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ライフスタイル最終更新日:2016.08.29 公開日:2016.08.29

第1回 電動でハンディな「大人の氷かき器」(かき氷器)

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全員、手を挙げろ! 芝大門署グッズ特別捜査班だ!!

 俺は大間啓(おおま・けい)。アヤしいグッズ専門の捜査を行う、芝大門署の特別捜査班、別名”芝大門バイス”のデカだ。まぁ、この捜査班は俺しかいないから、芝大門バイスってつけたのも俺なら、呼んでるのも俺だけなんだけどな。

 …おい、そこのお前! 今、俺のことを「芝大門署のオマケ」といいやがったな!? 聞こえたぞ! どうせ、俺は子どもの頃からあだ名がオマケだよ! それに誰だ、特捜班を窓際どころか窓外部署だ、などと呼んだりするヤツは!

 それに、俺は「ぼっち刑事」なんかじゃないぞ!! 俺は、優秀だから特別捜査班をひとりで任されてるんだ! …はぁはぁ。

 そりゃー、本音をいえば俺も相棒がほしいさ。たまには、相棒とファーストネームとかニックネームで呼び合ってみたいぜ。でも、俺は、ローンウルフの一匹狼デカだ! 誰も口をきいてくれなくても、さみしいもんかい! くぅ~(泣)。

 …ともかく、俺のことをバカにするヤツらを見返すべく、今日もクツ底をすり減らしてアヤしいグッズを徹底的に捜査してやるぜ!!

(もう秋だけど)夏らしいグッズを調査せよ!

「課長、お呼びですか」
「捜査してもらいたいことがある」
「今回は何ですか」
「まだまだ残暑が厳しいからな。もう秋だが、夏向きのグッズをいろいろと当たってみてくれ」

 俺は、唯一口をきいてくれる、直接の上司である課長に呼び出され、いつものように命令を受けた。

 夏らしいグッズか…。しかし、確かに時期としてはもう秋が近い。せいぜい晩夏だな。「男(たち)の晩夏」ってところか(笑)。

 俺は、自分のハードボイルドなギャグセンスに酔ってニヤつきながら、聞き込みを開始した。

 そして、子飼いの情報屋(またの名をインターネット検索ともいう)から有力な情報を得た!

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有力な夏らしいグッズとはいったい!?

家庭向けのあのハンディ機器が数千円で買えるという!

 今年の夏は、かき氷がちょっとしたブームらしい。そして、近年は家庭向けのかき氷器がいくつも出回っており、それらは数千円しかしないという。中には、同程度の値段のままで電動のものまであるというじゃないか!

 かき氷といったら、手動で汗をかきながらハンドルを回して作ってこそ、海の家とか、縁日の屋台とかで買って食べるような、風情がある。

 が、自分で作るとなると手動なのは面倒臭いのもまた事実。電動が人気を集めていたとしても不思議ではないだろう。

こいつが電動のかき氷器だと…!?

 だが、俺が見つけたこいつはいくら何でもアヤし過ぎるぜ! まるで大きくして、のっぺりとさせたペッパーミルじゃないか。ドウシシャ製で、「大人の氷かき器」だと!?

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かき氷器のイメージからかけ離れた「大人の氷かき器」。こいつは本当にかき氷器なのか? その実力は?

 しかし、かき氷じゃなくて、氷かき…? どこら辺が大人なんだ…? こいつは本当にかき氷器なのか!? アヤしいぜ…。俺の第六感にビンビンと来やがる。これがマンガだったら、背後に「ざわざわ」の書き文字が描かれるところだ!

 そして俺は、そいつが合法的に取り引されているという情報をキャッチした。普通に店舗で家電として売られているというのだ! …何の問題もないじゃん。

 ともかく俺は、取り扱いがあるという、某電気街の家電量販店に潜入…、じゃなくて普通に客として入店。早速購入することにした。2720円だ。もちろん、ポイントカードを提示するのを忘れちゃいないぜ。課長にはナイショだけどな。

 ついにゲットしたぜ…、「大人の氷かき器」! あとはこいつを徹底的に(脳内)取り調べだ!!

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「大人の氷かき器」を徹底取り調べ! 洗いざらい吐かせるぜ!!

グッズ特捜の敏腕デカの取り調べを見せてやるぜ!

