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クルマ最終更新日:2018.09.03 公開日:2018.09.03

2台のPC用小型スピーカーで手軽に立体音響を実現できるソフト

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 今やスピーカー配置は5.1chどころか、11.1chまである時代だ。自分の部屋に何台も配置して、好きな音楽に身体ごと包まれてみたいところだが、なかなかそれも難しい。それは将来の夢として、PCのモニターの両脇にある小型スピーカーで妥協している人も多いのではないだろうか?

 ところが、そんな小型スピーカーであっても音楽を立体的に聴かせてくれるという、魔法のようなWindows用ソフトが登場した。GING(ジン)が8月30日に発売した、「響く!オトノセカイ」である。インストールしたら、あとは左右のスピーカーの距離や、スピーカーから耳までの距離などを設定するだけ。その仕組みはどうなっているのだろうか?

「クロストークキャンセル」技術がポイント

 少し科学的な話だが、音とはそもそも何かというと、空気などを伝わっていく波である。空気もしくは身体を伝わってきた波が鼓膜を震わせることで、人は音を聞いているのだ。

 そして音にはそれぞれ特有の形、「波形」がある。そして、ある音に対してその波形とはまったく逆の形をした波形の音をぶつけると、理論上はその音同士が打ち消しあうので、聞こえなくしてしまうことが可能だ。このように、消したい音とは逆の波形をした音を発生させて打ち消してしまう技術を「クロストークキャンセル」という。「響く!オトノセカイ」はこの技術を応用することで、音を立体的に聞かせているのだ。

 なぜ音を消すことが、立体的に聞こえることにつながるのか。それは、そもそもPC用などの小型スピーカーの場合、なぜ音が平面的になってしまうのか、その理由を知る必要がある。左右をあまり離せない小型スピーカーの場合、左のスピーカーから出た音も右のスピーカーから出た音も、左右の耳に入ってしまうことが理由だ。

 つまりクロストークキャンセル技術を応用することで、左耳には聞かせたくない右スピーカーからの音を消し、同じく右耳には聞かせたくない左スピーカーからの音を消すのである。その結果として、左耳には左スピーカーからの、右耳には右スピーカーからの音のみを聞かせることができ、立体的な音響となるのだ。もう少し詳しく知りたい人は、若干専門的だが下の解説イラストをご覧いただきたい。

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「響く!オトノセカイ」は、クロストークキャンセル技術を応用し、音を立体的に聞こえるようにしている。ちなみにクロストーク技術は特に特許として企業などが押さえているものではなく、フリーなので、誰でも利用可能なのだそうだ。ただし、現在は一般用として国内では「響く!オトノセカイ」しか応用製品はないそうである。

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どんな音楽だろうと立体的に聞こえる!?

どんな音楽どころかアニメやドラマ、映画でもOK!

 GINS担当者に話を伺ったところ、「響く!オトノセカイ」は特定の音楽のみに対応しているということではなく、あらゆる音楽に対応しているという。ソフトウェア的に「響く!オトノセカイ」はOS上でサウンド出力の直前のところで動作しているので、普通にいつものプレイヤーソフトでCDや音楽ファイルを再生するだけで立体的に聞こえるのだそうだ。

 しかも音楽だけでなく、アニメやドラマ、映画などをDVDやブルーレイ、動画配信サービスなどで再生してもそれらの音声、BGM、効果音などが立体的になるという。ホームビデオカメラで撮影したプライベートな動画ですら問題ないそうだ。

 さらに設定画面で、「音源移動効果」をONにしておくと、例えばモータースポーツ中継で、目の前を右から左へとレーシングカーが駆け抜けるような場面でも、右から左へエンジン音なども移動するそうである。

 公式サイトには3日間だけ利用できる無料体験版が用意されているので、ダウンロードして確かめてみてからの購入が可能だ。

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設定画面。左右のスピーカーの間の距離、スピーカーと耳の距離をcm単位で設定し、テスト音源で立体的に聞こえるかを確認するだけ。またイコライザーも用意されていて周波数帯ごとに細かく設定可能。残響音のON/OFFおよびONにした時の残響の種類や、音源移動効果のON/OFFなども用意されている。

【スペック】
対応OS:64ビット版Windows10/8.1/7 ※32ビット版には非対応
CPU:上記OSが動作するCPUおよびクロック数
HDD:10MBの空き容量
メモリ:上記OSが正常動作するメモリ容量
そのほか:インターネット接続環境必須(ユーザー登録時)
価格:5680円(税込)

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