クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

道路・交通最終更新日:2023.06.19 公開日:2017.08.03

飲んだら座るなっ!? 恐怖の首都圏長距離列車ランキング2017JR東編2/2

記事の画像ギャラリーを見る

np170728-01-01.jpg

本格的なビアガーデンシーズンを迎え、ついつい飲み過ぎてしまうことが多い季節に。遅い時間帯の電車に乗って座ったが最後、思いっきり眠ってしまって、目が覚めたらどこを走っているのかさっぱりわからないという衝撃! そんな経験を、長年サラリーマンをやっていれば誰もが1度や2度は経験があるのではないだろうか?

当編集部では、JRも私鉄も首都圏の普通列車が近年、長距離化していることから、寝過ごすとどこまで行ってしまうのかを調査をしてみた。すると、衝撃の事実が発覚!! まずはJR編として、2017年の寝過ごし距離ベスト10を発表中。前半戦(こちら)に続いて後半戦は、いよいよ第5位から第1位までを紹介する。なお、どういうルールで路線を調査しているかは、前半戦の1ページ目をご覧いただきたい。


第6位:湘南新宿ライン快速(南行き)・赤羽21:41発・(東海道線)小田原行き(詳細はこちら)
第7位:横須賀線・西大井21:18発・(内房線)君津行き(詳細はこちら)
第8位:中央本線特別快速・東京23:31発・大月行き(詳細はこちら)
第9位:総武線快速・新小岩21:42発・(横須賀線)久里浜行き(詳細はこちら)
第10位:京葉線快速・東京22:22発・(内房線)君津行き(詳細はこちら)
次点:武蔵野(京葉)線・東京22:57発・東所沢行き(詳細はこちら)

→ 次ページ:
後半戦、いよいよベスト5! 遂に総乗車時間も2時間台に!!

第5位:上野東京ライン(東海道線)・品川21:30発

ルート:品川→赤羽(5駅)/21:55着
乗車時間:25分/距離:20.2km/310円
…終着駅:高崎線・高崎(オーバー21駅)/23:34着
総乗車時間:2時間4分/総距離:112.0km/1940円

タクシー
一般道:97.9km/乗車時間:3時間45分
料金:4万円弱~5万円弱
高速道路利用:113.9km/約1時間45分
ETC料金(深夜割り引き):2670円

翌朝始発
新前橋始発熱海行き・高崎5:09発→赤羽6:42着

np170728-01-02.png

品川~赤羽は東京縦断に近いが、それと比較すると、高崎までがどれだけ遠いかがわかる。やや斜めではあるが、埼玉も縦断するのだから、それも当然だろう。

傾向と対策

 2015年3月に東京が始点の東海道本線と、上野が始点の宇都宮線(東北本線)、高崎線、常磐線の3路線が上野東京ラインとしてつながったことで、湘南新宿ラインと並ぶ長距離列車が誕生。品川~赤羽間は上野東京ラインでも乗り換えなしで行けるようになり、タイミングがよければ京浜東北線よりも10分ほどの短縮ができるようになったのである。

品川~赤羽の直通運転はほんの一例でしかないが、ともかく上野東京ラインの誕生で利便性が大きく上がったことは間違いない。だが、それと同時に酔いどれサラリーマンにとっては新たな恐怖の長距離列車の誕生でもあった。品川21時30分発は厳重な注意が必要な列車の1本で、終点まで行ったら最後、群馬県最大の都市・高崎が歓迎してくれる…!!

なお、21時50分発の埼玉県熊谷市の籠原駅行きも総路線距離は78.3kmあり、高崎線方面の長距離列車。21時59分、22時21分、同39分も籠原行きで、すべて赤羽まで戻るのは不可能なので注意しよう。

翌朝帰る場合、高崎であることのメリットとして、上越・北陸新幹線の利用が可能だ。6時17分発の高崎始発東京行き「たにがわ470号」に乗れば大宮に6時50分着、同58分の上野東京ライン国府津行きに乗れば赤羽に7時14分に到着だ。料金は3500円。朝4時台に起きたくないという方は、新幹線を利用するのもありだろう。

→ 次ページ:
続いて4位! 同じく北関東へ向かう列車! 

