クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

道路・交通最終更新日:2020.03.24 公開日:2020.03.24

4車種追加で全9車種に! 予防安全・最新ランキング【JNCAP2019】

昨年10月に発表された2019年度JNCAP予防安全5車種に加え、今般、4車種が追加で発表された。ここでは、2019年度の全9車種を得点順にランキングで紹介しよう。

記事の画像ギャラリーを見る

 JNCAPとは、国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASAVA)が毎年試験実施する、新車の安全性能評価試験のことだ。その年度、もしくは前年に発売されたニューモデル、もしくはマイナーチェンジが実施されて性能が向上した車種のうちから、特に販売台数の多いものが選ばれて試験が行われている(メーカーが試験の依頼をする場合もある)。年に2回、前期(毎年10~12月頃)と後期(翌年5月末頃)に分けて発表されており、2019年度の前期は同年10月に発表済みだ。

JNCAPの評価試験は大別して2種類

 JNCAPは大別して2種類の評価試験が行われる。「予防安全性能評価試験(予防安全)」と「衝突安全性能評価試験(衝突安全)」だ。予防安全は、衝突被害軽減ブレーキなど、事故を未然に防ぐ機能の評価を行う(画像1)。それに対し、実際にクルマを衝突させて、乗員の保護性能と歩行者に対する加害性を評価するのが、衝突安全だ。

画像1。JNCAP2019前期・予防安全性能評価における、衝突被害軽減ブレーキの評価試験の様子。画像提供:NASAVA

画像1。対歩行者(昼間)の衝突被害軽減ブレーキの予防安全性能評価試験の様子。画像提供:NASAVA

 どちらの評価試験も試験車種はすべて同一条件の下に厳密に実施され、点数化して公表される。得点が高いクルマほど安全性が高いことを示す。また、試験内容や得点の算出方法などは年度ごとに見直される場合もある。

 JNCAPが評価結果を公表する目的はふたつある。ひとつは自動車メーカーに対するもので、より安全性能の高いクルマの開発を促すこと。もうひとつはユーザーに対して、より安全性能の高いクルマの購入を促すという狙いがある。

予防安全ではどのような評価試験を行う?

 今回取り上げる予防安全は2014年度から始まった評価試験で、1995年度から始まった衝突安全と比べると歴史的に新しい。対象となる運転支援技術が年々高性能化していることもあり、ほぼ毎年新たな評価試験が追加されている。このため満点が毎年度高くなっており、違う年度の試験を比較するときは注意が必要だ。2019年度は合計141点満点。なお2019年度から新しく導入された試験としては、衝突被害軽減ブレーキの「対歩行者(夜間・街灯なし)」がある(画像2)。

画像2。JNCAP2019前期の予防安全性能評価試験の様子。衝突被害軽減ブレーキの夜間・街灯なしの条件下での、歩行者の検出。

画像2。対歩行者(夜間・街灯なし)の衝突被害軽減ブレーキの予防安全性能評価試験の様子。画像提供:NASAVA

1.衝突被害軽減ブレーキ
 I.対車両(32点)
 II.対歩行者(全80点)
 ・昼間(25点)
 ・夜間【街灯あり】(40点)
 ・夜間【街灯なし】(15点)
2.車線逸脱抑制装置(16点)
3.後方視界情報装置(6点)
4.高機能前照灯(5点)
5.ペダル踏み間違い時加速抑制(2点)

 1の「衝突被害軽減ブレーキ」は、大別して対車両と対歩行者がある。歩行者では、昼間の性能に加え、夜間の街灯の有無による性能も試験される。

 2の「車線逸脱抑制装置」は、クルマがセンターラインなどをはみ出しそうになったとき、ステアリング操作をアシストして車線中央に戻るようにする機能のこと。きちんと白線を認識して車線を逸脱しないような制御ができるかが評価される。

 3の「後方視界情報装置」は、バックする際に、備え付けのカーナビ用モニターなどに後方視界を映し出し、安全性が確保されているかを調べるものだ。

 4の「高機能前照灯」は、夜間の走行時に対向車や前走車を認識し、それらのドライバーがまぶしさを感じないよう、ヘッドライトの照射範囲を自動調整できるかどうかが評価される。照射範囲を自動調整する「自動防眩型前照灯」が最も高得点で、ハイ/ローの自動切り替えを行う「自動切り替え型前照灯」だと低くなる。

