2020年12月23日 11:30 掲載

次世代技術 パナソニック、住宅街で日本初の自動走行ロボ走行を開始

小型で低速のロボットによる住宅街向け配送サービスの実証実験を、Fujisawaサスティナブル・スマートタウンにて実施することをパナソニック株式会社(以下、パナソニック)が発表した。同社は既に11月末から公道での走行検証を進めており、2021年2月からは試験的に配送サービスの提供を行う予定。なお、住宅街における自動走行ロボットの走行は日本初のこと。

くるくら編集部 会田 香菜子

人と協調した自動走行ロボットの新サービス

パナソニックは、11月からFujisawaサスティナブル・スマートタウン(藤沢市)にて、住宅街向け配送サービスの実証実験を開始した。

出典:パナソニック株式会社

 コロナ禍により、フードデリバリーをはじめとした宅配サービスへの需要が高まっている一方で、現場では宅配員不足の深刻化や、非対面、非接触などへの対策が急務となっている。そんな社会課題の解決に向けて、パナソニックは127日、神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウンにて遠隔監視・操作型の小型低速ロボットによる住宅街向け配送サービスの実証実験を実施することを発表した。このタイプの自動走行ロボットが住宅街を走行するのは、今回が日本初の事例だという。同社は、公道での走行検証を実施した後、20212月から新たな配送サービスの検証を行う予定だ。

小型低速ロボット全体図

出典:パナソニック株式会社

 本実証実験で使用される小型低速ロボットは、電動車椅子をベースに改良されたもの。機体サイズは、1150mm(長さ)×650mm(幅)×1150mm(高さ)で、重量は120kgだ。正面に3DLiDAR、側面と背面には2DLiDARが設置されており、周囲環境の把握や障害物回避を行うことができる。実証実験での走行速度は時速4kmで、約3時間の運行が可能だ。

「小型低速ロボット」のスマートフォンアプリ画面イメージ図

スマートフォンアプリ動作イメージ図 出典:パナソニック株式会社

 荷物を積むスペースは、機体側面にロック機能付きのセキュリティボックスが2つ備えられており、積載重量は30kgまで。接触を極力避けるための仕組みとしてスマートフォンアプリでの解錠が可能となっている。

 パナソニックが小型低速ロボットの開発を開始したのは約10年前のこと。この間、同社は安全で効率的なサービス運用ソリューションを磨き続けてきた。その結果、機械類の安全性に関する国際規格であるIEC 62061の適合証明書も取得している。

2021年2月から試験的に配送サービス開始

遠隔管理センター内、操作の様子

遠隔管理センター内、遠隔操作の様子 出典:パナソニック株式会社

 本実証実験は、前述の通り2段階に分けて実施される予定。まず、年内の公道走行実証は「フェーズ1」として、小型低速ロボットの自動走行による公道走行時の技術検証および課題抽出を目的とする。湘南T-SITE内に設置された遠隔管制センターでは、インターネット経由でロボット周囲の状況を常時監視する。自動走行時には障害物を回避しながら自律走行するが、自動回避が困難な状況には管制センターからの遠隔操作に切り換えることが可能だという。

店頭での荷物受け取りイメージ図

店頭での荷物受け取りイメージ図 出典:パナソニック株式会社

 そして、来年2月からの配送サービス実証実験は「フェーズ2」として、ロボットを利用した新な配送サービス体験に対する受容性を検証する。スマートフォンのアプリを用いた非対面での荷物などの受け渡し、またロボットと遠隔管制センター間での対話機能によるコミュニケーションの実証実験を行う。それぞれの実証実験概要は以下の通り。

【住宅街向け配送サービス実証実験概要】
「フェーズ1」:自動走行ロボット公道走行実証
時期:20201125日~1224
目的:公道走行時の技術検証および課題抽出
場所:Fujisawaサスティナブル・スマートタウン内の湘南T-SITEからアクティブパーク南側の住宅街周辺

「フェーズ2」:自動走行ロボットを用いた配送サービス実証
時期:20212月~3月(予定)
目的:ロボットを利用した新たな配送サービス体験に対する受容性を検証
場所:フェーズ1の実証実験結果を踏まえて後日決定

 パナソニックに話を聞くと、住宅街における住民のロボットに対する受容性は期待していた以上に高いという。その上で、これまで開発してきた自律走行ロボットや同社構内でのライドシェアサービスで培ってきた技術やノウハウを生かし、住民と対話しながら新たな配送サービスの実現に向けた取り組みを加速していくとしている。

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