第4位:湘南新宿ライン快速・大崎21:46発

ルート:大崎→赤羽(5駅)/21:10着
乗車時間:28分/距離:24.7km/310円
…終着駅:高崎線・高崎(オーバー20駅)/23:52
総乗車時間:2時間6分/総距離:116.5km/1940円

タクシー
一般道:97.9km/3時間45分/料金:4万円弱~5万円弱
高速道路利用:113.9km/約1時間45分
ETC料金(深夜割り引き):2670円

翌朝始発
新前橋始発熱海行き・高崎5:09発→赤羽6:42着

np170728-01-03.png

第5位の上野東京ラインと対をなすようなルートの湘南新宿ラインの高崎行き。さらに北側に位置する群馬県の県庁所在地・前橋まで行く列車も存在するが、これは高崎までは戻ってこられる。

傾向と対策

 ちょうど第5位の上野東京ラインとは山手線の東側と西側を通る形で対ともいえるような、赤羽から先は同じルートとなる。こちらの方が数kmほど総乗車距離が長く、第4位となった。湘南新宿ラインの高崎行きはこの後も22時16分、そして終電の23時20分と2本あるので、注意が必要だ。

そして上野東京ラインと同じで、湘南新宿ラインでも籠原行きは注意しておきたい(総乗車距離82.8km)。21時30分の籠原行きはその晩の内に帰還不可能。

それから湘南新宿ラインの場合、高崎から両毛線に乗り入れて4駅先の前橋(群馬県の県庁所在地)まで行く列車も存在する。前橋行きの最終である20時42分で、これも注意が必要な1本だ。ただし前橋には23時6分に着くので、前橋から高崎へ向かう23時17分の終電には間に合い、高崎までなら戻ってくることができる。ちなみに前橋までの総乗車距離は126.3kmだ。

また朝帰りに関しては、第5位を参照していただきたい。

→ 次ページ:
いよいよベスト3! 続いても湘南新宿ラインの北行き!

第3位:湘南新宿ライン・大崎21:11発

ルート:大崎→赤羽(5駅)/21:40着
乗車時間:29分/距離:24.7km/310円
…終着駅:宇都宮線・宇都宮(オーバー19駅)/23:20着
総乗車時間:2時間9分/総距離:126.6km/1940円

タクシー
一般道:98.3km/乗車時間:3時間30分
料金:4万円強
高速道路利用:119.3km/約2時間
ETC料金(深夜割り引き):2590円

翌朝始発
宇都宮始発熱海行き・4:37発→赤羽6:08着

np170728-01-04.png

湘南新宿ラインは、どこへ向かうにしても長距離ランナー。赤羽で降りるはずが寝過ごして高崎に行くのも願い下げだが、宇都宮に行くのもカンベンしてほしいところ。要は、酔ってるときに乗って座るのは危険な列車、ということである。

傾向と対策

 続いても湘南新宿ラインの北行きだ。大宮から先で高崎線と宇都宮線(東北本線)は分かれ、高崎線は群馬・新潟方面へ、宇都宮線は栃木を抜けて東北方面へそれぞれ向かう。宇都宮はご存じの通り、栃木県の県庁所在地だ。もう、ここまで寝過ごしたらショックを通り越し、凹むよりも新鮮な気分でワクワクするような気もするのだが、どうだろうか? ぜひ深夜営業のお店を探して、餃子を食べていきたいところである。

湘南新宿ライン北行きの宇都宮線方面でそのほかに注意すべき列車は、総乗車距離105.2kmの小金井行き(宇都宮の4つ手前の駅)がある。22時4分、同47分が小金井行きで、どちらもその晩の内の帰還は不可能だ。

湘南新宿ライン北行きは、高崎線方面は前橋、高崎、籠原、宇都宮線方面は宇都宮、小金井と長距離スラッガーがとにかく居並ぶ。戻ってこられる時間帯だったとしても、帰宅する時間が大幅に遅くなるわけで、口を酸っぱくしていうが、飲んでるときに座るのはくれぐれも注意したい。

そして朝帰りする場合は、6時25分の東北新幹線上り「なすの254号」を利用するのもあり。その場合は大宮に6時54分に到着するので、同58分の上野東京ライン国府津行きに急いで乗れば赤羽に7時14分に到着。7時3発の上野行きでも同19分には到着だ。料金は3500円となる。

→ 次ページ:
第2位は終点がJR東日本エリア内ですらない超長距離路線!

