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クルマ最終更新日:2016.07.14 公開日:2016.07.14

1920年代から80年代までのBMWのヒストリックカー大集合!

BMWが2016年6月にお台場にオープンした新拠点「BMW GROUP Tokyo Bay」。 7月8日のグランドオープンでは、堺市ヒストリックカーコレクションの協力でBMWの歴史的な名車の数々も展示され、9、10日の土日2日間は一般にも公開された。 普段、なかなか見られない貴重なヒストリックカーを紹介する。

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BMW GROUP Tokyo Bayの外観。

歴史的なBMWの名車が集結!

 BMWが6月にお台場にオープンした新拠点「BMW GROUP Tokyo Bay」。同社の拠点として世界初となるコンセプトを備えており、さらに規模としても世界有数という。インターネット予約による試乗も行える。

 7月8日のグランドオープンでは、堺市ヒストリックカーコレクションの協力でBMWの歴史的な名車の数々も展示され、9、10日の土日2日間は一般にも公開された。普段、なかなか見られない貴重なヒストリックカーも数多く展示されたので、その一部をレポートしたい。

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2輪の旧車も展示された。BMWの歴史的なバイクに関しての記事はこちら

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まずは1920年代からのBMWヒストリックカーから紹介!

BMWとして初めて生産した4輪車「3/15 PS DA-2」

 1916年に航空機用エンジンメーカーとして創業した同社は、28年に4輪の生産に進出。最初は同業他社を買収して生産したが、29年になって初めてBMWとしての4輪車を生産した。それがこの3/15 PS DA-2である。水冷直列4気筒サイドバルブ形式のエンジンを搭載し、排気量749cc、最高出力は15PS/3000rpmだった。

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BMWの独自ブランドとしての生産車はこの3/15 PS DA-2となる。まだ「キドニーグリル」はあしらわれていない。

BMW初の本格スポーツカー「315/1 Roadster」

 BMWといえばフロント部分の意匠「キドニーグリル」。同社が1935年に初の本格的なスポーツカーとして発表した、この315/1 Roadsterの時点ですでに採用されている。キドニーグリルは、この2年前に発表された「303」で初めて採用され、今日まで守られ続けている伝統だ。水冷直列6気筒OHV、排気量1490cc、最高出力は40PS/4300rpm。

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デザインもすばらしい315/1 Roadster。この時代の空力性能の高さを感じられる1台。もうキドニー・グリルがある。

戦前製ですでに時速150kmを叩き出していた「328 Roadster」

 最高時速150kmを誇り、そのまま当時のレースで活躍できる実力を有していた市販スポーツカーが1938年製の「328 Roadster」だ。ル・マン24時間、ミッレ・ミリア(伊)、アイフェルレンネン(独)など、欧州各地のレースで記録を残し、現在もヒストリックカーレースで活躍中だ。エンジンは水冷直列6気筒OHV、排気量1971cc、最高出力は80PS/5000rpm。

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328 Roadster。第2次大戦以前の技術力で時速150kmは大変なものがある。

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引き続き1930年代の名車を紹介!

戦前に高級スポーツモデルとして成功した「327/328 Cabriolet」

 時速140kmでの巡航を可能とし、第2次大戦前の2Lクラスの高級スポーツモデルとして高い名声を得たのが「327/328 Cabriolet」(1938年)だ。同社初の4ドアモデル「326」(36年)のホイールベースを短縮して出力をアップした高級スポーツカー「327」(37年)に、2座スポーツカー「328」(36年)用に開発された高性能エンジンを搭載したのが同車である。水冷直列6気筒OHV、1971cc、80PS/5000rpm。

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時速140kmでの巡航を可能にした327/328 Cabriolet。市販スポーツカーとして高い名声を得た。

アウトバーンでの走行用に空力にこだわった「328 Wendler Coupe」

 続いても326の派生型で、1938年製の「328 Wendler Coupe」。ドイツのカロッツェリアであるWendler(ヴェンドラー)社が、自国全土で建設が進むアウトバーンでの高速連続走行を想定し、空力を考慮して開発したクーペ・ボディを328に架装した特性モデルだ。エンジンスペックは327/328 Cabrioletと同じ。

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アウトバーンでの高速走行を目的として開発された328 Wendler Coupe。

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戦後の苦境の中に誕生してきた50年代のクルマたち

一見3輪車のような異色のデザインが魅力の「Isetta 250」

 1955年製の「Isetta(イセッタ) 250」は、大戦後、経済的に困窮していた西ドイツ(当時)市民のため、伊イソ社とライセンス契約して生産された1台。卵形という独特のデザインをした2人乗りの小型車で、後輪のトレッドが520mmと非常に狭いために3輪車に見えるが、れっきとした4輪車。当時の価格で2580独マルクとVWビートルよりも安価で、燃費・維持費も経済的であったことから大ヒットし、62年までシリーズ累計16万台強が生産された。単気筒OHV、245cc、12PS/5800rpm。エンジンの排気量をアップした「イセッタ 300」に関しての詳細記事はこちら

