夏の風物詩 金魚まつりと水族館で 納涼はいかが?
夏の風物詩といえば金魚。そして金魚といえば東京江戸川区である。
江戸川区の金魚養殖の起源は江戸時代にさかのぼり、その品質はトップクラスと謳われる。
盛夏の折、恒例の江戸川区「金魚まつり」と、すみだ水族館の「東京金魚ワンダーランド」で、優雅に泳ぐ金魚に触れ、涼しさを味わってみるのはいかがだろう。
金魚すくいも人気!江戸川区「金魚まつり」
今年45回目を迎える名物「金魚まつり」が、7月22日と23日、行船公園にて行われる。金魚の展示即売、金魚すくい、模擬店が軒を並べ、地元の人だけでなく金魚愛好家が集まる。
2日で2万匹(!)が用意される「金魚すくい」の他に、ランチュウ、オランダシシガシラ、アズマシニキ、タンチョウ、チャキンなど高級品種の金魚を扱った「高級金魚すくい(1人1回500円)」もあり、毎年、午前中で売り切れるほど人気を博している。
金魚ずくめの1日を涼しい水族館で
すみだ水族館では、7月10日~8月31日まで、金魚の展示会を含む金魚ずくめのイベント「東京金魚ワンダーランド」が開催中だ。
1000匹の金魚が水槽に遊泳し、天井には金魚の提灯がぶら下がる圧巻の展示エリア。その距離、なんと100m。
ワキン、リュウキン、ランチュウ、エドニシキ、タンチョウ、ピンポンパール、スイホウガン……。お馴染みの金魚から、珍しい品種まで全長100mの展示エリアでは、約20品種、1000匹の色鮮やかな金魚がひらひらと優雅に泳ぐ姿が楽しめる。中には体長約40cmの迫力ある金魚も目を引く。
改良を重ねてきた生きた芸術品
昔から日本人に愛されてきた金魚は、全体のシルエットや尻尾、色や模様など人の手で長い年月をかけて改良されてきた「生きた芸術品」である。
金魚はもともと中国から渡ってきたもので、日本では独自の品種改良が行われてきた。江戸時代に日本で最初に生み出された「ヂキン」は清楚で凛とした日本人好みのテイストが表れていて、日本独自の美意識が反映されている。
夏に涼を取ったり、優美な姿に癒されたり、生活にうるおいを与えてくれる金魚は、屏風や手ぬぐいのモチーフになったり、日常の品の中にも表現されるようになっていく。
提灯や飴細工など日本の伝統工芸も
山口県柳井市の職人がひとつひとつ手作業で制作した金魚ちょうちんもそのひとつである。全長100mの展示エリアの天井には、みごとな工芸品150個がつるされ、圧倒的な存在感と共に朱に染まった金魚のドームを作り上げている。
本物の金魚と見まごうほど精巧にできた金魚の飴細工も展示されている。
江戸時代に職人が町中を売り歩く庶民の娯楽として広がった飴細工は、日本が誇る伝統技術で、浅草にある飴細工アメシンの飴細工師の手による10の作品に触れることができる。まるで生きているようにイキイキとした表情や色の深み、ヒレのひとつひとつまで精密に作られた飴細工は、飴が固まる数分の間に作られたというから驚きだ。
本物そっくりの金魚の飴細工。食べるのがおしいほどだ。
飴細工アメシンの飴細工師によるみごとな飴作りの様子
体験プログラムと涼しいデザートはいかが?
金魚の形をした台紙に色の付いたチップを貼って、金魚の模様を作る「きんぎょ色あわせ」も、生き物を様々な視点から観察し学べる館内の「アクアアカデミー」で開催されている。子供も楽しめる体験プログラムとして人気で、ついつい夢中になり、金魚をじっくり観察してうろこの重なりを表現していく大人もいるとか。
金魚を堪能した後は、ペンギンカフェで期間限定メニュー「金魚ソーダ」をお試しあれ。金魚をイメージしたフルーツカクテルやベリーを金魚鉢型のグラスからすくって食べるドリンクで、金魚すくいをしているようで楽しい。
金魚の赤をイメージしたラズベリー味のソフトクリームも人気のメニューだ。
浴衣の来場者には、限定で金魚をイメージした赤いスパークリングワインを特別価格で提供するサービスも行われている。
夏の風物詩を情緒ある浴衣で味わうのも、おつなものだ。
2017年7月14日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)