年代の911たち!

1990年代の「911」は3台

 70年代スーパーカーブームにおける人気車種のひとつ、ポルシェ「930ターボ(3.0)」も「911」のひとつで、2代目のタイプ930に属するのだが、残念ながら今回は出展されていなかった。一気に1989年に登場する3代目のタイプ964まで飛び、1990年以降の年式の「911」を紹介が3台出展されていた。

911 カレラ 2(3代目・タイプ964:1990年式)

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1989年で生産が終了した「タイプ930」の後を引き継いだのが、3代目の「タイプ964」。「911」の歴史において初めて4WDが導入され、「911 カレラ 4」がまず発売された。「911」の4WD化を疑問視する声があったが、それに応えるように後輪駆動車としてこの「911 カレラ 2」が作られた。

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「911 カレラ 2」は、ポルシェのセミAT「ティプトロニック」を搭載した初めての車種。なお、ティプトロニックは世界初の市販セミATとされている。なおカレラの名称は初代「タイプ901」の後半には一度姿を消してしまうが、2代目の「タイプ930」で1984年に復活。ただし、その際にレーシングモデルを指すのではなく、ノンターボ(NA)車を指すよう改められた。

911 カレラ RS3.8(3代目・タイプ964:1990年式)

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ショップナインプロダクションが出展した「911 カレラ RS 3.8」。同車は、RSとあるようにレース用の限定生産モデルだ。3.8は排気量を指し、現行モデルでも3.8Lエンジンを搭載する車種が存在するが、この排気量は「911」シリーズとしては最大となる。

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「911 カレラ RS 3.8」はレース用モデルということだけあり、迫力のある大柄なリアウィングが特徴。同じRSということで前ページの「911 カレラRS 2.7」と比べると、とても大型化しているのがわかる。

911 カレラ2 スピードスター(3代目・タイプ964:1994年式)

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ショップナインプロダクションが出展した90年代「911」の1台。「スピードスター」は「911」の先代である「356」の時代に設定され、「911」では2代目となる「タイプ930」の最終年となる1989年に限定生産として復活した。3代目の「タイプ964」でも最終年の1993年に限定生産された。

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タイプ964のスピードスターは日本には100台ほどが正規輸入されたという。なおタイプ964は1993年に生産が終了しているが、展示車両の年式が1994年となっているのは、日本に輸入されて登録されたタイミングと思われる。

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最後はそのほかのポルシェ+α!

911以外のポルシェたち!

 「911」以外のポルシェは2台、そしてポルシェをベースとしながらも、チューニングやカスタマイズショップではなく、独自の自動車メーカーとして扱われているRUF(ルーフ)の1台が出展された。

906 カレラ(1966年式)

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Classic Car.jpが出展していたのが、市販車ではなく、レーシングカーとして設計された「906カレラ」。デビューは1966年のデイトナ24時間レース(同レースは1966年に初めて24時間レースとして開催された)。1960年代後半の日本のレースでも大いに活躍した。

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日本では、1966年に開催された第3回日本グランプリに出場。先代のポルシェ「904」は1964年開催の第2回日本グランプリで圧勝しており、そんなポルシェ勢に対抗してプリンス自動車が投入したのが、日本初のレーシングカー「R380」だった。そのときは、「906 カレラ」は一時トップを走るもクラッシュでリタイアとなっている。

912 1.6 タルガ(1968年式)

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CLUB CLASSIC CAR LOVERSが出展していたのが、1965~69年にかけて生産された「912」シリーズの内のオープンモデル「912 1.6 タルガ」。「911」の出力と価格を抑えたエントリーモデルとして「912」は開発され、「912 1.6 タルガ」は1967年に登場したオープンカータイプ。ポルシェではオープンカーをタルガと呼ぶ。

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「912」は外見的にはほぼ「911」と同じで、大きく異なるのはエンジン。「911」が2.0L・水平対向6気筒なのに対し、「912」は1.6L・水平対向4気筒。最高出力も5psデチューンされ、90psとなっている。

RUF「BTR カブリオレ」(1985年式)

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自動車修理工場として出発し、後にポルシェ専門のチューニングメーカーとして大いに評価されたRUF。そして、あまりにも完成度の高いチューニングカーを産み出してきたことから、ドイツにおいて自動車メーカーとして認可されるに至ったのである。この「BTR」は「911」の2代目に属する通称「930ターボ」をベースに開発された。リアウィングが立っているように見えるが、これはエンジンが見えるようにリアのフードを開けているため。

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「BTR」自体が世界限定で数10台しか作られていないといわれ、さらにこの「BTR カブリオレ」は世界で3台しかないという。なお、「カブリオレ」とはドイツ語であり、英語なら「コンバーチブル」。要は、クローズドとオープンと両方に切り替えられる意味合いで、オープンカーの1種というわけだ。

 ドイツ編その2は、メルセデス・ベンツとフォルクスワーゲンを紹介する予定だ。

2017年9月12日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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