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クルマ最終更新日:2016.11.10 公開日:2016.11.10

BAT、有害物質も臭いも少ない加熱式電子タバコ新発売

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右奥の装置がグロー本体。右手前の専用タバコ(左がケース)を上部の穴から差し込んで、加熱して吸引。

 ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンは11月8日、電子タバコの一方式として、同社としては初となる加熱式の新製品「glo(グロー)」を、世界で最初に日本において販売することを発表した。

 発売するのは、専用タバコヒーター、USBケーブル、クリーニングブラシ、ACアダプターなどが同梱された「グロー・スターターキット」(税込8000円)と、ケント・ネオスティックブランドの3種類のグロー専用タバコ(20本入り税込420円)。コンビニ、タバコ店などで購入可能だ。

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グロー・スターターキットの中味。本体、USBケーブルおよびACアダプター、クリーニングブラシのセット。

 グロー専用タバコの味は、香ばしいレギュラータイプの「ブライト・タバコ」、さわやかなメンソールの「フレッシュ・ミックス」、そしてより強烈なメンソールの「インスリー・フレッシュ」となっている。

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専用タバコは、「ケント・ネオスティック」ブランドで3種類を用意。左が「ブライト・タバコ」、中央が「フレッシュ・ミックス」、右が今回サンプルとして編集部に頂戴してきた「インテンスリー・フレッシュ」。

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グローはどうやって喫煙する?

専用ヒーターにタバコを差し込んで喫煙する加熱方式

 グローは、独自の「アドバンスド・ヒート・テクノロジー」で加熱する仕組みの専用タバコヒーターに、専用のタバコを差し込んで喫煙する。従来の紙巻きタバコのように約900℃の温度で燃焼させるのではなく、約240℃の温度で「加熱」することで生じる霧(ベイパー)を吸引して楽しむというものだ。

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一般的な紙巻きタバコよりも細身の専用タバコをヒーターに差し込んで約240℃に加熱し、発生するベイパーを吸引する仕組みとなっている。

 紙巻きタバコのような煙と臭いが少なく、タバコ中に含まれる有害性物質9種類の量も約90%が削減されており、それでいながらしっかりとタバコとしても味わえるという点を特徴としている。

 また紙巻きタバコは燃焼により90%以上の質量を失い灰となるが、それに対してグローは水とグリセリンが気化するだけなので、質量は約30%減るのみに留まる。

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グローは、紙巻きタバコの煙に対し、約90%の有害物質を削減しているという。中央は、BATロンドン本社のチーフサイエンティフィックオフィサーのクリストファー・プロクター氏。

タバコヒーターはリチウムイオンバッテリーを搭載

 専用タバコヒーターのバッテリーはリチウムイオン電池。最近は発火事故が話題になったりもしているが、世界的に著名なメーカー(契約上の問題でメーカー名は公表できないそうである)が開発したもので、温度を管理する安全機構が備えられており、充電と加熱を安心して行えるとした。なお、1回の充電で連続して35本吸うことが可能だ。

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なぜ世界に先駆けて日本市場に最初に投入?

同社初の加熱式電子タバコを最初に日本に投入する理由は?

 同社が世界に先駆けて、同社初の加熱式電子タバコ製品を日本市場に投入するのはいくつかの理由がある。

 同社は世界市場では、いわゆる「ベイプ」や「ベイパー」などといわれる、水蒸気を利用した電子タバコ製品をいくつかラインナップしているが、日本ではその水蒸気を発生させる元となるリキッドにニコチンを含めることは薬事法的に認められていないため、タバコと同じ成分で販売ができない。

 しかし、同社としては、日本は米国やロシアよりも上の、世界第1位の潜在的な市場として認めており、2020年では現在より7~8倍の市場に成長する可能性があるとしている。そして、加熱式電子タバコの分野において、同社は世界ナンバーワンを目指すとも述べている。

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日本の市場ポテンシャルは世界第1位で、2020年には現在の7~8倍になると予測しているとした。

