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クルマ最終更新日:2017.06.02 公開日:2017.06.02

【JNCAP2016】予防安全性能ランキング。前期から11車種を追加して22車種発表

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予防安全性能の、歩行者を対象とした被害軽減ブレーキのテストの様子。歩行者ダミーを検知してぶつからずに停止できるか、もしぶつかったとしても被害軽減のためにどこまで減速できるかがポイントとなる。画像は、駐車中のクルマの影から、歩行者が出てきたというもので、手前の日産「セレナ」が試験を受けている。

★★最新の2017年度(2017年4月~2018年3月)の評価結果が2018年5月31日に発表されました。予防安全の評価試験を受けた全20車種については「【JNCAP2017】予防安全・前期後期合わせて20車種による得点ランキング! 後期も満点が出た!」でアップしました(新しいタブが開きます)。ぜひ併せてご覧下さい!★★

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 国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が毎年発表している「自動車アセスメント」、通称「JNCAP」。

 JNCAPとは、自動車メーカーに対して安全性能の高いクルマの開発を促すと共に、ユーザーがより安全なクルマを選びやすくすることを目的として行われている事業で、販売台数の多い新車の安全性能テストを行い、点数化して結果を公表している。また、同様な安全性能評価テストを行っている欧州のユーロNCAPを初め、米国やオーストラリアなど、世界各国・地域のNCAP等の団体と情報交換も行っている。

 平成28年度(2016年)に関しては、まず「前期」として11車種についての予防安全性能と、5車種についての衝突安全性能の評価が2016年12月1日に公表された(その際のリポート記事はこちら)。

 そして5月29日に「後期」として、予防安全性能では11車種(計22車種)が、衝突安全性能では5車種(計11車種)が追加され、平成28年度の評価結果が出そろった。そのほか、チャイルドシートの性能評価も発表されている。

 まずは予防安全性能から紹介する。別記事で、衝突安全性能、そしてチャイルドシートのランキングもお届けする予定だ。

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予防安全性能はどう評価される?

予防安全評価は4項目で評価

 予防安全評価は平成26年度(2014年)から試験が行われており、平成28年度は「被害軽減(自動)ブレーキ」の「対車両」(32点満点)および「対歩行者」(25点満点)、「車線はみ出し警報」(8点満点)、「後方視界情報(バックビューモニター)」(6点満点)の4項目で行われた。被害軽減ブレーキの対歩行者が平成28年度から新たに加えられた項目で、これにより平成27年度の46点満点から71点満点となった。

 被害軽減ブレーキは、クルマが車両や歩行者に衝突する危険性があるときに、ブレーキが自動的に働くかどうかが試験される。その結果、衝突せずに停止できるか、もし衝突してしまっても被害を抑えるためにどこまで減速できるか、ということを評価するのである。

平成28年度予防安全評価ランキングベスト3

 まずはベスト3を掲載する。4位から22位までは次ページ以降に掲載だ。

1位:セレナ(日産) 合計71.0(100点満点換算で100.0点)

対歩行者:25.0 対車両:32.0 はみ出し:8.0 後方視界:6.0

試験に使用したグレード:ハイウェイスター 搭載センサー:単眼カメラ
※OEMのランディ(スズキ)も同様

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日産「セレナ」。自動車専用道路の同一レーン専用自動運転技術「プロパイロット 1.0」がオプションで用意されていることが大きな特徴のミニバン。自動運転技術搭載車だけあり、予防安全性能は各種試験で一度も減点がなく、71点満点を唯一獲得した。なお「ランディ」は、日産がOEMでスズキに供給している同一車種。

2位:アクセラ(マツダ) 合計70.5点(99.3点)

歩:24.5 車:32.0 は:8.0 後:6.0

グレード:15XD L Package 搭載センサー:単眼カメラ+ミリ波レーダー
前期1位

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マツダ「アクセラ」。前期で満点まであと0.5点という高得点を出した。モービルアイ製の単眼カメラを使う画像認識技術「フォワード・センシング・カメラ」が使われている上に、ミリ波レーダーも併用している。なお、セレナにもモービルアイ製の単眼カメラが使われているが、こちらはカメラのみ。