 5の「ペダル踏み間違い時加速抑制」は、近年多発しているアクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐための機能を評価する試験。前方と後方の両方で行われ、作動距離などで得られる点数が細かく設定されている。

新たに試験を受けた4車種と前期に評価済みの5車種

画像3。JNCAP2019・予防安全追加4車種。左上⇒右下の順で、ダイハツ「ロッキー」、日産「セレナ」、ホンダ「アコード」、ホンダ「N-BOX」。

画像3。JNCAP2019の追加4車種。左上⇒右下の順で、ダイハツ「ロッキー」、日産「セレナ」、ホンダ「アコード」、ホンダ「N-BOX」。

 今回、予防安全性能評価試験を追加で受けたのは、以下の4車種だ(画像3)。

【ダイハツ】
●ロッキー

OEM供給車のトヨタ「ライズ」も同一性能

【日産】
●セレナ

OEM供給車のスズキ「ランディ」も同一性能

【ホンダ】
●アコード
●N-BOX(軽)

 そして以下の5車種が、前期に受けたものだ。

【スバル】
●フォレスター

【ダイハツ】
●タント/タントカスタム(軽)

OEM供給車スバル「シフォン/シフォンカスタム」も同一性能

【レクサス】
●ES
●NX
●UX

→ 次ページ:
全9車種によるランキングを掲載

ランキングの見方

 合計得点が141点満点であるが、100点満点に換算した得点(カッコ内の得点)に加え、評価試験の項目ごとの得点も掲載した。そのほか、試験に用いられたグレードとその型式、センサー方式、安全運転支援システム名なども合わせて掲載している。なお同点の車種に関しては、今回は追加車種を優先して先に紹介した。

 また試験を受けたクルマが、「先進安全自動車(Advanced Safety Vehicle)」として優秀である場合、以下の評価が与えられる。

●合計得点46点以上:ASV++(ダブルプラス)
●合計得点86点以上:ASV+++(トリプルプラス)

第1位:セレナ(日産)【追加】

合計:141.0点(100点)ASV+++

対車両:32点 対歩行者:80点(昼間:25点/夜間・街灯あり:40点/夜間・街灯なし:15点)
車線逸脱:16点 後方視界:6点 高機能前照灯:5点 踏み間違い抑制:2点

試験に用いられた車種・グレード(車両型式):セレナ e-POWER ハイウェイスターV(HFC27型)
センサー方式:カメラ
安全運転支援システム名:全方位運転支援システム
※ OEM供給車のスズキ「ランディ」も同一性能

画像4。2019年度JNCAPの予防安全で満点を獲得した日産「セレナ」(5代目・後期モデル)。

画像4。日産の5代目「セレナ」は、JNCAP予防安全において、2016年度に続いて今回も満点を獲得した。

 今回追加されたうちの1車種である5代目「セレナ」は、2016年8月に登場。そして同年度の防安全において、JNCAP史上初となる満点を獲得した(2016年度の予防安全は、4項目の試験が実施され、合計71点満点だった)。

 その後、5代目は2019年8月にマイナーチェンジが実施されて後期モデルに。デザインを一新しただけでなく、衝突被害軽減ブレーキなどの「全方位運転支援システム」を全車標準装備とした。全方位運転支援システムには、「アダプティブ LED ヘッドライトシステム」(自動防眩型前照灯)や「踏み間違い衝突防止アシスト」(ペダル踏み間違い時加速抑制装置)なども含まれており、前期モデルから安全面で大きく進歩。そして3月3日に2度目の満点獲得が追加発表された。

第1位:NX(レクサス)【前期】

合計:141.0点(100点)ASV+++

対車両:32点 対歩行者:80点(昼間:25点/夜間・街灯あり:40点/夜間・街灯なし:15点)
車線逸脱:16点 後方視界:6点 高機能前照灯:5点 踏み間違い抑制:2点

試験に用いられたグレード(車両型式):300h F SPORT(AYZ10型)
センサー方式:ミリ波レーダー・単眼カメラ
安全運転支援システム名:Lexus Safety System +

