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最終更新日:2016.07.19 公開日:2016.07.19

NEC、前腕を仮想キーボードとするAR技術を開発

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スマートグラスを装着して入力している様子と仮想キーボードのイメージ

 NECは7月13日、AR(オーギュメンテッド・リアリティ:拡張現実)を実現する「スマート(ウェアラブル)グラス」を用いて、装着者の腕を仮想キーボード化し、非接触での作業を実現できる「ARmKeypad Air」(アームキーパッド・エアー)を開発したことを発表した。

 同社は今回の発表に先立ち、2015年11月に、スマートグラスと「スマート(ウェアラブル)ウォッチ」を用いて装着者の腕を仮想キーボード化する「アームキーパッド」を発表。そして実証実験を進めてきた。

 アームキーパッドは、腕へのタッチによって生じる振動をスマートウォッチで検出して入力を判断する仕組みになっている。しかし、無菌状態での作業が必要な食品加工現場や、油などで手が汚れる作業現場、医療現場などでは非接触・ハンズブリーでの操作性が求められていた。

画像認識技術で非接触を実現!

 そこで今回のアームキーパッド・エアーは、スマートグラスと画像認識技術を用いることで、装着者の前腕に仮想キーボードを表示し、高速・高精度な操作性により、業務のハンズフリー化を実現した。非接触での操作を可能とするので、前述した現場でも有効というわけだ。

 また、アームキーパッドで必要としていたスマートウォッチの着用も必要なし。よって、腕にデバイスを着用できない医療現場などでも利用できるというわけだ。

 さらに特徴として、仮想キーボードであるため、利用シーンに合わせて前腕上で自由にキーレイアウトを設定することが可能。キーエリアを前腕上に大きく配置できるために、フリック操作による表示データの入れ替えも行えるなど、操作がしやすいという長所もある。

仮想キーボードはARマーカーを見るだけで出現

 仮想キーボードを表示させるには、手元などに用意したARマーカー(QRコードなど)をスマートグラスのカメラで画像認識するだけ。それだけですぐに入力が可能となる。ハードウェアコントローラーのようにデバイスを取り出して手に持つといった動作を行わないので、作業を中断する心配もないというわけだ。

 さらに前述した場面以外でも、認識に関する精度や速度が優れていてスムーズなキー操作を行えることから、音声入力が困難な騒音下での利用にも適しているという。

 同社は今後、アームキーパッドおよびアームキーパッド・エアーを活用し、製造・医療以外にも警備、流通など、ハンズフリーの作業が必要となる業種・業務への拡大を考えているという。

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アームキーパッドのイメージと、活用シーンのイメージ

2016年7月19日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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