3位:フォレスター(スバル) 合計:69.5点(97.9点)

歩:23.5 車:32.0 は:8.0 後:6.0

グレード:2.0i-L EyeSight 搭載センサー:ステレオカメラ
前期2位

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スバル「フォレスター」。スバル勢は、日立と共同開発したステレオカメラを使用する「EyeSight」のバージョン3を搭載(同ステレオカメラの技術は現在は日立に移管され、スズキの「イグニス」などに搭載されるステレオカメラはEyeSightの兄弟機)。同じシステムを搭載していても、車種が異なれば点数に差が出るようで、スバル勢のトップは「フォレスター」となった。

→ 次ページ:
予防安全性能ランキング4~7位を掲載!

平成28年度予防安全性能ランキング4~7位

 続いては4~7位を紹介する。なお同点の場合は、対歩行者の得点が高い方を上としている。またレーザー測距用機器の表記はメーカーによってLIDAR、レーザーレンジファインダなどと異なるが、ここではNASVAの発表資料に合わせてレーザーレーダーで統一した。さらに、試験が長期間に及ぶため、最も販売されているグレードが変わる場合もあり、2種類で試験されている車種もある。

4位:インプレッサ/XV 合計68.9点(97.0点)

対歩行者:22.9 対車両:32.0 はみ出し:8.0 後方視界:6.0

試験に使用したグレード:インプレッサ 2.0i-L EyeSight 搭載センサー:ステレオカメラ
※インプレッサとXVは車名とセグメントが異なるが、ベースが同一なので姉妹車という扱い。

5位:レヴォーグ/WRX 合計68.5点(96.5点)

歩:22.5 車:32.0 は:8.0 後:6.0

グレード:レヴォーグ 1.6 GT-S EyeSight、レヴォーグ 1.6GT EyeSight センサー:ステレオカメラ
※レヴォーグととWRXは車名とセグメントが異なるが、ベースが同一のために姉妹車という扱い。

6位:ソリオ/同 バンディット(スズキ) 合計68.1点(95.9点)

歩:22.3 車:31.8 は:8.0 後:6.0

グレード: 2.0i-L EyeSight センサー:ステレオカメラ
※OEMのデリカD:2/同カスタム(三菱)も同様

7位:プリウス/同 PHV 合計68.1点(95.9点)

歩:22.1 車:32.0 は:8.0 後:6.0

グレード:A”ツーリングセレクション” センサー:単眼カメラ+ミリ波レーダー

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(左上)4位のスバル「インプレッサ」。EyeSight Ver3を搭載。(右上)5位のスバル「レヴォーグ」。こちらもEyeSight Ver3を搭載する。(左下)6位のスズキ「ソリオ」。EyeSightの兄弟機である日立製ステレオカメラを搭載。(右下)7位のトヨタ「プリウス PHV」。プリウス系は単眼カメラとミリ波レーダーを併用。

→ 次ページ:
予防安全性能ランキング8~11位を掲載!

平成28年度予防安全性能ランキング8~11位

 続いては、ランキング8~11位を紹介。

8位:RX 合計68.0点(100点満点中95.8点)

対歩行者:22.0 対車両:32.0 はみ出し:8.0 後方視界:6.0

試験に使用したグレード:450h 搭載センサー:単眼カメラ+ミリ波レーダー

9位:レガシィ(スバル) 合計68.0点(95.8点)

歩:22.0 車:32.0 は:8.0 後:6.0

グレード:アウトバック Limited、アウトバック センサー:ステレオカメラ

10位:GS/GS F(レクサス) 合計67.9点(95.6点)

歩:21.9 車:32.0 は:8.0 後:6.0

グレード:300h センサー:単眼カメラ+ミリ波レーダー

11位:リーフ(日産) 合計67.6点(95.2点)

歩:22.0 車:31.6 は:8.0 後:6.0

グレード:X センサー:単眼カメラ

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(左上)8位のレクサス「RX」。こちらで車内外から撮影した動画を掲載。(右上)9位のスバル「レガシィ アウトバック」。(左下)10位のレクサス「GS 300h」。(右下)日産「リーフ」.このカラーリングは世界累計20万台の販売を記念した特別仕様車「thanks edition」。

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予防安全性能ランキング12~22位!

