クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

クルマ最終更新日:2016.09.12 公開日:2016.09.12

未来館で女子中高生90名の映像ワークショップ。感涙!

NP160908-01-01.jpg

ワークショップは未来館7階で開催された。

 日本科学未来館は、8月19日から29日にかけて、ブルームバーグL.P.と共同で、「幸せってなんだろう?」をテーマにした映像制作ワークショップ「Picture Happiness on Earth」を開催した。同ワークショップは、日本の女子中高生90名と、海外5か国の科学系展示施設および静岡科学館る・く・るの男女中高生たちが連携する、世界のティーンエイジャーを対象にしたイベントだ。

 完成した6作品は、11月20日(日)にプレゼンテーションが実施される予定で、同館のシンボルである、有機ELパネルを用いた世界初の地球(球体)ディスプレイ「ジオ・コスモス」に投影され、常設展3階ジオ・ステージ、1階シンボルゾーン(無料)から最もよく見ることができる(5階や、3~5階をつなぐブリッジなどでも見られる)。

NP160908-01-02.jpg

ジオ・コスモス。三菱電機製有機EL96mm角パネルを1万362枚使用し、1000万画素以上の解像度を持つ。

日本は女子が理数工系へ進む割合が非常に低い!

 未来館ではさまざまなワークショップを開催しているが、女子限定となるとあまりない。

 それではなぜ、今回、女子中高生が対象なのかというと、それは日本の女性の理数工系へ進む割合がとても低いからだ。実は、他の先進国と比べて圧倒的に低く、わずかに14%しかいないのである!

 理数工系の才能を持った女性はもっといるはずで、それらの分野で女性が今後もっと活躍していくためには、「STEM教育」(Science:科学、Technology:技術、Engineering:工学、Mathematics:数学)に触れたり、理数工系のキャリアビジョン(将来、どのような仕事についてどう活躍できるか)を描いてみる最初のきかっけ作りも有効であるという。そうした理由から、今回のワークショップが企画されたのである。

 ちなみに、このワークショップは、ブルームバーグの支援により実現した企画だ。同社が、情報配信や解析・分析などをグローバルに展開している世界的な企業なのはご存じかと思うが、実は世界中でこうした教育支援活動を展開しており、アジア地区では女性のSTEM教育にも力を入れているという。

 そうした同社の考えと、同じように若年層のSTEM教育に力を入れており、またノウハウを有する未来館との考えが一致したことから、今回のワークショップが実施される運びとなったというわけだ。

→ 次ページ:
今回のSTEM教育はどのような方法が採用されたのか?

海外の中高生と連携した映像制作を実施!

 STEM教育といってもさまざまな方法が考えられるわけだが、今回のワークショップでは、異なる文化や環境、各国が抱える社会的な課題を理解しながら、科学データを使った理論的なアプローチで映像作品を制作するという手法が採用された。

 しかも、国際的な展開にしてある点がポイント。未来館が中心となって、海外5館およびる・く・ると連携し、未来館以外の6館で映像作品のシナリオ制作のワークショップを開催。男女中高生を対象に実施され、その中から各館で最も優秀な作品を選出する。

 次に、未来館で募集した90名の女子中高生を15人ずつ6チームに分けて、6館のシナリオをもとに映像を制作。この8月に、2チームずつ30人がそれぞれが3日間未来館に通って制作活動を実施したというわけだ。

 この3日間で作品は一応の完成となるが、この後もブラッシュアップは11月20日まで続けられる予定。

 なお、この90名の募集は6月から開始し、枠の90名を越える申し込みがあったことから、選抜が実施された。

 コンテンツ作りに積極的に取り組み、楽しみながら新しい知識や映像コンテンツ制作スキルの習得に挑戦したい方、海外の同年代の生徒たちとの交流に興味のある方という2点を重視する形で、90名が決定されたそうである。

NP160908-01-03.jpg

左上からオーストラリア、シンガポール、中国、左下はフィリピン、マレーシアのワークショップの様子。右下はる・く・るの優秀作品「No Bees No Life」を制作した望月駿さん。画像は、同ワークショップの公式サイトから抜粋。

アジアやオーストラリアの10代は何を思う?

 今回のワークショップで映像化されるシナリオは以下の通り。各館のシナリオ制作ワークショップにおける最優秀作品である。簡単な内容紹介と、館名、国名、館別の総作品数も掲載した。シナリオは個人で制作したものもあれば、チームで制作しているものもある。

「A Connected World」(人とのつながりの大事さが題材):
 Scitech(オーストラリア)/5作品
「Our Water」(飲み水の大切さ、自然の大切さが題材):
 Science Centre Singapore(シンガポール)/12作品
「This is Earth」(オゾンホールとフロンガスの問題が題材):
 China Science And Technology Museum(中国)/13作品
「Grassroots」(迫害されている先住民族のことが題材):
 The Mind Museum(フィリピン)/6作品
「A Gift from Malaysia」(同国のごみリサイクル率の低さが題材):
 Petrosains(マレーシア)/19作品
「No Bees No Life」(環境破壊によるミツバチの減少とその影響が題材):
 静岡科学館る・く・る/10作品

 各作品の詳しい内容やその背景、そして残念ながら選出されなかったシナリオの内容、そして全作品の制作者や制作チームのメッセージ(海外の5館は英語)は、同ワークショップの公式サイトの動画で見られるので、詳しくはそちらでご覧いただきたい(記事の最後に関連リンクはまとめて掲載)。

NP160908-01-04.jpg

「Picture Happiness on Earth」の公式サイト。URLは記事の最後に掲載。

→ 次ページ:
女子中高生たちはいかに映像を制作したか?