第2位:上野東京ライン(東北本線)・赤羽22:04発

ルート:赤羽→品川(5駅)/:22:04着
乗車時間:26分/距離20.2km/310円
…終着駅:東海道線(JR東海)・沼津・(オーバー21駅)・24:37着
総乗車時間:2時間33分/総距離:139.6km/2270円

タクシー
一般道:118.7km/4時間45分/料金:4万円強~5万円強
高速道路利用:123.0km/約2時間
ETC料金(深夜割り引き):2520円

翌朝始発
沼津始発熱海行き・4時55分発→熱海5:14着
熱海始発・東京上野ライン高崎行き5:18発→赤羽7:33着

np170728-01-05.png

関東地区からもJR東日本エリアからも抜けだし(熱海駅まで)、JR東海エリアの静岡県・沼津駅が終点。沼津漁港で早朝に水揚げされる新鮮な魚介類を平日から食べられるチャンスをゲットできるなんて、何とも贅沢だ。

傾向と対策

 JR東日本内に位置する東海道線の駅としては最も西の熱海すら越え、JR東海エリアにまで突入する長距離列車。赤羽から沼津までとは何を意味するのかというと、東京を縦断し、神奈川も横断するということ。もうここまで来たら、おいしい取れたてのシーフードでも食べるしかない! と思いきや、到着した時点で日も替わっており、深夜営業のお店を探すのは大変かも知れないので、早朝、漁港に出向いて水揚げしたばかりの魚介類にありつくのもいいのではないだろうか。

なお、21時7分赤羽発の沼津行きは同駅に23時36分に到着し、上りの終電が1分後に出るが、それに飛び乗っても実は隣駅の三島止まり。距離的にほとんど差がないが、翌朝、新幹線を利用するのなら三島ならすぐ乗れるので、寝る前に移動しておくのは手かもしれない。

また東京上野ライン南行きで怖いのが、赤羽駅の場合は22時台の前半だ。22時4分の沼津行き以降も、同32分までは小田原(97.3km)、国府津(91.1km)、熱海(118.0km)行きと、破壊力抜群の長距離列車が4連発。座ったら爆睡しそうな不安があったら、京浜東北線で行くのが無難だろう。

なお朝帰りする場合は、新幹線を使うことで遅めに出られる。沼津を6時9分に発車して三島に行き、6時26分発の東海道新幹線「こだま800号」に乗り換えれば、品川に7時12分に到着する。そして同19分の東京上野ライン小金井行きに乗れば、同48分には赤羽に到着である。

→ 次ページ:
第1位は第2位がかすむほど驚愕の長距離!!

第1位:上野東京ライン(東海道線)・品川20:40発

ルート:品川→浦和(6駅)/21:12着
乗車時間:32分/距離31.2km/550円
※乗車時間は25~30分が基本だが、手前の赤羽だと24分のため、浦和とした。
…終着駅:東北本線・黒磯(オーバー30駅)・23:39着
総乗車時間:2時間59分/総距離:170.3km/3020円

タクシー
一般道:145.9km/5時間30分/料金:6万円強
高速道路利用:160.9km/約2時間30分
ETC料金(深夜割り引き):3470円

翌朝始発
黒磯始発上野行き・5:27発→浦和7:57着

np170728-01-06.png

どんどん地図の縮尺が大きくなっており、これまでで最も広い範囲で紹介。今の時代、新幹線でもないのにこれだけの長距離を普通列車が走っていることに驚かされる。

傾向と対策

 かくして、2017年の酔いどれサラリーマンに悲鳴を上げさせる長距離普通列車ランキングJR編の第1位は、上野東京ラインの品川20時40分発黒磯行きが獲得!

