キャンプ料理レシピ!元シェフが教えるエスニック【メイン・主菜編】
近頃のキャンプでは「オシャレでひと手間かかった料理を楽しむ、こだわり派のキャンパーが増えている」という噂を耳にした元シェフの編集部員 Y 。「キャンプ初心者が軽キャンピングカーで1泊を体験する」という編集部員 O の企画に便乗し、アウトドアではなかなか見かけない「エスニック料理」のレシピを紹介。
O が企画した「軽キャンピングカー1泊体験」に便乗し、キャンプ場に訪れた Y こと筆者。体験記事の準備で忙しい O に無理やりカメラを持たせて調理風景を撮影し、レシピ記事を作成した。
本記事では、メイン・主食編として「夏野菜のガパオ風炒め」「エスニック風 ローストビーフ」「鶏肉とトマトのフォー」のレシピを紹介する。
エスニック風 ローストビーフ
オイスターソースで下味をつけた「ローストビーフ」のレシピ。ナンプラーベースのピリ辛ソースと味噌ベースの甘じょっぱいソースの2種類で食べるとエスニック風な味わいに。
材料(4人分)
【ローストビーフ材料】
・牛モモかたまり肉 500g
・ニンニク(すりおろし) 小さじ2
・オイスターソース 大さじ2
・ブラックペッパー 適量
・サラダ油 大さじ1/2
・プチトマト(飾り用) 4個
・砕いたピーナッツ(飾り用)
・パクチー (飾り用)
【ピリ辛ソース 調味料】
・ナンプラー 大さじ1
・レモン汁 大さじ1
・オイスターソース 小さじ1/3
・砂糖 小さじ1
・粉唐辛子 小さじ1/3
・パクチー刻み 適量
【味噌ソース 調味料】
・もろみ味噌 大さじ1
(味噌によって塩味が違うので味見しながら調整)
・醤油 大さじ1
・お酢 大さじ1
・グラニュー糖 大さじ1
・おろしショウガ 小さじ2(チューブ3~4cm)
・おろしニンニク 小さじ1(チューブ2~3cm)
・パクチーの根 みじん切り(1本)
作り方
STEP 1 牛モモ肉に下味をつける
牛モモかたまり肉全体に、すりおろしニンニクとオイスターソースをすり込み、ブラックペッパーをまぶす。ラップやジップロックで密封し、牛肉が常温に戻るまで30分程おいておく。
ポイント
牛肉を常温にすることで火が通りやすくなる。冷たいまま牛肉を焼くと中心まで火が入らず、生の部分が残ってしまう。
STEP 2 牛モモ肉を焼く
よく温めたスキレットにサラダ油を引き、牛モモ肉の側面を1面ずつ焼いていく。
横から見て、1/5程度まで白く色が変わったら次の面を焼く。焼き色がしっかりつくように火加減や焼く場所を調整する。
ポイント
牛肉を焼いている間はできるだけ動かず、焼き色をしっかりと付ける。
STEP 3 牛モモ肉をアルミホイルで包んで休ませる
全面焼き終わった牛モモ肉をアルミホイルで2重に包み、30分以上休ませ余熱で中心にじっくり火を入れる。
ポイント
・肉汁を閉じ込めるため、肉の中心まで火を入れるために丁度いい保温性のためにアルミホイルは2重に巻いた。
・冬場はすぐに冷えてしまうので、アルミホイルの上からタオルやフキンなどで包んで保温しながら休ませる。休ませる時間があるので、いくつも料理を作る場合は一番はじめに調理するといい。
STEP 4 ピリ辛ソースを作る
ピリ辛ソースの調味料をシェラカップなどに入れて、砂糖が溶けるまでかき混ぜる。刻んだパクチーを入れる。
STEP 5 味噌ソースを作る
みじん切りにしたパクチーの根と味噌ソースの調味料をシェラカップなどに入れ、砂糖が溶けるまでかき混ぜる。味噌によって塩味が違うので味見しながら調整する。
