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クルマ最終更新日:2018.03.02 公開日:2018.03.02

【グラフでわかる!】2017年カテゴリー別販売台数。

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 一般社団法人日本自動車販売協会連合会は毎月、クルマの販売台数に関して車種別やブランド別などのさまざまな資料を発表している。その資料をもとに、複数の切り口でグラフ化してお届けしているのが「グラフでわかる!」シリーズだ。

 今回は、2017年の普通車販売台数ベスト30の情報をベースに、普通車を大きく4カテゴリーに分け、それぞれの2017年の販売台数を見てみよう。なお、普通車および軽自動車の車種(車名)別の販売台数ベスト30はこちらに掲載した(新しいタブが開きます)。

まずはカテゴリー別販売台数合計

 まずは、普通車販売台数ベスト30の内で、カテゴリー別の販売台数合計から。カッコ内の車種数は、ベスト30にランクインしたそのカテゴリーの車種数だ。なお、ステーションワゴンが1台(ホンダ「シャトル」)あるが、セダンやミニバンに組み込まず、下のグラフには含めなかったので、車種数の合計は29車種となっている。

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低価格で購入しやすい、取り回しや燃費もいい、といった理由からコンパクトカーは人気車種が10車種と多く、それだけ販売台数も多くなる。ミニバンもファミリーユースとして安定して人気が高い。セダンとSUVは同じ5車種ずつだが、セダンはトヨタ「プリウス」の販売台数の多さが貢献したものと思われる。なお今回はグラフには加えていないが、軽自動車も触れておく。その内、上位10車種の合計は119万508台(軽乗用車全体の82.4%)。

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10車種がしのぎを削るコンパクトカー市場!

コンパクトカーは「ノート」vs「アクア」のHV対決!

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コンパクトカーの販売台数ベスト10。カッコ内はメーカー名で、その後ろの数字は普通車の総合ランキングでの順位。「ノート」と「アクア」は、トヨタ「プリウス」に次いで、総合でも2位と3位という、好成績を収めた。ホンダ「フィット」、トヨタ「ヴィッツ」と定番のコンパクトカーも好調だ。

 まずは国内の人気カテゴリーのひとつであるコンパクトカーから見てみよう。10万台を突破したのは、2016年11月のビッグマイナーチェンジで、シリーズ型ハイブリッドシステム「e-POWER」をラインナップに加えた日産「ノート」と、17年6月にビッグマイナーチェンジを行ったトヨタのハイブリッドカー「アクア」の2車種。13万8905台と13万1615台で、まさに激戦といえる状態だ。

 なお「ノート」には通常のガソリン車もあるが、「ノート e-POWER」は発売から約11か月の17年11月の時点で10万台を突破しており、13万8905台の内の大きな割合を「ノート e-POWER」が占めたものと思われる。

 そして、3位4位争いはホンダvsトヨタ。「フィット」と「ヴィッツ」がこれまたがっぷり四つともいってよく、9万7939台と9万248台で、「フィット」に軍配が上がっている。

 なお、5・6位のトヨタの「ルーミー」と「タンク」は、ダイハツの「トール」をベースとしたOEMの兄弟車。よって、合算した場合は14万9529台となり、1位に躍り出ることになる。

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ファミリーユースとして定番のミニバン市場は?

ミニバンは「フリード」vs「シエンタ」の5ナンバー対決!

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兄弟車を別扱いとした場合の主だったミニバンの販売台数グラフ。ホンダ「フリード」vsトヨタ「シエンタ」という5ナンバーのコンパクト対決と、トヨタ「ヴォクシー」vs日産「セレナ」の大型対決が見て取れる。

 ミニバンにもコンパクトのものが人気で、1位は唯一の10万台突破となったホンダ「フリード」(10万4405台)で、2位がトヨタ「シエンタ」(9万6847台)だ。5ナンバーのコンパクト対決となっている。

 そして3位以降は大型ミニバンとなり、トヨタ「ヴォクシー」が8万6772台で3位、そのライバル車である日産「セレナ」が8万4433台で4位だ。

 なおトヨタ車は、販売チャネルごとに外見と車名を変更してラインナップしていることが特徴だ。3位の「ヴォクシー」(ネッツ)、5位の「ノア」(カローラ)、7位の「エスクァイア」(トヨタおよびトヨペット)は3兄弟車。6位の「ヴェルファイア」(ネッツ)と、9位の「アルファード」(トヨペット)も兄弟車である。

 こうした兄弟車は、合算すると順位が大きく変動する。「ヴォクシー」、「エスクァイア」、「ノア」の3兄弟は18万8711台となり、ブッチギリのトップ。「ヴェルファイア」と「アルファード」も8万8680台となって、4位になる。

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トヨタの兄弟車をまとめると、「ノア」、「ヴォクシー」、「エスクァイア」の3兄弟のひとり勝ちという状況が見えてくる。ちなみに、トヨタ車のミニバン、どのような違いがあるのかというと、車格の大きい順に挙げると、「アルファード」/「ヴェルファイア」、「エスティマ」、「ノア」/「ヴォクシー」/「エスクァイア」、「シエンタ」という順になる。

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最後はセダンとSUV!

苦戦のセダン市場だが「プリウス」が総合1位を獲得!

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近年のセダンが苦戦している状況の中で、「プリウス」はまさにどこ吹く風という勢い。普通車総合でも1位を獲得しただけでなく、軽自動車も含めた無差別級でもホンダ「N-BOX」に次いで、2位を獲得した。

 ステーションワゴン/ミニバンの「プリウスα」も含めた形となるが、トヨタ「プリウス」がダントツの1位。「プリウス」をセダンとする見方は希薄かもしれないが、国内市場のセダンの苦戦はどこ吹く風という勢いで売れ続けている。燃費のよさが大きいのだろう。

 なおトヨタ「カローラ」は、厳密にはセダンの「アクシオ」と、ステーションワゴンの「フィールダー」を「カローラ」シリーズとして合算しての集計されている。またマツダ「アクセラ」には、4ドアセダンと5ドアハッチバックの2種類のボディタイプが存在するが、こちらも合算して集計されている(今回は、両車種ともすべてセダン扱いとした)。

SUVはトヨタ「C-HR」のひとり勝ち

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SUV市場は、トヨタのコンパクトSUV「C-HR」のひとり勝ち。「C-HR」は現行の「プリウス」に続いて、トヨタの新型プラットフォーム”TNGA”が採用された第2号で、その車名は、「Compact High Rider」と「Cross Hatch Run-about」というふたつの意味を持つ。

 最後はSUV市場だが、トヨタが16年12月に新たに発売を開始したコンパクトSUV「C-HR」のひとり勝ちという結果となった。普通車総合でも4位に入る販売台数の11万7299台を記録している。

 月販目標台数6000台のところ、発売を開始しておよそ1か月で約4万8000台を受注。17年4月には1万3168台を販売し、軽自動車を含めた販売台数でも1位を獲得した。そのまま好調を維持して上半期でもSUV販売台数1位を獲得すると、勢いは衰えることなく、年間目標7万2000台を大きく上回る台数となり、17年のSUV市場を席巻したのである。


 今回は、兄弟車を合算した場合も考慮してみた。その結果、コンパクトカーを除いて、そのほかのカテゴリーでは1位のクルマが突出した販売台数を見せていることがわかった。軽自動車もホンダ「N-BOX」が突出しており、ひとり勝ちである。ライバル対決が減ってしまったのが現在の状況のようだ。

2018年3月2日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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