自動運転ロボット・パトカーに 空飛ぶタクシー!? ますます進化するドバイ警察
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スーパーカー部隊やロボコップなど、最先端のハイテクセキュリティで話題に事欠かないアラブ首長国連邦のドバイ警察が、今度は「小型自動運転ロボットパトカー」を導入する。これによって世界ではじめて完全自動運転のロボットカーが24時間、ドバイの街をパトロールすることになる。
ドローン搭載の自立型屋外防犯ロボット
米CNNが発表したところによれば、ドバイ警察は「スマートドバイ」というプロジェクトの一環として、シンガポール企業「Ostaw Digital(オトソー・デジタル)」と契約し、ドローン搭載自律型屋外防犯ロボット「O-R3」の利用を年内に開始する。
O-R3は全長120cm、幅60cm。バッテリーを搭載し電気で駆動する。© Ostaw Digital
オトソー・デジタルによると、O-R3は次のような機能を装備している。
◆ 自律運転 機械学習アルゴリズムを搭載し、障害物を回避し周囲の状況を識別しながら走行する。3Dおよび2Dレーザースキャナー、超音波センサー、GPSなど高精度なセンサーを装備し、顔とナンバープレートの認識、異常事態の検出を行う。
◆ 陸と海の両方からパトロール 自動運転カーとドローンの組み合わせにより、地上と空から監視を行うことで犯罪を効果的に阻止する。
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◆ コントロールセンター 360度の赤外線カメラで指定地域を徹底的にチェックする。熟練した人間の監視能力を備えたO-R3は、中央通信システムとして機能し、本部のセンターにアラートを送り、ダッシュボード上に視覚的に表示する。必要に応じてセンターから警官が手動で操作することができる。
◆ 365日24時間体制 1年中休みなく駆動し、自分で充電もする。
あらゆる角度から安全を監視
オトソー・デジタルの動画によると、自動運転パトカーがクルマのナンバープレートや指名手配者の顔を読み取り、不審なモノがないか警備する様子が撮影されている。また、追い詰めた犯人が柵を乗り越えて逃げようとすると、車体後部からドローンを発進させ、追跡を続けている。
CNNによると、ドバイ警察はまず1台を導入し、警官からフィードバックを募って台数を増やしていく方針であり、1台のリース代は月額約112万円とのことだ。
ドバイ警察が展開するスマートドバイとは、最新技術の導入で人間の警備数を減少させると同時に犯罪防止や捜査能力の向上につなげようとするもので、ドバイ政府は今後の目標として次のような展開を計画中である。
◆2030年までに警官の25%をロボット化する
◆2030年までに政府公用車の約25%をハイブリッドカーやEV(電気自動車)など、エコカーにする
◆ロボット警官を自動走行車に載せる計画もあり、米テスラなどとの契約も検討している。
◆ドバイ道路交通局は7月に1人乗り自動運転ドローンの運行を開始する(以下動画参照)
今度は「空飛ぶタクシー」自動運転ドローン!?
最先端のハイテク導入にますます拍車がかかるドバイ警察。次はどんな話題を提供してくれるのだろうか。
2017年7月13日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)