ポイント
ここではもろみ味噌を使用したが、タイ料理ではタオチオソースという大豆調味料を使用する。大豆のカタチが残っていて、もろみ味噌に似ている。ソースはあらかじめ家で作っておくと時短になる。タッパーなどの容器に入れて持っていくといい。
STEP 6 盛り付ける
牛モモ肉をスライスして盛り付け、プチトマトやパクチー、砕いたピーナッツなどを飾る。肉を斜めにカットすることで赤い部分が大きく見えるので見栄えが良くなる。
アレンジ
・辛さが苦手なら、ピリ辛ソースの粉唐辛子を入れなくてもいい。
・ごはんの上にローストビーフとサラダを一緒に盛り付け、ソースをかければローストビーフ丼に。
夏野菜のガパオ風炒め
夏野菜をふんだんに使った「ガパオ風炒め」のレシピ。鶏ひき肉に絡んだオイスターソースの旨味をスイートバジルの爽やかな香りが引きたてる。
材料(4人分)
【具材】
・鶏ひき肉 400g
・赤パプリカ 1個
・ゴーヤ 1/2本
・ナス 2本
・ニンニク 1片(チューブ2~3cm)
・唐辛子 4本
・スイートバジル 10枚
・ごはん
・卵 4個(目玉焼き用)
・パクチー(飾り用)
・スイートバジル(飾り用)
【調味料】
・酒 大さじ1
・ナンプラー 大さじ1
・オイスターソース 大さじ2
・醤油 小さじ1
・砂糖 小さじ2
作り方
STEP 1 野菜をカットする
ゴーヤは縦半分に切り、スプーンを使ってワタと種を取り除く。5mm程の厚さにカットする。
赤パプリカは種を取り除いて一口大にカットする。
ナスはヘタを切り落とし、乱切りにする。
ポイント
ゴーヤの苦みが気になる場合は塩もみして10分程おいてから、水で洗う。ゴーヤの苦み成分の1つであるモモルデシンは、水溶性なので塩もみすることで水分と一緒に外に出る。
STEP 2 ニンニクと唐辛子を炒める
ニンニクはみじん切り、唐辛子は小口切りにする。油をひいたフライパンにニンニクと唐辛子を入れて中火で炒める。
ポイント
ニンニクと唐辛子が焦げないように火を調整し、香りが出てきたらOK。
STEP 3 鶏ひき肉と野菜を炒める
ニンニクと唐辛子から芳ばしい香りが出てきたら鶏ひき肉を入れて炒める。7分目まで火が入ってきたら、ナス・ゴーヤ・パプリカの順で加えて炒める。
STEP 4 味付けをする
先に酒を入れてアルコールを飛ばしてから、他の調味料を加えて混ぜながら炒める。最後にスイートバジルの葉を入れて香りを出す。
ポイント
ガパオ炒めはタイ語で「パット(炒め)ガパオ(バジル)ガイ(鶏肉)」と言う。ガパオとは「ホーリーバジル」というバジルのことで、日本では手に入りにくいので香りが似ているスイートバジルで代用。そのためガパオ”風”炒めという呼び名に。
STEP 5 目玉焼きを作る
小さなスキレットを火にかけて温め、多めの油で目玉焼きを作る
ポイント
多めの油で揚げ焼にすることで、下側が少しカリっと揚がったタイ風の目玉焼きになる。
STEP 6 盛り付ける
お皿の半分にごはんをよそい、上に目玉焼きを乗せる。お皿の空いたスペースにガパオ風炒めを盛り付けて、スイートバジルとパクチーを飾って完成。
ポイント
・キャンプっぽさを出すためにパエリアパンを使用して盛り付けた。パエリアパンは、薄手でかさばらない。重ねて数枚持っていくと調理にもお皿にも使えるので便利。
・今回はパックごはんを使用。湯せんで15分温めると食べごろ。キャンプらしく飯盒炊飯をするのもいい。
アレンジ
・辛さが苦手なら唐辛子を使用しなくてもいい。