この黒磯行きの強烈さは、品川からの総乗車距離が170kmを超えており(2位に30km以上もの差)、乗車時間もほぼ3時間で、ぶっちぎりの1位となっているところだろう。しかも、深夜割増のタクシー代は6万円強! タクシーに6万円払うぐらいなら、かなりゴージャスな宿泊ができるのではないだろうか。

なお朝帰りする場合は、隣駅の那須塩原か宇都宮で東北新幹線に乗り、大宮で再び在来線に乗り換えると時間短縮できる。料金は那須塩原からが4860円、宇都宮からが4110円となるが、7時8分には浦和に着く。

しかしこの黒磯行き、実はそれほど心配する必要はなさそうだ。というのも、同列車は上野東京ラインの宇都宮線方面の中でもスペシャルな列車であり、平日は1日に3本しか出ておらず、夜間はまだ泥酔するような時間帯でもない19時22分と20時40分に品川を出るからである。

ただし、どちらも黒磯駅まで行ってしまうと浦和まで戻って来ることはできないのも事実(到着時刻は22時23分と23時39分着)。油断は禁物だ。

どちらかというと気をつけるべきは、この黒磯行き単体ではなく、品川駅の場合はもう少し後の21時20分から22時39分までの時間帯。この辺りが、上野東京ライン北行きのデンジャラスタイムだ。

この時間帯には9本の列車が出発するが、宇都宮線方面は小金井(95.1km)行きが2本、宇都宮(116.5km)行きが2本。そして第5位の高崎線方面が籠原(78.3km)行きが4本、高崎(112.0km)行きが1本。どれもこれも、終点に着いたときは涙目になりそうな長距離ランナーがそろえられている。

この内、21時20分の小金井行きのみ、小金井駅で上り最終の大宮行きに飛び乗ることができなくもないが(それでも浦和までは戻れない)、乗り換え時間はたったの1分。それ以降の8本はすべてその晩の内は帰還不可能だ。

→ 次ページ:
最後は総括!

首都圏には危険な長距離列車があふれている!

遠方に住む利用者のためにできるだけ夜遅くまで列車を運行するというサービス精神のもと、JRは長距離列車を増やしてきた。その結果、より多くの人たちが首都圏に通いやすくなったのは間違いなく、感謝している人たちは大勢いることだろう。

が、JRにはまったく責任はないのだが、結果として泥酔者をどこまでも遠くへと運んでしまうという危険性も高まってしまった。読者の方には、現在、首都圏にこれだけの長距離列車が走っていることを認識していただいて、飲酒したときには誘惑に駆られても眠らないよう注意していただきたい。風邪を引いていたり疲労が溜まっていたりと体調が悪ければ、ちょっとした飲酒でも爆睡してしまう恐れもあるわけで油断しないようにしよう。

なおこの後は、近年23区内の東京メトロや都営地下鉄を経由して2社から3社が相互乗り入れすることで、JRに対抗できるような長距離を走るようになってきた首都圏の私鉄・地下鉄の長距離列車ランキングを紹介する。また、今回のJR編は都心から郊外へというルールだったが、始点駅から終点駅までの距離で最長列車のランキングなども調査中。楽しみにしていただきたい。

2017年長距離普通列車ランキングJR編

第1位:170.3km/2時間59分
上野東京ライン・品川20:40発・黒磯行き
(詳細はこちら)
第2位:139.6km/2時間33分
上野東京ライン・赤羽22:04発・沼津行き
(詳細はこちら)
第3位:126.6km/2時間9分
湘南新宿ライン・大崎21:11発・宇都宮行き
(詳細はこちら)
第4位:116.5km/2時間6分
湘南新宿ライン・大崎21:46分発・高崎行き
(詳細はこちら)
第5位:112.0km/2時間4分
上野東京ライン・品川21:30発高崎行き
(詳細はこちら)

第6位:106.7km/1時間46分
湘南新宿ライン快速・赤羽21:41発・小田原行き
(詳細はこちら)
第7位:88.1km/1時間47分
横須賀線・西大井21:18発・君津行き
(詳細はこちら)
第8位:87.8km/1時間39分
中央線特別快速・東京23:31発・大月行き
(詳細はこちら)
第9位:83.3km/1時間40分
総武線快速・新小岩21:42発・久里浜行き
(詳細はこちら)
第10位:81.3km/1時間27分
京葉線快速・東京22:22発・君津行き
(詳細はこちら)
次点:80.2km/1時間32分
武蔵野線・東京22:57発・東所沢行き
(詳細はこちら)

2017年8月3日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(4月30日まで)
応募はこちら!(4月30日まで)