画像5。レクサス「NX」。若年層に好評を博したレクサスの中核モデルで、グローバル販売を牽引している1車種。

画像5。レクサス「NX」。レクサス初のコンパクト・クロスオーバーSUVとして、国内外ともに2014年に発売が始まった。

 ”プレミアム・アーバン・スポーツ・ギア”をコンセプトに、レクサス初のコンパクト・クロスオーバーSUVとして開発された「NX」。若年層を中心にグローバルに好評を博し、レクサスの中核モデルとして世界的に販売台数を牽引してきた1車種だ。発売初年度となる2014年度の予防安全を受け、40点満点中26.9点を獲得した(2014年度の評価試験項目は2項目、合計40点満点だった)。

 2017年9月にビッグマイナーチェンジが施され、予防安全パッケージ「Lexus Safety System +(レクサス・セーフティ・システム・プラス)」を搭載。続けて2019年4月には同システムの強化が行われた。こうした安全面の改良により、2019年度の予防安全で満点を獲得したのである。

第1位:UX(レクサス)【前期】

合計:141.0点(100点)ASV+++

対車両:32点 対歩行者:80点(昼間:25点/夜間・街灯あり:40点/夜間・街灯なし:15点)
車線逸脱:16点 後方視界:6点 高機能前照灯:5点 踏み間違い抑制:2点

試験に用いられたグレード:250h F SPORT(MZAH10型)
センサー方式:ミリ波レーダー・単眼カメラ
安全運転支援システム名:Lexus Safety System +

画像6。レクサス「UX250h」。都会派コンパクト・クロスオーバーだ。

画像6。都会派コンパクト・クロスオーバー「UX」。2018年11月から発売が始まり、「NX」とともに予防安全の満点を獲得した。

 ”クリエイティブ・アーバン・エクスプローラー”をコンセプトとして、新たなライフスタイルを探求する”CUE(キュー:きっかけ)となることを目指したという、都会派コンパクト・クロスオーバー「UX」。国内では2018年11月に発売された。

 予防安全に関しては、「Lexus Safety System +」の最新版を搭載。センサー方式として単眼カメラとミリ波レーダーの構成はこれまでと変わらないが、個々の性能を向上。それにより、衝突被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」は、昼間の自転車や夜間の歩行者の検知も可能とし、今回の予防安全で141点満点の獲得に大きく貢献した。

→ 次ページ:
続いて第4~6位

第4位:ES(レクサス)【前期】

合計:140.2点(99.4点)ASV+++

対車両:32点 対歩行者:79.2点(昼間:24.2点/夜間・街灯あり:40点/夜間・街灯なし:15点)
車線逸脱:16点 後方視界:6点 高機能前照灯:5点 踏み間違い:2点

試験に用いられたグレード(車両型式):300h(AXZH10型)
センサー方式:ミリ波レーダー・単眼カメラ
安全運転支援システム名:Lexus Safety System +

画像7。レクサス「ES」。レクサスブランドの誕生から支えてきた基幹モデル。

画像7。レクサスブランドの誕生時から支えてきた基幹モデル「ES」の7代目。

 1989年のレクサスブランド誕生以来、基幹モデルとして同ブランドを支えてきたセダン「ES」。2018年10月発売の7代目には、「NX」および「UX」とほぼ同一バージョンの最新版「Lexus Safety System +」が装備されている。また量産車初となるデジタルアウターミラーを装備し、車内にモニターを配置することで雨天時の後方視界の視認性向上に加え、従来ドアミラーより小型化したことで死角を減らすことに成功している。

 今回は、対歩行者の昼間で0.8点の失点があり、「NX」や「UX」と同じ満点とはならなかった。画像認識においては陽光が大きな外乱要素となるため、実は日中の方が難しいという。またSUVの方がカメラの位置が高いことから、画像認識において若干有利に働く場合もあるとされる。このように、同一バージョンのシステムであっても、車種が異なると必ずしも同じ点数を獲得できるとは限らず、「ES」はわずかに満点に届かなかった。

第5位:アコード(ホンダ)【追加】

合計:132.0点(93.6点)ASV+++

対車両:32点 対歩行者:75.4点(昼間:24.6点/夜間・街灯あり:40点/夜間・街灯なし:10.8点)
車線逸脱:16点 後方視界:6点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い:1.2点