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独創的なデザインで今もってカルト的な人気を誇るバブルカー のIsetta 250。EVとして2018年に復活の予定。

性能はバツグンだったが高価過ぎた幻の「507 Roadster」

 「507 Roadster」は1954年のフランクフルトショーで発表され、56年から生産された高級スポーツカー。最高時速は220km、0-100km/hを11.5秒と当時としては圧倒的な性能を誇ったが、2万6500独マルクという高価さがネックに。当時のスーパーカーといってもいいだろう。当時はまだ高級車市場が大きくなかったこともあって販売数は延びず、生産台数は251台(252台とも)で終わり、同社の経営を逼迫させたとされる。水冷90度V型8気筒OHV、3168cc、150PS/5000rpm。

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507 Roadsterは、その性能といい、価格といい、当時のスーパーカーといっていいもの。

日本でもVIP専用車として使われたという「3200S」

 第2次大戦によって大打撃を受けたBMWに取って、復活の転機となった1台が1954年発表の高級4ドアセダン「502」シリーズだった。507 Roadsterと同様に1万9770独マルクという高価さで当初は苦戦するが、経済の復興と共に高級車市場が拡大していき、60年には改良を受けてこの「3200S」を含む3200シリーズとして生まれ変わるほどの人気車種となった。502シリーズや3200シリーズは日本でも正規輸入され、VIP専用車として使われたという。水冷90度V型8気筒OHV、3168cc、160PS/5600rpm。

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いかにも大物が後席に乗っていそうな雰囲気の3200S。

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70年代スーパーカーブーム時に活躍したクルマたち!

インパクト絶大! 精悍な姿の「2002 Turbo」

 40代半ばぐらいから上の世代なら覚えているであろう70年代スーパーカーブームの時代、1973年秋のフランクフルトショーに登場したのが「2002 Turbo」だ。68年誕生の「2002」をベースに、ターボ付き2000ccエンジンを搭載し、ポルシェと共にターボチャージャーブームを起こした1台である。大型オーバーフェンダーも特徴的な上に、前走車のバックミラーにこれ見よがしに映るよう、深いエアダムスカートにあえて「鏡文字」描かれたTurboの文字もインパクト絶大である。水冷直列4気筒SOHC、1990cc、170PS/5800rpm。

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まさにハコ車という趣の2002 Turbo。この無骨さにシビれる人も多いのではないだろうか。エアダムスカートの鏡文字が強烈。

欧州ツーリングカー選手権で活躍した「3.0 CSL」

 「3.0 CSL」は、欧州ツーリングカー選手権への参戦に必要なホモロゲーション(公認)を得るため、市販車「3.0 CS」をベースに開発された少数生産車。Lはドイツ語で軽いという「Leicht」を意味し、3.0 CSから200kg軽量化が図られている。1971年にデビューし、翌年にはエンジンを2985ccから3003ccに拡大。さらに翌年には3153ccに拡大された。レースで酷使されたため、状態のいい同車は希少だという。水冷直列6気筒DOHC、3153cc、206PS/5600rpm。

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ハコ車という感じは2002 Turboと同じだが、3.0 CSLはやはり大きめのリアウィングがポイントだろう。

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80年代以降の現在に続くクルマたち!

モータースポーツで鍛えられたMモデルの元祖「M1」

 「M1」は、同社の市販車として初めてミッドシップレイアウトを採用したスーパー・スポーツで、モータースポーツシーンで鍛えられた技術が投入されている「M」モデルの始祖に当たる。1978年秋のパリ・サロンでデビューし、1981年までわずか399台が生産されたのみだが、F1のサポートとしてワンメイクレースなども行われたことから、現在でも非常に人気が高い。デザインはジョルジェット・ジウジアーロが手がけており、同社の中では異質ともいえる雰囲気を持つ。水冷直列6気筒DOHC、3453cc、277PS/6500rpm。

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まるでイタリア車的なイメージのデザインであり、BMWっぽくないが、キドニーグリルはちゃんとある。

日本のバブル時代を駆け抜けた今につながるデザインの「320i」

 1981年9月にBMWジャパンは発足したのだが、「320i」はその創生期の主力車として、「318i」と共にバブル時代の日本で人気を博した。日本で売れた理由は、右ハンドルの設定と5ナンバーサイズであったことが大きいという。320iは第2世代の3シリーズの1台で、デビューは1982年秋。今回展示されているのは1987年式だ。E30とは開発コードネームで、愛称として定着している。水冷直列6気筒DOHC、1990cc、129PS/6000rpm。

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87年式の320i。80年代まで来ると、現在のデザインにつながっているのがわかる。

 以上、BMWの最初の1車種目である3/15 PS DA-2から、80年代の320iまで、BMWのヒストリックカーをご覧いただいたが、お楽しみいただけただろうか? BMW GROUP Tokyo Bayにはドライビング・エリアも設けられており、今後も展示に加えて、デモランなどのイベントも行われるものと思われる(今回は、スーパーGTマシン7号車「Studie BMW M6」などが走った)。クルマ好きの新しいスポットになりそうだ。

2016年7月13日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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