 早速、取調室にご招待だ。ちゃんと密室にならないよう、うちの取調室は全面ガラス張りなんだぜ。どこぞのオフィスビルの接客ルームなんかじゃねぇぞ。

「おい、お前の名前、本当に『大人の氷かき器』でいいんだよな」
「そうだよ。型番はDHIS-16だ。俺が何をしたっていうんだ!」
「それをこれから確かめるんだろうが。慌てるんじゃねーよ。まず教えてほしいんだが、なんでかき氷じゃなくて、氷かきなんだ?」
「知らねーよ。生みの親にでも聞いてくれ」
「ふむ。ところで、お前、家電でいいんだよな?」
「そうだよ。店でも家電フロアの夏物のコーナーに置いてあっただろ」
「確かにあったな。最初はおもちゃコーナーかと思って、ひとつ上のフロアまで行っちまったぜ」
「バカにしてんのか!? これでも俺はまっとうな家電だぜ!」
「まぁまぁ、落ち着け」

 ふむ…。メイド・イン・チャイナとはあるが、目につくようないい加減な作りはないようだな。外見の成形もきれいだし。デザインも悪くない。価格よりももっと高く見える。ただ、かき氷器には見えないのだが。

 つかんだ感じは結構太い。取説によれば、直径は太いところで約12cm。女性や子どもでは両手で持った方が安心だな。ただし、重さは約800gなので、落とすような心配はないだろう。高さは30cmほどあるので、意外と大きい。

 中の仕組みは…、なるほど。中央で分割して、下側が氷を入れる氷ケースで、上側が本体か。

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中央で分離する仕組みで、上が本体、下が氷ケース。本体上部(親指の上)のゴム部分がスイッチ。

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さらにどのような仕組みかに迫る!

「大人の氷かき器」が氷を削るための仕組みはいったい!?

 かき氷を作るときは、氷ケースに冷蔵庫の氷を入れ、そして上側の本体を取り付けて合体させ、スイッチオンというわけか。シンプルで効率的だな。

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氷ケースの中。氷が底にある刃で削られてかき氷となって出てくるというわけだ。

 氷が削れる仕組みは、本体の中のモーターに支柱でつながっている氷押さえ板が、バネの力で氷を押さえつけると同時に回転し、氷ケースの底に取り付けられた刃で削り、下に落とすというわけか。

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氷ケースの底側から見たところだ。立派な刃だから、触るのはデンジャラスだぜ!

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このバネが縮み切る限界までは氷を入れることができるぞ。

 氷押さえ板の氷を接する面にはスパイクがあるな。これで氷が滑らないようにしているのか。シンプルな構造ながら、効率よく考えられているし、いろいろと工夫もされているようだ。

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氷押さえ板の下面、氷と接する面。これらのスパイクが氷を回転させながら刃に押しつけていく!

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「大人の氷かき器」は本当にかき氷を作れるのか!?

いよいよかき氷を作ってみる!

「なかなか理に適った仕組みだな。立派なかき氷器じゃねぇか」
「だからいっただろ、俺はまっとうなかき氷器だって。あんまり俺のことをバカにすると、訴えるからな!」
「何ぃ!? お前、勘違いしてないか? お前はな、ただの家電なんだ! 人権なんてねーんだよ。わかるか? あまりだだをこねてると、氷の代わりに弾丸を詰めて、刃こぼれ覚悟で削らせるぞ!」
「ま、待ってくれ。氷以外はカンベンしてくれ! 刃こぼれだけは許してくれ。俺がいい過ぎた。お、俺は本当にただちょっとスタイリッシュなだけの電動かき氷器なんだ!」
「自分でスタイリッシュとかいいやがったな。まぁ、いいだろう。ともかく、お前のかき氷器としての実力を見せてみろ」
「わ、わかったよ、刑事さん」
「ほら、氷もいちごシロップもグラスも用意したぞ。縁日風のプラスチック容器じゃないのはガマンしろ」
「じゃ、じゃあ、やってみるよ」

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齋藤飲料工業(広島県)の「かき氷用いちごシロップ」。「メロンシロップ」も買っておけばよかった!

氷は入れすぎないのがコツだ!

 俺はこいつを再び中央で分割し、氷ケースに冷蔵庫の氷をがらがらと流し込む。氷押さえ板の支柱は入れられた氷の量に合わせて伸縮するとはいえ、あまり入れすぎると限界を超え、本体を氷ケースと合体させられなくなってしまう。なので、あまり欲張らず、氷がラインを超えないようにする必要がある。

 氷の量は、氷ケースの大きさに対して思ったほど入らない感じだ。サイズにもよるが、多くても10個程度ってところか。1回で1人前を作れるぐらいで、人数が多いときは、氷を補充しては作ってを繰り返さないとならない。なので、ちょっと面倒な感じだな。

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あまり入れ過ぎると、本体と氷ケースを合体させられなくなってしまう。欲張りは禁物だぜ!

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いよいよ準備が整ってスイッチオン!

いよいよクライマックス! 氷を削るぜ!!

 さてと、本体と氷ケースをしっかりと取り付けてロックしたら、コードをコンセントに差し込んで、いよいよスイッチオンだ。連続しての使用時間は1分。あまり連続使用するとモーターが過熱しちまうようだな。

 ともかくスタートすると、シャリシャリと氷を削る音がしだして、グラスにぱらぱらと削られた氷が落ちていく。意外とハイペースだ。その様子は、ぜひ下の動画で見てくれ!