・ガパオ風炒めが余ったら翌朝トーストに挟んでホットサンドにしてもいい。
・トマトソースを加えて味を調え、茹でたパスタを入れるとボロネーゼ風パスタに。
→次ページ:トマトの旨味が溢れ出る!鶏肉とトマトのフォーのレシピ。
鶏肉とトマトのフォー
ベトナム料理の定番「フォー」をアレンジした「鶏肉とトマトのフォー」のレシピ。トマトと鶏スープの旨味が麺に絡んで美味しい。お酒を飲んだ後の〆にピッタリ。
材料(4人分)
【具材】
・フォー 500g
・鶏モモ肉 1枚
・水 1600㏄
・トマト 1個
・ショウガ(スライス) 6枚
・セロリ(スライス)10枚
・パクチーの根 1本
・プチトマト 8個
・カットレモン 輪切り4枚
・ショウガ(千切り) 適量
・パクチー(飾り用)
【調味料】
・ナンプラー 大さじ4
・鶏ガラスープの素 少々
・ブラックペッパー 少々
・お酢 小さじ1/3
作り方
STEP 1 フォーを戻す
フォーをあらかじめ水(分量外)に浸して戻しておく(20~30分)。
ポイント
ジップロックなどに入れて浸しておき、時間が経ったら水を捨てる。
STEP 2 スープを作る
鍋に水をはり、鶏モモ肉(丸ごと)、トマト(ヘタを取る)、ショウガ(スライス)、セロリ(スライス)、パクチーの根を入れて火にかける。鍋が煮立つとアクが出るので取り除く。
アクをとったら弱火でじっくりと煮込む。
ポイント
・トッピングに使う鶏肉を茹でながらスープを作ると鍋が1つで済む。調理スペースの節約になるだけでなく洗い物も少なくなる。
・炭で調理する場合は、バーベキューコンロの中で炭が多い部分(強火)、炭が少ない部分(弱火)、炭がない部分(保温)を作って調理工程によって使い分ける。
STEP 3 具材を取り出す
鶏モモ肉に火が通ったら、トマト以外の具材を取り出す。
鶏モモ肉の皮をはぎ、繊維に沿って割いておく。
STEP 4 スープの味付け
スープの中でおたまなどを使ってトマトを押しつぶす。
調味料を加えて味を調える。塩味が足りない場合はナンプラーを加えて調整する。
STEP 5 フォーを茹でる
水を切ったフォーをスープの中に入れて茹でる。あらかじめ戻してあるので、20秒程で柔らかくなる。
ポイント
フォーはあらかじめ水で戻してあるので、すぐ柔らかくなる。茹でる用に別の鍋を用意しなくてもいいので簡単。
STEP 6 盛り付ける
茹でたフォーをトングなどで器に取り分け、スープを注ぐ。
割いた鶏モモ肉、プチトマト(1/2カット)、レモン(輪切り)、ショウガ(千切り)、パクチーを乗せたら完成。
ポイント
キャンプっぽさを出すために木皿を使用した。木皿は温かみがあって料理が美味しそうに見えるだけでなく、運搬時に割れにくいのでアウトドア向き。
アレンジ
・辛さが得意なら、一味唐辛子などを振りかけて辛くしてもいい。
・パクチーが苦手な場合は入れなくてもOK。
・スープにごはんを入れたり、フォーの代わりに春雨を使ってもいい。
本記事では、メイン・主菜編として「夏野菜のガパオ風炒め」「エスニック風 ローストビーフ」「鶏肉とトマトのフォー」のレシピを紹介した。キャンプ料理では珍しいエスニック料理を味わいながら、自然の景色や会話を楽しみ、いつもと一味違うキャンプを満喫して欲しい。
上写真に写っている「ヤムウンセン」と「マグロとアボカドのディップ」のレシピは前菜編で紹介している。また、キャンプ料理を作る様子や軽キャンピングカーでキャンプする様子は体験レポートで紹介している。下記リンクをチェックされたし。