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クルマ2016.07.12

NEC、「土砂災害予兆検知システム」を発売

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「土砂災害予兆検知システム」による解析結果のイメージ

 NECは6月29日、斜面を構成する土砂に含まれる水分量を調べるだけで、その斜面が崩壊する危険性の変化をリアルタイムに見える化する「土砂災害予兆検知システム」を製品化し、同日から販売を開始したことを発表した。

 近年、日本では記録的な降雨により、崖崩れなどの土砂災害が多発している。自治体では、土砂災害の危険性がある際に避難勧告・指示を発令するための判断材料として、都道府県と気象庁が共同で発表する「土砂災害警戒情報」を活用している。

 さらに自治体によっては、土砂斜面崩壊の前兆現象を把握するため、斜面に設置した監視カメラや傾斜計、土石流によって切断されると信号が発せられるワイヤーセンサーなどの情報を利用している。しかし、それらの方法だと、前兆現象をとらえてから実際の斜面崩壊までわずかな時間しかないこともある。

 そのため、コンピューターシミュレーションによる予測なども行われているが、詳細な地形や地質の情報、導入地域における過去に起きた災害状況の分析が必要なため、導入費用が高額という問題があった。

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NEC独自の新技術で危険性がより簡単にわかるように!

土砂中の水分量だけで土砂斜面崩壊の危険性を算出

 土砂斜面の崩壊の危険性を求めるためには、滑ろうとする力と抵抗力の釣り合いを定量化する解析モデル「斜面安定解析式」が利用されている。そして斜面安定解析式には、土砂の「重量」と「粘着力」と「摩擦」、そして「土中の水圧」という4つの値が必要だ。しかし、これまではその4つの値を調べることが大変だった。

 それをNECは今回、3台のセンサー子局を目的の斜面に設置して土砂に含まれる水分量を調べるだけで、4つの値を算出できる独自のデータ解析技術を開発。土砂斜面崩壊の危険性を、従来よりも大幅に簡便に算出できるようになったというわけだ。

 時間雨量・土砂に含まれる水分量の変化状況を蓄積することも可能で、過去の災害発生時および災害には至らなかった場合と現状の測定値の比較も行える。斜面崩壊の危険性がよりわかりやすく見えるようになった。

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このように3台のセンサー子局を目的の斜面に設置するだけ。

 そのほか同システムの特徴としては、センサーの通信に免許申請が不要な920MHz帯特定省電力無線が利用されていることが挙げられる。また、データ蓄積・解析機能はクラウドサービスで提供される形だ。

 さらに、NECの防災情報システムとの連携が可能で、同システムで土砂斜面崩壊の危険性だけでなく、河川の水位や監視カメラ映像などの各種データの統合管理を実現し、自治体の避難勧告などの決定を支援する仕組みとなっている。

 NECは今回の開発において、島根県の津和野町を初め、全国約10の自治体で同システムの実証実験を実施。それらを通じて培ったノウハウをまとめて製品化したのが、同システムなのである。

今後はALSOKの監視サービスとの連携も予定

 今後は、シミュレーションシステムを初めとする各種システムとの連携を予定。ALSOKの監視サービスとの連携も検討中で、共同の実証実験を実施中だ。

 そして価格は、1斜面辺りにセンサー子局3台、中継局1台を設置する形で、設計・設置工事費込みで、初期費用が690万円(税別)、月額税別7万円(税別)から。センサー子局は電源工事が不要なバッテリー稼働方式で、2年程の長期稼働が可能な省エネ設計も特徴である。

 NECは同システムの販売目標を、今後3年間で200システムとしている。

2016年7月7日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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