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クルマ最終更新日:2017.04.03 公開日:2017.04.03

創立100周年を機に社名変更でブランド名と統一! 「株式会社SUBARU」誕生

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今でも人気の高い、「スバル360」。SUBARUの前進、富士重工業が設立されて最初の生産車である。

 古くは「スバル360」、近年では「レガシィ」や「インプレッサ」といったエポックメーキングなクルマや、水平対向エンジン、先進安全技術「EyeSight」などの技術を世に送り出してきた富士重工業。同社は2017年4月1日をもって、歴史ある社名をブランドとの統一ということで「株式会社SUBARU」と改めた。

航空機の研究・開発からスタートしたSUBARU

 同社の歴史は、1917年5月に中島知久平氏が群馬県尾島町に創設した民営の飛行機研究所まで遡ることができ、今年は創立100周年。ご存じの方もいるかと思うが、富士重工業のスタートは航空機製造であり、太平洋戦争当時は三菱重工業と共に数多くの優秀な戦闘機を製造した。

 飛行機研究所は18年に「中島飛行機製作所」に社名を変更し、その後も同社の発展と共に「中島飛行機(株)」(31年)、「富士産業(株)」(45年)と変更していく。

戦後は企業再建整備法の対象となって12社に解体

 そして敗戦後に日本は航空機の開発・生産を禁じられたことから、多くの軍需系の製造業が民需産業に転換。同社もその例に漏れず、48年には「東京富士産業(株)」と社名の変更も行った。

 その2年後の50年7~8月には、財閥に準ずる大企業ということで企業再建整備法の対象に。同社の各地の工場が第二会社として12社に分割されたのである。

 富士工業(株)、富士精密工業(株)、愛知富士産業(株)、富士自動車工業(株)、大宮富士工業(株)、宇都宮車輛(株)、岩手富士産業(株)、富士機械工業(株)、富士機器(株)、田沼木材工業(株)、(株)富田機器製作所、東京富士産業(株)という具合だ。

 この内の富士精密工業は、後に日産に吸収合併されることになる、プリンス自動車工業と合併している。

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富士重工業はどのようにして誕生したのか?

朝鮮戦争が日本の製造業を再び合併させるきっかけに

 だが朝鮮戦争が1950年に勃発すると、日本を生産拠点としたい米国の意向もあり、逆に解体された企業が元に戻されていく方向となる。その結果、12社の内の富士工業(太田、三鷹工場)、富士自動車工業(伊勢崎工場)、大宮富士工業(大宮工場)、東京富士産業(旧本社)、宇都宮車輛(宇都宮工場)が出資し、53年、遂に富士重工業が設立されたのである。

 さらに55年には富士重工業が、同社に出資した5社を吸収。このことが、エンブレム(トップオーナメント)の「六連星(むつらぼし)」、ひいてはブランド名の「スバル」につながっていく。

 スバルとは漢字で「昴」と書き、英名で「プレアデス星団」と呼ばれる散開星団に由来していることは、ご存じの方も多いことだろう。同星団は肉眼で見ると6個前後の明るい星が目立つことから六連星とも呼ばれ、設立時に合併した系列6社を「統べる(ひとつにまとめる)」という意味が込められているのである。

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星空の昴。おうし座にあり、地球からの距離は440光年ほど。有名な銀河や星雲を集めたメシエカタログでは45番目(M45)に収録されている。写真撮影したり、双眼鏡でのぞくと数十個の星が見える。ギリシア神話の「プレアデスの7姉妹」など、各地にさまざまな逸話がある。

六連星のエンブレムはスバル360から採用されていた

 ちなみにこの六連星のエンブレムは、58年から生産を開始したスバル360から採用されており、当初は実際に夜空に見える星の配置をかたどっていた(もしくはそれに似せていた)が、さまざまな変遷を経て、現在は実際の星の配置にはとらわれないデザインとなっている。

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左が58年にスバル360に搭載されたエンブレム。右は現在のもの。

 同社は、今回の社名とブランド名の統一を創業100周年の節目に実施することにより、現在取り組んでいる「スバルブランドを磨く」ことをさらに加速させ、同社をクルマと航空宇宙の両事業における魅力あるグローバルブランドとして成長させていくとしている。

 さらに、関連会社も以下のように社名を変更している。

富士テクノサービス株式会社→SUBARUテクノ株式会社
スバルシステムサービス株式会社→株式会社スバルITクリエーションズ
Fuji Heavy Industries U.S.A., Inc.→North American Subaru Inc.
富士重工業技術(北京)有限公司→斯巴鲁技術(北京)有限公司
Fuji Heavy Industries(Singapore)Pte.Ltd.→Subaru Asia Pte.Ltd.

2017年4月3日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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