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最終更新日:2017.01.31 公開日:2017.01.31

【オートモーティブワールド1】カーボンや発泡スチロールの女の子も!?

クルマの各種パーツを作っているものづくり系企業も多数出展。各社の技術を活用した女の子のフィギュアや立像なども展示された。

 第10回オートモーティブワールドが、1月17日から19日まで、東京ビッグサイトで開催された。同展示会は、第10回国際カーエレクトロニクス技術展、第9回EV・HEV 駆動システム技術展、第8回クルマの軽量化 技術展、第6回コネクティッド・カー EXPO、第4回自動車部品&加工 EXPOという、合計5つの展示会で構成される世界最大級の自動車先端技術展である。


 まずは、展示会の区切りにこだわらず、インパクトのあった展示物や技術などを紹介しよう。

カーボンの成形や加工を行う内田

 最初は、CFRP(炭素繊維強化プラスチック:カーボン)の成形や加工を行っている内田からだ。モータースポーツの世界では、ホンダの2輪レーシング部門HRCと提携して、世界選手権のMotoGP用マシンの開発を行っており、そのことで世界にも知られる企業である。

 同社の展示品で最も注目を集めていたのが、45周年を記念して2014年に製作された、カーボン製のイメージガール「カールボンヌ未来(みらい)」だ。

 なお、肉眼ではCFRP地のままのカーボンブラックに見えたのだが、実は塗装が施されており、ドレスが青、リボンが赤、ツインテールの髪は黄色、ロングブーツはシルバーとなっている。彼女は、会社の歩みを表しているのだそうだ。

「アヴェンタドール」のエンジンフード周囲のパーツ。実車に採用されるには至っていないが、ランボルギーニからの依頼を受け、カーボンで試作したそうである。

最新技術で鋳物作りを行う木村鋳造所

 続いては、3Dプリンター系。鋳物(いもの)の製造を手がける木村鋳造(ちゅうぞう)所が展示していたのが、左の画像にある等身大の女性像。

 これは、鋳物を作る際に必要となる発泡スチロール製の模型をNC加工で削り出す技術を応用して作ったもので、そこにやすりがけをして表面を滑らかにしている。

 鋳物は、このような発泡スチロールの模型を型として用いて、その周囲に特殊な砂を使って固めるなどの作業を行って、そこに溶解させた鉄を流し込んで作るのである。

鋳造で作られたシリンダーヘッド。鋳物というと伝統的な置物などのイメージも強いが、鋳造はエンジンのパーツ製作にも使われている技術である。

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続いては3Dプリンティングや切削・加工など

大型で精巧な3Dプリントサービスを展開するリコー

20インチサイズのホイールの製作も可能。ちなみに20インチとは、50.8cm。造形に要した時間は112時間だそうである。

 続いては、OEM供給を受けて、「AM 5500P」という大型の3Dプリンターの販売やそれを活用した3Dプリンティングサービス事業を展開するリコーを紹介。ホイールの1分1スケールモックや各種自動車関連のパーツなどを展示していた。

 AM 5500Pは大型なので、20インチのホイールのような大きなものも作れるのが特徴。もちろんホイールは樹脂製なので強度がなく、実際のクルマに装着して走行できるわけではない。ただし、ホイールの肉抜き形状を決定するなどデザイン面で利用でき、デザイン決定までの時間短縮や費用の削減が期待できるのである。

 下の写真は、また別のホイールのモックで、3Dプリンターで成形後に磨き、銀鏡メッキ塗装を施したもの。かなりアルミホイールのような金属感があり、実物のイメージに近い状態でデザインの確認をすることが可能だ。

一見すると金属製のホイールに見えてしまう。18時間で作られており、モックを作って実物に近い形でデザインを確認するという作業が、より短時間で行えるようになる。

月曜日に発注を受けたら金曜日に納品可能な「スピード試作.com」

スピード試作マン。武器は、腰にセットした各種ドライバー?

 プロトワークが365日年中無休体制で運営するのが、月曜の発注で金曜の納品が可能という作業の早さを売り物に、金属やプラスチックの切削加工などを行う試作サービス「スピード試作.com」だ。

 同社が展示していたのが、実際にスピード試作.comで利用されている工作機械を使って作り出された、「スピード試作マン」。10種類の材料から総削りを行って作り出されたもので、それら削り出したパーツにアルマイト処理で塗装が施されて組み立てられた。

周辺視野も明るい魚眼レンズなどを展示していた日精テクノロジー

ウルトラマンたちに囲まれて中央にあるのが魚眼レンズ「NT-009-Ee」。

 次はものづくり系から離れて、技術系。日精テクノロジーが展示していた画像技術と魚眼レンズ「NT-009-Ee」の実力についてだ。

 最大の特徴は周辺視野がとても明るいこと。魚眼レンズはどうしても周辺視野が暗いものが多いが、非常にクリアーである。また視野も広く、クルマの前後に2機をうまく取り付ければ、ほぼ前後360度をカバーできてしまうという。

背面がもちろん魚眼の映像で、左はその一部を補正して通常視野の映像にしたもの。もちろん、リアルタイムで表示されている。

 以上、オートモーティブワールドのレポートその1は、会場で目についた、興味深い製品や技術を紹介した。この後は、2輪・3輪・4輪のEVの数々や、自動車軽量化展にフォーカスしたものなどを紹介する予定だ。

2017年1月31日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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