 そこで新製品の投入が考えられたわけだが、日本人独特の特性があることから入念なリサーチが進められた。

 同社が日本人の特性として強く意識しているのは、衛生意識と周囲への配慮の意識が強いこと、新しいもの(新製品)への興味が強いことの2点だ。

 衛生意識と周囲への配慮の意識が強い点とは、健康意識の高さと、周囲に副流煙による臭いをまき散らしたくないという意識のことである。

 また新しいものへの興味が強いといっても、同時に日本人は要求も高い。「シンプルでスタイリッシュなデザイン」、「たくさんのモノを持ち運びたくない」、「使い方が簡単」、そしてタバコとして最も重要な「味には妥協したくない」といった点をクリアーしていなければ、既存の紙巻き式タバコに取って代わっていくということは難しい。

 そこで、グローは片手に収まる持ち運びのしやすさ、ボタンひとつで加熱できる使いやすさ、安全性の高い加熱および充電システムにより1日通して使い続けられる機能性、手入れのしやすさなどを実現させたというわけだ。

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同社の考える日本人のタバコの新商品に対するニーズ。右はBATジャパンのロベルタ・パラツェッティ社長。

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グローの発売日は?

まずは仙台市限定でスタート!

 発売は、まずデータ収集用のテストケースとして、2016年12月12日から仙台市限定で開始する。その後、フィードバックを行った後、全国販売を行う予定で、全国販売の時期は未定。

 なお、スターターキット新発売キャンペーンとして、スターターキットは半額の4000円前後での販売を推奨するとしている。

 国内で既に販売されている電子タバコのライバルとしては、「アイコス」などがある。アイコスは現在、本体キット(グローでいうスターターキット)が1万6000円前後で販売されていることから、グローはかなりお得といえる。

 また12月8日に開設予定の公式サイトでは、グローを数量限定で30日間無料で体験可能な「30-Day Free Trial」を実施することも発表された。

 そのほか、12月16日予定で、仙台市青葉区一番町にグローを体験できるグローストアもオープンの予定だ。

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グローの公式サイト。12月8日から30日間無料体験トライアルを実施する予定。

実際に吸ってみての感想

 配布されたサンプルを用いて、編集部の喫煙者に実際に吸ってもらったところ、口にくわえた感触はタバコらしく、味も普通にタバコで、味の好みさえ合えば問題ないという。また、灰が出ないので汚れないことも長所だという。一方、マイナス面としては、ヒーター自体を持って吸わないとならないので、紙巻きタバコや他社製電子タバコと比較すると、少々重たい点を上げていた。

 既に他社製の電子タバコを所有している人が買い換えるには意見が分かれるところだが、紙巻きタバコから電子タバコに切り替えようとしている人なら、候補のひとつとして検討するのは大いにありだろうということであった。

 それから、タバコを吸わない人間としての意見(記者は非常にタバコが苦手)。なんといっても、あの紫煙が出ないところは評価すべきポイントだろう。ただし、さすがに臭いがゼロかというとそのようなことはなく、紙巻きタバコに比べたらかなり控えめなのは事実だが、また違った独特の臭いがした。ただ、紙巻きタバコと比較したら遙かにましだ。喫煙者全員がグローなどの電子タバコに取り替えてくれたら、喫煙可能な飲食店を避けることも減るかもしれない。

 最近は路上喫煙禁止といったことが行政単位での条例などで定められているが、編集部がある東京都港区の場合は、加熱式の場合は火を使っていないので吸うことは可能だそうだ(ただし、ポイ捨ては禁止)。しかし、すぐ隣の千代田区の場合は加熱式であっても喫煙は禁止だそうで、行政単位で異なっている。電子タバコユーザーは要確認だ。また、今後、普及するにはこの辺のルールの統一も必要である。

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記者会見に登壇した4人。左からBATロンドン本社のチーフサイエンティフィックオフィサーのプロクター氏、同次世代製品部門 グローバルマーケティング責任者のフレデリコ・モンテイロ氏、パラツェッティBATJAPAN社長、林健太郎BATジャパン副社長。

 2016年11月10日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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外部リンク

グロー公式サイト

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