平成28年度予防安全性能ランキング12~22位

 続いては、残りの12~22位を掲載する。なお、1~19位までは予防安全性能の最高評価である「ASV++(ダブルプラス)」の評価が与えられているが、20~22位は、ひとつ下の「ASV+」となっている。また、ダイハツ「ウェイク」とトヨタ「パッソ」/ダイハツ「ブーン」の対歩行者被害軽減ブレーキは認識して警報は出るがブレーキはかからないため、機能なしの「-」表記としている。

12位:クラウン アスリート/同ロイヤル/同マジェスタ(トヨタ) 合計:67.3点(100点満点中94.8点)

対歩行者:21.3 対車両:32.0 はみ出し:8.0 後方視界:6.0
試験に使用したグレード:アスリート S 搭載センサー:単眼カメラ+ミリ波レーダー

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13位:ハスラー(スズキ)・軽 合計:66.8点(94.1点)

歩:20.8 車:32.0 は:8.0 後:6.0
グレード:Xターボ センサー:ステレオカメラ
 ※OEMのフレアクロスオーバー(マツダ)も同様

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14位:スペーシア/同カスタム/同カスタムZ(スズキ)・軽 合計:66.7点(93.9点)

歩:20.9 車:31.8 は:8.0 後:6.0
グレード:スペーシア X センサー:ステレオカメラ
 ※OEMのフレアワゴン/同ワゴンカスタムスタイル(マツダ)も同様

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15位:イグニス(スズキ) 合計:66.3点(93.4点)

歩:20.3 車:32.0 は:8.0 後:6.0
グレード:HYBRID MX センサー:ステレオカメラ

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16位:スイフト(スズキ) 合計:63.2点(89.0点)

歩:17.2 車:32.0 は:8.0 後:6.0
グレード:HYBRID RS センサー:単眼カメラ+レーザーレーダー

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17位:フリード/フリード+(ホンダ) 合計:58.4点(82.3点)

歩:12.5 車:31.9 は:8.0 後:6.0
グレード:フリード HYBRID G・Honda SENSING センサー:単眼カメラ+ミリ波レーダー

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18位:タント/同カスタム(ダイハツ)・軽 合計:56.2点(79.2点)

歩:11.5 車:30.7 は:8.0 後:6.0
グレード:タント カスタム RS”トップエディションSA III“ センサー:ステレオカメラ
※シフォン/同カスタム(スバル)

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19位:ワゴンR/同 スティングレー(スズキ)・軽 合計:50.9(71.7)
歩:12.9 車:32.0 は:0.0 後:6.0
グレード:ワゴンR HYBRID FX センサー:単眼カメラ+レーザーレーダー
※フレア(マツダ)も同様

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20位:ヴェゼル/ホンダ 合計:38.1点(53.7点)

歩:0.2 車:31.9 は:0.0 後:6.0
グレード:HYBRID Z・Honda SENSING センサー:単眼カメラ+ミリ波レーダー

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21位:ウェイク(ダイハツ)・軽 合計:30.5点(43.0点)

歩:- 車:16.5 は:8.0 後:6.0
グレード:Gターボ”SAII” センサー:単眼カメラ+レーザーレーダー
※ピクシスメガ(トヨタ)も同様

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22位:パッソ(トヨタ)/ブーン(ダイハツ) 合計:29.9点(42.1点)

歩:- 車:15.9 は:8.0 後:6.0
グレード:パッソ X”Lパッケージ・S” センサー:単眼カメラ+レーザーレーダー
※パッソとブーンはトヨタとダイハツの共同開発

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★★最新の2017年度前期の評価結果が2017年10月26日に発表されました。10月31日に追加発表された1車種分も含めて、9車種をランキング形式にしてこちら「JNCAP予防安全2017年前期発表! 最新9車種をランキングで紹介」でアップしました(新しいタブが開きます)。ぜひ併せてご覧下さい!★★

2017年6月2日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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