トヨタTS050、第84回ルマンでの敗因は?
まさかのまさかで大逆転負けを喫してしまったTS050 HYBRIDの5号車
トヨタのレース部門であるGAZOO Racingは6月23日、ル・マン24時間レースで同チームのTS050 HYBRIDの5号車が、残りあと5分で初制覇というところで、エンジンのパワーがなくなってしまった原因を大まかながら発表した。
2015年型のTS040 HYBRIDからTS050 HYBRIDになって大きく変わった要素の一つが、ターボチャージャーが搭載されたことである。そのターボとインタークーラーをつなぐ吸気ダクト周りの不具合が原因で、ターボの制御が失われたという。
レース中は原因が不明だったため、低下したエンジンの出力を回復させるべく制御系の設定変更が試みられ、結果的に5号車はファイナルラップを走りきることができる状態にはなった。テレビ中継でも、一度ゴールラインを越えた辺りで停車していた状態から、再び走り出すところが映されたのを覚えている方も多いだろう。
しかし、その対応に時間がかかってしまったために規定の6分以内にゴールできず、失格となってしまったというわけだ。総合順位2位以下の車両は、完走を得るための条件として「総合優勝車のチェッカーから6分以内にチェッカーを受ける」というものがあり、5号車は間に合わなかったのである。
トラブルの真の原因については、現在も独ケルンのTMG(トヨタ・モータースポーツ有限会社)にて詳細を調査中だという。第2戦スパでは、アップダウンもきつい名物コーナーのオー・ルージュで車体の底を打ち続けたせいでストレスがかかってエンジンが壊れてしまったが、それとは無関係なことは確認されている。今後、同様のトラブルの再発を防止するため、TMGで徹底的な原因究明を進めていくとした。
今回の悔しさをバネに、来年こそは完璧なマシンでル・マンを制覇できるか
2016年6月25日(JAF MATE社 IT Media部 日高 保)
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