トヨタ、2017年のWRC参戦態勢を発表! ラリーカー「ヤリスWRC」も披露
「ヤリスWRC」。「ヤリスWRCテストカー」と比較して、かなりシャープなデザインになっている。
トヨタは12月13日、18年ぶりに復帰するFIA世界ラリー選手権(WRC)において、2017シーズンのラリーカーである「ヤリス(日本名:ヴィッツ)WRC」と、ドライバーラインナップを発表した。
TOYOTA GAZOO Racingのドライバーはヤリ-マティ・ラトバラ(フィンランド:31歳)とコ・ドライバーのミッカ・アンティラ(フィンランド:44歳)、ユホ・ハンニネン(フィンランド:35歳)とコ・ドライバーのカイ・リンドストローム(フィンランド:47歳)の2組。
ラトバラは年間王座こそまだ獲得していないが、2002年からWRCに参戦し、これまで169戦出場して16勝挙げている。10年、14年、15年のWRC年間ランキング2位という、最も王座に近い男ともいうべき実力者だ。
一方のハンニネンはWRCの下位カテゴリーである、FIA S-WRC(スーパー2000世界ラリー選手権)の11年王者、FIA ERC(ヨーロピアン・ラリー選手権)の12年王者だ。そして、ヤリスWRCを初期から開発してきたドライバーでもある。
またこのほかにテストドライバーとして、エサペッカ・ラッピ(フィンランド:25歳)がいる(コ・ドライバーはヤンネ・フェルム(フィンランド:36歳))。ラッピは、14年のERC王者で、16年のFIA WRC-2(13年より始まった、S-WRCとFIA PWRC(プロダクションカー・ラリー選手権)を統合した新しい選手権)王者だ。
上段左からドライバーのラトバラ、ハンニネン、ラッピ。下段左からコ・ドライバーのアンティラ、リンドストローム、フェルム。上下でコンビになっている。
ヤリスWRCはテストカーよりもよりシャープに!
サイドビュー。テストカーとはほぼ別物であることがわかる。
リアビュー。
ヤリスWRCテストカー。ほぼ市販車の形状なので、全体的に角の取れた雰囲気である。
「ヤリスWRC」のスペック
「ヤリスWRC」の正面。
「ヤリスWRC」は、2017年FIAワールドラリーカー技術規定に準拠する新世代のワールドラリーカーで、スペックは以下の通りだ。これまで、テストカーを用いて数千時間に及ぶ開発が行われている。
【ヤリスWRCスペック】
全長×全幅×全高:4085mm(空力パーツ込み)×1875mm×調整可能
トレッド幅:調整可能
ホイールベース:2511mm
最低重量:1190kg
最高速度(理論値):時速201km
加速性能:非公開
サスペンション(フロント/リア共に):マクファーソン・ストラット
サスペンションストローク量:非公開
ブレーキシステム(グラベル用):300mm(空冷及び水冷)
ブレーキシステム(ターマック用):370mm(空冷及び水冷)
【エンジン】
形式:直列4気筒直噴ターボエンジン
排気量:1600cc
最高出力:380馬力以上
最大トルク:425Nm以上
ボア×ストローク:83.8mm×72.5mm
エア・リストリクター:36mm(FIA規定による)
ご存じの方も多いかとは思うが、チーム総代表は豊田章男トヨタ代表取締役社長で、チーム代表を往年のWRC王者トミ・マキネンが務める。
左がマキネンで、右が豊田章男社長。
WRC17シーズンは全13戦の予定で、早くも1月から始まる。19日から22日まで、モナコにてラウンド1「ラリー・モンテカルロ」が開催される。トヨタの活躍を期待しよう。
2016年12月15日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)