1チーム15名が役割分担をして映像を制作!

 映像制作は、もちろん役割分担をして進められた。演出を考えて全体をディレクションする子や、動画のためのグラフィックなどの素材を作る子、それらの素材をもとに動画を作るべくプログラミングする子、ナレーションを吹き込む子など、それぞれが得意だったり興味があったりする分野に挑戦した形だ。

 なお、さすがに映像制作は専門的な知識が必要なので、講師として現役のクリエイターたちが複数名参加。なかなか中高生では体験できない、プロのテクニックや映像制作に関するノウハウなども体験できて、有益だったことだろう。

 なかなか才能のある子たちがそろっていたようで、優秀なクリエイターを求めている企業は、今のうちからスカウトしておいた方がいいのでは? と感じるほどだった。

NP160908-01-06.jpg

ワークショップの様子。未来館のインスタグラムから抜粋。

未来館の担当者には海外出身者も

NP160908-01-08.jpg また未来館の体制についても触れておきたい。今回のワークショップの開催に当たり、海外の科学館との連携があるため、責任者のコドプロス・ディミトリス氏(左写真)を初め、海外出身の科学コミュニケーターが複数参加している(ディミトリス氏はギリシャ出身、中国やチェコの出身者もいる)。

 また今回のワークショップでは、ブルームバーグで働いている女性たちが、90名の女子中高生に自らの仕事内容やこれまでの経験などを語って聞かせる時間も用意されていた。

 ディミトリス氏らは、3日間のワークショップで90名の女子中高生たちが、作品制作やこうした理数工系の場で活躍する先輩女性たちから話を聞いて、かなり考え方が変化したのを感じ取れたという。海外の同年代の生徒たちとの交流で視野が広がり、先輩女性たちから将来に関するより具体的なビジョンをもらったのだろう。

NP160908-01-05.jpg

ブルームバーグで活躍する女性たちがどんな経歴を経て、現在、どんな仕事をしているかといったことを語った。

→ 次ページ:
映像のパイロット版を投影! その出来映えは!?

映像は感動のあまり落涙必至!?

 ワークショップ3日目の最後には、それぞれの映像のパイロット版が、実際にジオ・コスモスに投影された。取材した日は最後の2チームで、中国の「This is Earth」と、オーストラリアの「A Connected World」が披露されたので感想をお伝えしておきたい。

 その場で曲が流され、ナレーションもその場で充てられる形で披露されたのだが、記者は、最近年齢を重ねてどんどん涙腺がゆるくなってきていて、もう落涙寸前(笑)。上を向いて表面張力で必死に耐え抜いた自分を褒めたいほどである。

 女子中高生たちの名前すら知らない記者が見てもこんな具合なので、作品を90名のご両親が見たらかなりの方が涙ぐんでしまうのではないだろうか。記者も子どもがいる身なので、よくわかるのだ。

 ご両親や祖父母といった、90名を育て、そして見守ってきたご家族は、11月20日のプレゼンに行くときは、ハンカチを絶対に忘れないでいただきたい。いやもう、ハンカチじゃ足りないかも知れないので、バスタオルを2、3枚は持って行った方がいいかも知れない!

 もちろん、感動できるのは両親だけではない。一般の人が見ても必ず、得られるものがある。感動して心が洗われるし、間違いなく学べるものもある。11月20日は日曜なので、ぜひ未来館へ足を運ぼう。そして、海外の中高生と日本の女子中高生たちが連携して作り上げた、明るい未来を感じさせてくれる6本の映像作品をご覧いただきたい!

NP160908-01-07.jpg

ジオ・コスモスに展示された、オーストラリアの作品「A Connected World」の映像の一部。

2016年9月8日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

関連記事

意思を感じさせるロボット!? 「機械人間オルタ」未来館で無料展示
オーストラリアに歩いて行ける? 2億5000万年後の地球の姿を、JAMSTECがシミュレート
軍事レベルの最新鋭レーダーと世界5位のスパコンで、ゲリラ豪雨を予測可能か?
巨大隕石の落下で多数の生物が絶滅。2億1500万年前の大カタストロフの証拠を、熊本大学などが発見
【JAF会員優待割引あり】日本科学未来館の企画展「忍者ってナンジャ!?」体験レポート!

外部リンク

Picture Happiness on Earth公式サイト
日本科学未来館

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(6月30日まで)
応募はこちら!(6月30日まで)