試験に用いられたグレード(車両型式):EX(CV3型)
センサー方式:ミリ波レーダー・単眼カメラ
安全運転支援システム名:Honda SENSING

画像8。2月21日に発売したばかりのホンダの10代目「アコード」。JNCAP予防安全性能評価試験で132.0点を獲得した。

画像8。2月21日に発売ホンダの10代目「アコード」。予防安全で132.0点を獲得した。

 1976年に初代が発売され、世界120か国以上で累計2000万台が販売されたホンダを代表するセダンである「アコード」。2月21日に発売された10代目「アコード」は、3月16日に予防安全性能評価試験を受けたことが追加発表された。

 10代目は、ホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING」を全車標準装備とする。同システムは、衝突被害軽減ブレーキなど、基本8種類の機能を備えるが、10代目ではさらに「後方誤発進抑制機能」(後方用ペダル踏み間違い時加速抑制)と、「オートハイビーム」(ハイ/ロー・自動切り替え型前照灯)も搭載。予防安全性能がより高められており、132.0点という高得点の獲得につながった。

第7位:フォレスター(スバル)【前期】

合計:131.4点(93.2点)ASV+++

対車両:32点 対歩行者:70.4点(昼間:23.5点/夜間・街灯あり:37.8点/夜間・街灯なし:9.1点)
車線逸脱:16点 後方視界:6点 高機能前照灯:5点 踏み間違い:2点

試験に用いられた車種(車両型式):Premium(SK9)
センサー方式:ステレオカメラ
安全運転支援システム名:EyeSight

画像9。2018年7月に発売となり、2019年6月にマイナーチェンジが施されたスバルの5代目「フォレスター」。

画像9。2018年7月に発売となり、2019年6月にマイナーチェンジが施されたスバルの5代目「フォレスター」。

 2018年7月から発売を開始したスバルのグローバル戦略車である、5代目「フォレスター」。安全運転支援システムは、シリーズ最新版の「EyeSight・ツーリングアシスト」を装備(同システム搭載車としては通算2車種目)。「EyeSight・ツーリングアシスト」では、追従走行やレーンキープ機能など、ドライバーの疲労やストレスを軽減するための機能も盛り込まれた。疲労やストレスが交通事故につながることも多く、それらを軽減することが交通事故を減らすことにつながるという考えによるものである。

 またスバル車初となる乗員認識技術「ドライバーモニタリングシステム」も装備。走行中、ドライバーの目が一定時間閉じていたり、顔の向きが前方から大きく外れていたりするのをシステムが認識すると、警告音や警告表示で注意喚起を行うというシステムだ。

→ 次ページ:
最後は7~9位

第7位:N-BOX(ホンダ)【追加】

合計129.2点(91.6点)ASV+++

対車両:32点 対歩行者:72.6点(昼間:22.6点/夜間・街灯あり:39.5点/夜間・街灯なし:10.5点)
車線逸脱:16点 後方視界:6点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い:1.2点

試験に用いられた車種(車両型式):G Honda SENSING(JF3)
センサー方式:ミリ波レーダー・単眼カメラ
安全運転支援システム名:Honda SENSING

画像10。ホンダの2代目「N-BOX」。2017年9月に発売され、2019年10月にマイナーチェンジが実施された。

画像10。ホンダの2代目「N-BOX」。2017年9月に発売され、2019年10月にマイナーチェンジが実施された。

 2017年9月に発売されたホンダの2代目「N-BOX」は、新車販売台数で毎年1位を獲得し続けている人気車種だ。その要因のひとつが、ホンダの軽自動車として初めてHonda SENSINGを搭載したこと。同システムの8種類の基本機能に加え、2代目「N-BOX」は同社初となる「後方誤発進抑制機能」も加えられた。こうした安全面の強化により、2代目「N-BOX」は2017年度の予防安全で79点満点中の76.6点を獲得し、20車種中の5位となったのである。

 そして2019年10月に実施されたマイナーチェンジでは、衝突被害軽減ブレーキとリアワイドカメラの性能が高められた。衝突被害軽減ブレーキは、横断自転車に対応。さらに、街灯のない夜間の歩行者検知の性能向上も図られた。一方のリアワイドカメラは、画素数が従来の30万から100万へと大幅増強。より明確に後方の視認が可能となったのである。そして再度性能評価試験を受け、2020年1月14日に129.2点を獲得したことが追加で公表された。

