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クルマ最終更新日:2017.07.20 公開日:2017.07.20

【第28回 国際文具展:2】 こだわりの職人技術が生える 国内外の文具メーカー!

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毎日の月の満ち欠けを紹介した「宙(そら)の日めくりカレンダー」

 最新のステーショナリーグッズが勢揃いする「第28回 国際 文具・紙製品展ISOT」が、7月4日から6日にかけて東京ビッグサイトで開催された。

 第2弾の今回は、個性あふれる文房具を製造している4社を紹介したい。

創業から鉛筆削り一筋、ドイツ職人気質あふれるDux

 手動式鉛筆削り器は、1908年にドイツ人技師テオロドール・P・メビウスによって発明された。
 ドイツの「Dux(ダックス)」は、創業以来、鉛筆削り器だけを製造し続けるこだわりのメーカーで、製造工程のほとんどは熟練の職人たちの手作業によって行われているという。ドイツクラフトマンシップの伝統を受け継ぐ重厚で時代の流れにもぶれない姿勢が感じられる。

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 ダックスは数多くの製品パレットを持っているが、最も有名なのがずっしりと重い真鍮製シャープナーである。まさにドイツのマイスターが使うような職人道具といった風貌だ。真鍮製のシャープナーは、削った鉛筆のシャープネスを3段階調節できるダイヤルが付いたもの、スタンダードなもの、太さの違う鉛筆に対応したダブルシャープナーがある(写真上:手前左から)。
 机の上に置くとおしゃれなインクボトル型のシャープナー(左奥)、斜めにしても鉛筆が削れる画期的なリードシャープナー(中央奥)、アクリルでできたペーパーウェイトの機能も兼ね備える、クリアな美しさのシャープナー(中央右)など、それぞれ機能に応じ個性がある。

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 様々な形と色が備わったバリエーション豊かなボックスシャープナーは、マグネシウム合金の刃とプラスチックでできていて、価格も安く、ドイツでは子供から大人まで幅広い層に愛用されている。60年代を思わせる独特のくすんだ色合いがレトロでおしゃれだ。

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月とともに生きるカレンダー?

大正時代からあるカレンダーの老舗が提案する月とともに生きる豊かな生活

 満月の夜には「暴走型」の交通事故が多いという警察による統計データがあるが、洋の東西を問わず昔から月は人の心に作用すると言われてきた。
 「暦生活」は、繊細な季節のうつろいに耳を傾け、忙しい毎日の中で自分を取り戻すためにふっと立ち止まることを思い出させてくれるカレンダーである。大正11年創業の老舗「新日本カレンダー株式会社」による、心が癒されるグッズであり、宇宙ファンはもとより、幻想的な月の魅力を感じたり、精神性を大切にしたい人にぴったりだ。

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「宙(そら)の日めくりカレンダー」の右上にあるバーコードを読めば、宇宙にまつわるWEBコラムを読むことができる。

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月のマスキングテープ

 一年分の月の満ち欠けが見渡せる「年間カレンダー」、毎日の月の満ち欠けを紹介した、夜空を見上げたくなる「宙(そら)の日めくりカレンダー」、月の形と、いろいろな国から見た月の模様を表した「月のマスキングテープ」、スーパームーン、ストロベリームーン、ブルームーンの3色の美しい月の「ふせん」、月には海と呼ばれる場所があるが、その月の海の場所をモチーフにした3種の「ノート」などが揃っている。新しい年とともに、月のリズムと共に暮らす生活をはじめてみるのはいかがだろう。

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アイデアの宝物たる文具たち

ドラえもんのポケットのような文具メーカー

 KING JIM(キングジム)は、誰も考えつかない便利なアイデア商品を開発する、ドラえもんのポケットのような文具メーカーである。
 スマホやタブレットに代表されるように、多機能を備えたオールインワン商品が多い中、テキスト入力に集中した「ポメラ」など、あえて特定の機能に特化し便利さを追求したカジェットを生み出す姿勢が面白い。童心に返ってワクワクする商品が並ぶキングジムのブースは、楽しい雰囲気が漂い、モノ作りに対する姿勢を改めて考えさせられた。

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 上の写真は、ピン、マグネット、ノリを必要とせずに紙をボードに止めておける不思議な電子吸着ボード「ラッケージ」。秘密は、吸着面の電極に電気を流し、静電気を発生させて吸着させる技術にある。微弱な静電気のため、人体に影響はなく、静電気でピリッと感じることもない。名刺やメモ書きなど忘れないように吸着させるのに便利だ。

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 「デジタル耳せん」(写真上)は、環境騒音だけを約90%カットし、呼びかけ声やアナウンス、着信音など必要な音は聞こえるという耳せん。イヤホンに内蔵された小型マイクロホンで、周囲の環境騒音を吸音し、その逆位相の音を出して騒音を打ち消す仕組みになっているという。カフェで勉強して集中できない時、電車で落ち着いて読書がしたい時、エンジン音がうるさい飛行機の機内などでの使用におススメで、人の声やアナウンスが聞こえるから安心だ。

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 「デスクポケット」(写真上)は、マグネットで引き出しにつける収納スペース。ノート、電卓、筆記用具、ハンコ、スマホなど良く使うワーキングツールに合わせたポケットが付いていて、収納することで机の上をキレイに片付けることができる。
 今までのキングジムの製品にはあまりみられなかった(?)スタイリッシュさも加味された8月9日発売の新製品である。

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あのポメラの新作が。そして、葛飾の職人が作るアルミの名刺入れも!

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ポメラ・シリーズの最新作「ポメラDM200」

 様々に改良されてきた「ポメラDM200」は、タブレットではなく、テキスト入力に特化したテキスト入力マシーンである。ネット機能はついていないため、文章作成に集中でき、開けるとすぐに起動して文を書くことができるので、電車、会議などですばやく開けてメモ代わりにもなる。無線LANを搭載し、ポメラSyncでiPhoneやMacと同期し、相互に文章を編集したり、Evernoteやメールのアカウントにテキストを送信したりもできる。

アルミの弁当箱で有名な葛飾のメーカーの職人が作る名刺入れ

 「大一アルミニウム製作所」は、東京の下町・葛飾の地でアルミ製生活雑貨の製造に60年以上従事する町工場。軽くてシンプルで、安心できるアルミの弁当箱が有名で、ひとつひとつの製品を職人さんが手作りで作っている。
 ミニチュア?と勘違いしてしまう「アタッシュカードケース」は、遊び心の効いた名刺入れだ。形やアルミの質感もそうだが、本物のアタッシュケースのようにぱちっという音をたてて開く鍵部まで精巧にできている。
 大一アルミニウム製作所は、現在、後継者不足が問題だとか。これからも長く使える製品を作り続けて欲しい、おもわず応援したくなるメーカーである。

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 個人的に、昔ながらこだわりの製品を作り続ける老舗のメーカーや印刷会社が、伝統技術を活かしながら現代のニーズを踏まえて生み出した作品が目を引いた、第28回の文具展だった。

2017年7月20日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)

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