「大人の氷かき器」が氷を実際に削っていく様子。思った以上にハイペースでかき氷ができていく。

 30秒ほどで氷を削り切って、用意したグラスにちょうどいい具合の量になった。あとはシロップをかけるだけだ。シロップは温まってるとせっかくの氷が溶けてしまうので、直前まで冷蔵庫に入れて冷やしておいた方がいい。グラスも冷やしておいた方がいいかもしれないな。かき氷をおいしく食べるには、細かい注意が必要ってもんだぜ。

何の問題もなし! 十分かき氷だ!!

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シロップをかけて、かき氷の完成だ! こいつはいかすぜ。立派にかき氷だ!

 試しに食してみる…。意外といける! ちょっと粗めだが、間違いなくかき氷の食感だ。たくさん作るのには向いてないが、食感だけなら海の家などで売ってもまったく問題ないだろう。

「これで、俺が完全にかき氷器だってこと、わかってもらえたよな?」
「あぁ。間違いないな。お前は、立派なかき氷器だ。認めるぜ」

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そして「大人の氷かき器」の運命は!?

「大人の氷かき器」を待っていた非情な運命(さだめ)!

なぁ、刑事さん。俺を使うときに気をつけてほしいことがあるんだよ
「何だ、いってみろ」
「氷が多いと、たまに引っかかって回転が止まっちまうこともあるんだ。そういうときは、壊れたわけじゃないから、一度スイッチを切って、振ってタンク内の氷を動かしてから、改めて電源を入れてみてくれ」
「やっぱり無理に氷を入れすぎるのはよくないわけだな。正直じゃねーか。ところで、参考までにお前はネット通販だといくら位なんだ?」
「そうだなぁ…。安いところで送料込みで2500円台ってところだな。…なぁ、もう全部答えただろ? そろそろ、俺を自由にしてくれよ。な?」

 「大人の氷かき器」がしきりに訴えてくる。だが、こいつは肝心なことを忘れている。

「…お前、勘違いしてないか? お前は俺が店から買ってきたんだ。つまり、特捜班の純然たる所有物ってことだ」
「…おい、それはどういうことだ!」

「お前は、立派なかき氷器であることを証明しちまったばっかりに、これからずっと俺のためにかき氷を作り続けるってことだよ」
「謀ったな、ちくしょう、この悪徳警官め! きっと天罰が下るぞ!! かき氷をなめるなよ!」
「俺は違法捜査も犯罪行為も何もしてないぜ。お前を店で購入し、調査して、優秀だったと結論づけただけだ。捜査は終了、購入したお前の処遇は俺の一存、てことだ」
「ちくしょ~っ!!」

 「大人の氷かき器」が悔しがる中、俺の脳内取り調べは終了。その後、俺は臆することなくこいつをフル稼働させ、冷蔵庫の氷がなくなるまで、かき氷を作っては食べ作っては食べを繰り返し、その合間に思い出したように調書をまとめた。

 いやー、いくら食べても飽きないぜ。しゃりしゃりっと、いい食感だ。しかし、ひとつだけ失敗したことがある。そいつは、メロン味のシロップを買ってこなかったことだ!

特典としてレシピも同梱されている!

 お、特典として「大人の贅沢氷レシピ」なんてのもついているのか。かき氷を利用した7種類の料理やデザート、ドリンクなどが紹介されている。パスタもあるのか。こいつは今度の昼飯で作ってみるか?

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かき氷を使った料理、デザート、ドリンクが紹介されている。気がきくじゃねぇか!

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「大人の氷かき器」の恐るべき復讐!?

かき氷器ではなく、かき氷を甘く見ていた結果…!

 …しかし、油断していた。ヤツの言葉は現実になった。かき氷器ではなく、かき氷そのものをなめてはいけなかったのだ。

「なんじゃぁ~こりゃあ!!」

 突如襲い来る腹部の激痛。まるで、激しい銃撃戦からせっかく守ってやった容疑者に、逆にその鬼神のごとき戦いぶりを怖がられ、裏切られて撃たれてしまったあのジーンズで上下を固めた伝説の刑事のように!

「い、痛てぇ…。腹を壊した…。かき氷で腹が冷えたみたいだ…。あたた(泣)」

 俺は脂汗を流しながら、不自然な姿勢を取りつつ何とかトイレに駆け込むと、長時間こもるハメに。しかも、その後も出て入っての繰り返し。やっとこさ本当に落ち着いた頃にはもう体力が底を突いていた。

 電動かき氷器「大人の氷かき器」が、こんなに危険なシロモノだったとは…。

 麻薬的な常習性を持つ夏場のかき氷を、いくらでも食べられるという甘いワナ。みんなも、こいつを購入したときは、かき氷の食べ過ぎには注意しないととダメだぜ…。

 次回は、「男(たち)の晩夏編 その2:そうめん流し器」をお届けする!

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なお、この物語に登場する警察署および部署名、並びに人物名は架空のものです。
「大人の氷かき器」とドウシシャ、「いちごシロップ」と「メロンシロップ」と齋藤飲料工業は実在する製品とそのメーカー名です。

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