第8位:ロッキー(ダイハツ)【追加】

合計:73.6点(52.2点)ASV++

対車両:31.7点 対歩行者:12.9点(昼間:12.9点/夜間・街灯あり:装備なし/夜間・街灯なし:装備なし)
車線逸脱:16点 後方視界:6点 高機能前照灯:5点 踏み間違い:2点

試験に用いられた車種(車両型式):G(A200S)
センサー方式:ステレオカメラ
予防安全システム名:スマートアシスト
※ OEM供給車のトヨタ「ライズ」も同一性能

画像11。ダイハツのコンパクトSUV「ロッキー」。日本国内では22年ぶりにその名が復活し、2代目となる。

画像11。ダイハツのコンパクトSUV「ロッキー」。日本国内では22年ぶりにその名が復活し、2代目となる。

 2019年11月に発売されたダイハツのコンパクトSUV「ロッキー」。その名は、かつて1990年代に発売されていた小型クロスカントリー4WDと同じもので、22年ぶりの復活となった。そして第9位にランクインした「タント」に続く、ダイハツの新たなクルマづくりコンセプト「DNGA(Daihatsu New Global Architecture)」により開発された2車種目である。

 予防安全システム「スマートアシスト」と運転支援システム「スマートアシストプラス」は、メーカーオプション機能も含めると17種類もの機能を備える。2代目「ロッキー」で追加された機能として、「ブラインドスポットモニター」と「リヤクロストラフィックアラート」の2種類がある。ブラインドスポットモニターは、斜め後方の死角となる部分に他車が接近したらドアミラーに警告灯が点いたり、ブザー音で知らせたりする機能。リヤクロストラフィックアラートもドアミラーの警告灯とブザー音で知らせてくれる機能で、駐車場からバックで出る際などにドライバーをサポート。バックの際、左右後方から接近してくるクルマは、ドライバーからは確認しづらい。リヤクロストラフィックアラートは、そんなクルマの存在を知らせてくれるのである。

第9位:タント/タント カスタム(ダイハツ)【前期】

合計:72.0点(51.1点)ASV++

車両:31.6点 対歩行者:11.4点(昼間:11.4点/夜間・街灯あり:装備なし/夜間・街灯なし:装備なし)
車線逸脱:16点 後方視界:6点 高機能前照灯:5点 踏み間違い:2点

試験に用いられた車種(車両型式):タント カスタム X(LA650S)
センサー方式:ステレオカメラ
予防安全システム名:スマートアシスト
※ OEM供給車のスバル「シフォン/シフォンカスタム」も同一性能

画像12。ダイハツ「タント」。OEM供給車にスバル「シフォン」がある。

画像12。ダイハツ「タント」。そのドレスアップモデルが「タント カスタム」。

 2019年7月に登場したダイハツの4代目「タント」は、「DNGA」コンセプトにより開発された第1弾である。メーカーオプションも含めると、予防安全機能「スマートアシスト」と、運転支援機能「スマートアシストプラス」は合計で15種類の機能を搭載している。

 スマートアシストのうち、軽自動車初採用の機能が、自動防眩型前照灯「ADB(アダプティブ・ドライビング・ビーム)」だ。一方のスマートアシストプラスでは、駐車支援システム「スマートパノラマパーキングアシスト」が軽自動車初となる。同システムは、駐車枠の左右の白線を検知して音声と画面ガイドを加えつつ、ステアリング操作をアシストし、並列・縦列駐車をしてくれるというもの。これによりドライバーは、シフトレバーおよびアクセルとブレーキの操作と、周囲の安全確認に専念できるのである。


 今回は2019年度の前期発表後に追加された4車種を加えた、全9車種による予防安全の最新ランキングを掲載した。なお衝突安全に関しては、現時点で追加は1車種のみ。ホンダの10代目「アコード」が発表され、100点満点中の88.5点を獲得し、全5車種中の第1位となった。

 例年のスケジュールからすると、JNCAP2019後期の発表は2020年5月末頃。そのときには予防安全も衝突安全もさらに数車種ずつ追加されて発表されるものと思われる。2019年度の最終ランキングは、その時点で改めて掲載する予定だ。

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(4月30日まで)
応募はこちら!(4月30日まで)