スウェーデンで社員がマイクロチップの埋め込みに同意
ストックホルムにある新鋭IT関連企業「エピセンター」は、従業員に体内埋め込み型マイクロチップを無料で提供。若手社員の約150人がこのサービスを受けているという。
近未来映画のようなショッキングな出来事が、欧米メディアの間で話題になっている。
米国ABC Newsによると、このマイクロチップは、RFID(radio-frequency identification)という小型の無線認識装置で、サイズは米粒ほど。現時点では、ドアを開いたり、電子機器の認証が可能だが、将来的にはカフェでの支払いにも使用される予定だ。
このチップから、所有者のトイレ休憩時間、労働時間、所在場所、健康に関するデータを得ることができるという。
マイクロチップは、親指と人差し指の間にインプラントされる。
「このサービスを提供した時には驚きました。希望者の行列ができたんです。40代以上の人は、抵抗感があるようでしたが、若い人は拒否反応どころか、とても興奮していました」。
ABC Newsは、エピセンターCEOのパトリック・メスタトンのコメントを載せており、チップの埋め込みを受けている社員のほとんどが若者であると伝えている。
「自分も未来の一員になりたいから」
「クレジットカードや鍵をよく失くすので、便利」
「最初は何で自分が? と思ったけど、ペースメーカーも体内に埋め込むから違和感はない。デバイスと通信できるチップの重要度はこれから上がると思う」
新テクノロジーに興味津々の若者の利用者からは、このような声が挙がっているそうだ。
ABC Newsを受けて、ドイツの雑誌は「スウェーデンでは、マイクロチップをネットで注文して自分で移植することが合法であり、ネットでの個人情報の検索に関しても許容度が高い」と同国のお国柄を説明している。
ネットや携帯など欧州でも新技術の導入に積極的で、個人情報などの取り扱い方が日本ほどセンシティブではないというスウェーデンの事情が、今回のニュースの背景にあるようだ。
2017年4月12日(JAFメディアワークス IT Media部 荒井 剛)