2020年07月09日 11:50 掲載
交通安全・防災 現行車種の安全性能がわかる! JNCAP得点一覧。トヨタ・日産・ホンダ編
衝突安全性能評価試験の内容と配点について
衝突安全性能評価試験は2011年度から2019年度まで試験内容はほぼ同じだ。ただし、得点の算出方式が2018年度に大きく変わり、配点が208点満点から100点満点となった。また、歩行者保護の頭部保護性能試験で、試験車のボンネットなどに向かって射出される頭部インパクタ(※9)の射出速度が2015年度までは時速35kmだったが、2016年度からは時速40kmに変更されている。この変更は係数の変更で調整されており、2011年度からから2015年度までと、2017年度・2018年度に評価試験を受けた全車種が同じ208点満点で比較できるようになっている。
※9 頭部インパクタ:接触して歩行者が車上に乗り上げた際、ボンネットなどに頭部が打ち付けられた際の傷害値を計測するための装置。人の頭部を模している。
【2011年度~2017年度の配点:208点満点】
●乗員保護性能試験(合計100点)
・フルラップ前面衝突試験:30点
・オフセット前面衝突試験:30点
・側面衝突試験:25点
・後面衝突頸部保護試験:15点
●歩行者保護性能試験(合計100点)
・頭部保護性能試験:75点
・脚部保護性能試験:25点
●シートベルトの着用警報装置評価(8点)
【2018・2019年度の配点:100点満点】
●乗員保護性能試験(合計59点)
・フルラップ前面衝突試験:21点
・オフセット前面衝突試験:21点
・側面衝突試験:15点
・後面衝突頸部保護試験:2点
●歩行者保護性能試験(合計37点)
・頭部保護性能試験:32点
・脚部保護性能試験:5点
●シートベルトの着用警報装置評価(4点)
予防安全性能評価試験の年度別の試験内容と配点について
予防安全性能評価試験は、以下のように毎年のように新たな試験が追加され、配点が増えている。
●2014年度:40点満点
・衝突被害軽減ブレーキ(対車両):32点
・車線はみ出し警報:8点
●2015年度:46点満点
・【追加】後方視界情報:6点
●2016年度:71点満点
・【追加】衝突被害軽減ブレーキ(対歩行者・昼間):25点
●2017年度:79点満点
・【変更】車線はみ出し警報:8点⇒車線逸脱抑制:16点
●2018年度:126点満点
・【追加】衝突被害軽減ブレーキ(対歩行者・夜間街灯あり):40点
・【追加】高機能前照灯:5点
・【追加】ペダル踏み間違い時加速抑制:2点
●2019年度:141点満点
・【追加】衝突被害軽減ブレーキ(対歩行者・夜間街灯なし):15点
衝突安全と予防安全の評価について
衝突安全性能評価試験は、2011年度以降、得点によって得られる★の数が異なり、以下の5段階で評価されている。
【衝突安全性能評価・2011年度~2017年度】
・170.0点以上:★★★★★(ファイブスター賞)
・150.0点以上170.0点未満:★★★★☆
・130.0点以上150.0点未満:★★★☆☆
・110.0点以上130.0点未満:★★☆☆☆
・110.0点未満:★☆☆☆☆
2011年度から2017年度までのファイブスター賞の条件:乗員保護性能試験および歩行者保護・頭部保護性能試験においてレベル4以上、歩行者保護・脚部保護性能評価試験においてレベル3以上が必要。2011年度に関しては、後面衝突頸部保護性能試験で、薄緑色または緑色が必要。なおレベルとは試験ごとの評価で、5段階で表されている。
【衝突安全性能評価・2018年度以降】
・82.0点以上:★★★★★(ファイブスター賞)
・72.5点以上82.0点未満:★★★★☆
・63.0点以上72.5点未満:★★★☆☆
・53.5点以上63.0点未満:★★☆☆☆
・53.5点未満:★☆☆☆☆
2018年度以降のファイブスター賞の条件:シートベルトの着用警報装置評価以外の試験において、レベル4以上の評価を獲得する必要がある。
予防安全性能評価試験ではASVに「+」をつけて評価を表す。当初は「ASV+」までだったが、予防安全性能評価は毎年のように試験項目が追加されて配点が増えていったことから、2016年度には「ASV++」(ダブルプラス)が、2018年度には「ASV+++」(トリプルプラス)が追加設定された。
【予防安全性能評価(2018年度以降)】
・86点超:ASV+++
・46点超~86点以下:ASV++
・12点超~46点以下:ASV+
2014年度から予防安全性能評価試験が始まったことで、JNCAPは2種類の評価試験を実施してきた。そして2020年度からは、いよいよ衝突安全と予防安全のふたつの試験が統合される。これまでは、衝突安全と予防安全のどちらかだけの評価試験を受けることも可能だったが、2020年度からは必ず両方の試験も受けることになる。どちらもそろって高得点を獲得しないと、高評価を得られなくなるのである。なお詳細は未発表のため、合計得点などは発表されていない。2020年度前期の発表は、11月末から12月上旬ぐらいに発表されるものと思われる。
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