ホンダが開発した電動アシスト自転車「SmaChari」の第一弾モデルが、昨年11月に発売されたYS ROAD「RAIL ACTIVE-e」。KhodaaBloomのクロスバイク「RAIL ACTIVE」を電動化したものだ。価格は22万円となっている。
SmaChariのアシスト力制御の仕組み。画像=ホンダ
RAIL ACTIVE-eの重量は、ベースのクロスバイクに対して、約5kg増の15kgとなっている。重くはなっているが、それでも電動アシスト自転車としては、とても軽量だ。また操作はアプリ上で行うので、自転車自体にスイッチなどの追加は行われていない。
AIモードでの走行では、漕ぎ出しのスムーズさに驚かされる。ペダル操作の重さはギアで決まるので、中間から軽めのものをチョイスしておけば、基本的にギア操作は不要だ。公園内の自転車通行可能エリアで試乗したが、走りは滑らかで非常に快適だった。
マニュアルモードは、アシストの強弱が選べることに加え、モーターアシストのレスポンスも調整できるので、自分好みの走りに調整できる。ただ多くのシーンでは、AIモードが最適だろう。SmaChariの試乗は、とても楽しく、何処かツーリングに出掛けたくなったほど。
アプリ上では、電動アシストの制御、起動、設定という基本操作に加え、地図を用いた現在地確認、速度、走行ログなどの表示も行える。ユニークな機能として、家族や仲間とアプリを介した位置情報の共有や、ホンダ車の純正カーナビシステムのビッグデータを活用した自動車の急ブレーキ地点を地図に表示することで、交通安全にもつなげる。走行中も画面表示は可能だが、操作を不可とすることで、ユーザーがスマホに気を取られないように配慮し、安全性を高めている。
SmaChariアプリは、メインメニュー画面、走行ログ表示画面、メーター画面、マップ画面、アシスト設定画面の5つの画面で構成されている。
SmaChariアプリの操作画面。電源のON/OFFに加え、AIモードとアシストのマニュアル設定が行える。AIモードでは、「パワー」と「レスポンス」が自動制御となるため、常に軽やかなペダル操作で走行することができる。
SmaChariアプリでは通知機能が非常に優秀だ。この画面ではソフトのアップデートに加え、電動アシスト自転車の不具合を通知してくれる機能があり、ユーザーの安心感に貢献してくれる。
SmaChariの緻密なアシスト制御の秘密が4つのセンサーだ。「加速度センサー」、「ケイデンス(ペダル回転速度)センサー」、「ペダルトルクセンサー」、「スピードセンサー(写真)」を組み込むことで、そのデータから走行状況を把握し、的確な制御を行っているのだ。
ボトル型充電池は、キーロック付で盗難対策も万全。充電時は、簡単に着脱できる。電動アシスト機能による最大航続距離は100km(走行状況により変化)。さらにスマホへの給電も可能だ。また充電時は、電池ユニットを取り外し、自宅で行える。
非常にコンパクトな電動アシストモーター
ホンダ スマチャリ|Honda SmaChari
ホンダ スマチャリ|Honda SmaChari
「SmaChari」の開発メンバーの一人である本田技研工業のエンジニア、服部 真さん。4輪開発に携わってきたが、自転車趣味人であり、商品の開発には、自転車好きとしての経験と知識も活かされている。
SmaChari第一弾として商品化された「RAIL ACTIVE-e」
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