2021年10月17日 22:20 掲載

クルマ まるで象の鼻。太いホースでゴミを吸引する新型「路面清掃車」が頼もしい。

高速道路の路面清掃は、ドライバーが安全に走行するために欠かせない作業だが、作業員が都度車線上に降車してゴミ回収を行うなど、危険をともなう作業でもある。そこで、こうした作業員の安全向上と作業省力化を目的に、吸引機能が付いた「新型路面清掃車」が開発された。NEXCO中日本のグループ会社である中日本ハイウェイ・メンテナンス東名株式会社は、この「新型路面清掃車」を、2021年10月からC4圏央道・海老名IC~相模原IC間で試行導入するという。

くるくら編集部 会田 香菜子

太いホースを上手に扱い、降車せずにゴミを回収。NEXCO中日本が試行導入を開始した「新型路面清掃車」全景

NEXCO中日本が試行導入を開始した「新型路面清掃車」。長いホースが、まるで象の鼻のよう。 出典=NEXCO中日本

 高速道路で黄色いトラックやキャブコン型の作業車を見かけたことがないだろうか。これは、落下物やゴミの回収を行うための清掃車両である。現在、高速道路では、交通管理隊が巡回し、通称スイーパーと呼ばれる路面清掃車で、走行しながら車線上に落ちているゴミや小石の回収をしている。そして路肩の場合は、清掃車両に乗った作業員が巡回して、路肩やガードレール脇などに落ちているペットボトルなどのゴミ回収を行っている。

路面清掃車(通称 スイーパー)(左)と清掃車両(右)

路面清掃車(通称 スイーパー)(左)と清掃車両(右) 出典=NEXCO中日本

 この清掃車両における作業は、ゴミを発見する度に作業員が降車して回収を行っており、なんと年間約600トンもの回収量になるそうだ。しかし、この回収作業時には、一般車が清掃車両に衝突し、作業員や運転手が負傷する事故も発生している。そのため、こうした作業員の負担軽減と安全確保は重要な課題となっていた。

新型路面清掃車の側面

太いホースがインパクト大の「新型路面清掃車」 出典=NEXCO中日本

 そんな中、この課題が解決できそうな新型車が開発された。NEXCO中日本のグループ会社である中日本ハイウェイ・メンテナンス東名株式会社は、渋滞作業員が行っていた路面清掃作業の一部を担う吸引機能が付いた「新型路面清掃車」を開発。2021年10月より、C4圏央道・海老名IC~相模原IC間で試行導入が始まっている。

新型路面清掃車の吸引口

新型路面清掃車の吸引口 出典-NEXCO中日本

 新型路面清掃車は、高速道路の路肩を走行しながらゴミを発見すると徐行し、車内から長い鼻ならぬ、長いホースを使って、作業員が乗車したままゴミを回収することが可能だ。

ホッパーからのゴミの排出状況

ホッパーからのゴミの排出状況 出典=NEXCO中日本

 吸いこまれたゴミは、ホースを通り、車両後部のホッパーに蓄積されていく。吸引できるものは、ペットボルト、空き缶、布、ビニールなど。たとえば、1リットルのペットボトルに700mlの液体が入ったものであっても吸引が可能なのだそう。吸引口は幅40cm×高さ10cmで、それより小さくて、重量物でなければ吸引できるのだという。車両としては、800kgまでゴミを集められるという。

新型路面清掃車後部にあるLED表示板と衝突緩衝装置

新型路面清掃車後部にあるLED表示板と衝突緩衝装置 出典=NEXCO中日本

 作業中には徐行するので、安全対策として、車両に装備されたLED表示板で周囲へ知らせるとともに、衝突緩衝装置で万が一の衝突にも備えている。

 ちなみに、今回の試行導入は、NEXCO中日本が推進する「i-MOVEMENT(アイ・ムーブメント)」の取り組みの一環である。「i-MOVEMENT(アイ・ムーブメント)」とは、最先端のICT技術・ロボティクス技術の導入により、少子高齢化やデジタル技術の進展などによる社会環境の変化、ニーズの多様化を踏まえ、高速道路モビリティの進化に貢献するプロジェクトのこと。今回の新型路面清掃車の試行導入により、作業員が路上に降りる回数が約7割削減でき、清掃作業の省力化や作業員の安全性向上が期待されている。

 今後の予定としては、海老名IC~相模原IC間の試行導入を経て検証を進めていき、2023年度以降に本格導入を予定しているという。

【新型路面清掃車両の概要】

車両寸法等:長さ7.0m×幅1.82m×高さ2.53m、車両重量5.7t
吸引口サイズ:幅40cm×高さ10cm
吸引ホース:直径20cm
ホッパー容量:2.3㎥
最大積載量:800kg

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