高槻~枚方に新たな「淀川架橋」計画が進行中!「牧野高槻線」で名神高速アクセスも向上。整備はどこまで進んだ?【いま気になる道路計画】
大阪と京都の府境付近では、淀川に約12kmにわたって「橋がない」エリアがある。それを改善するべく、大阪府が進める都市計画道路「牧野高槻線」事業が進行中だ。計画の詳細やメリット、進捗状況を見ていこう。
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「牧野高槻線」で淀川の「橋空白地帯」が繋がる
淀川に橋が架かっていない「空白地帯」に、大阪府が橋梁を整備する。
大阪市の都心部をつらぬき、近畿地方を代表する大河川が「淀川」だ。上流へさかのぼると、北東へ向かって京都府に入ると、西から桂川・宇治川・木津川の3つに分かれる。
大阪と京都の府境周辺では、約12kmにわたって淀川に橋が架かっておらず、いわば「橋空白地帯」と言える状況となっている。大阪府北部の高槻市と枚方市は互いに分断された形となっており、牧野方面からは名神高速道路が近くて遠い存在だ。高槻市民にとっては、第二京阪道路や大型商業施設「コストコ」へ向かうにも大きく迂回する必要がある。
将来、この付近には新名神高速道路が開通予定で、「高槻JCT・IC」から淀川を渡り、枚方市内を横断して第二京阪道と城陽方面を結ぶ「八幡京田辺(やわたきょうたなべ)JCT・IC」に直結する計画となっている。しかし、この区間には側道として無料通行できる一般道路は整備されない見込みだ。
さらに、新名神高速が開通しても枚方市内にはICが設置されない。そのため市民は、八幡京田辺ICまで引き返す必要があり、高速道路へのアクセスに課題を抱える状況となっている。
こうした事情から、新名神高速とは別に、府道として新たな淀川架橋計画が進められている。それが「牧野高槻線」計画だ。
名神高槻ICアクセスも便利に? 計画の詳細は
牧野高槻線と関連事業の計画概要。
都市計画「牧野高槻線」によって橋が架かるのは、阪急高槻市駅から東に進んだ地点と、京阪牧野駅の南側を結ぶ位置だ。既存の枚方大橋からは、上流へ約4kmの地点にあたる。淀川両岸を結ぶ、新たな東西軸として期待されている。
もともと両岸には大阪府道17号・枚方高槻線が整備されており、1983年の府道指定以来、ここに橋を架ける構想があった。半世紀近くにわたり「分断された府道」だったが、ようやく一本に繋がる現実味を帯びてきた。
橋の西岸側では、大阪市・吹田市・摂津市方面から伸びる府道14号・大阪高槻京都線のバイパス(計画名:十三高槻線)が整備される予定で、都市計画道路として街路整備が進められている。東岸側では、府道13号・京都守口線(旧国道1号)を牧野駅北側の上島町交差点まで4車線に拡幅し、「とうかえでの道」から国道1号へアクセス性を高める計画だ。
橋は中央分離帯つきの4車線で、両側に歩道と自転車道を備え、全幅は26mとなる。将来交通量は1日あたり約3万台が想定されている。
ちなみに高槻側では当初、橋から立体交差でそのまま西へ延び、名神・新名神高速の「高槻IC」まで直結する計画だった。しかし、2018年の都市計画見直しにより、この案は変更。橋のたもとはT字路となり、その先の区間は廃止となった。
その代わりに、北側の梶原地区では阪急とJRをまたいで名神高速と並行する「高槻東道路」の整備が進められており、枚方側から高槻側へ渡って名神・新名神高速を利用する場合、将来的には、この高槻東道路を経由して、高槻ICへアクセスする形になる見込みだ。
現在は、枚方市民が八幡市を経由して、名神高速「大山崎IC」まで大きく北回りするケースも多い。それに比べれば、名神高速へのアクセスは大きく改善されることになりそうだ。
「牧野高槻線」の進捗状況は?
枚方市側では京都守口線の4車線拡幅工事が着工済み。
「牧野高槻線」の整備はどこまで進んでいるのだろうか。
気になる進捗状況だが、2020年に事業化してから6年が経過。現在は測量・設計と、用地取得が続けられている段階だ。橋本体については、予備設計がまとまり、詳細設計が進められている。河川管理者との協議や、関連する水路移設の調整など、水面下での手続きも並行して進んでいる。
取り付け道路の整備も進んでいる。高槻市側では2025年時点で用地取得率が9割に達しており、枚方市側でも2025年度末までに7割まで達する見込みだ。
また、府道13号・京都守口線の4車線拡幅工事は2023年に開始。まずは、用地買収が不要な穂谷川以北から先行して工事が進められており、2026年に暫定供用予定となっている。穂谷川以南は用地取得が完了次第、順次着工する方針だ。
「牧野高槻線」の整備で最大の注目ポイントは、やはり橋本体の着工だろう。橋梁設計が一段落すれば、工事前の説明会が開かれ、そこでより具体的なイメージ図面も公表されるとみられる。北大阪~京都エリアでいま注目される道路計画のひとつとして、今後の動向に引き続き注目していきたい。
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