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クルマ最終更新日:2023.04.12 公開日:2023.04.12

70年代ジープ・チェロキー復活なるか!? 次世代モデル7台にイッキ乗り!<前編>

ジープの次世代モデル、7台に一気乗り! 70年代のチェロキーをオマージュしたモデルから6.4リッターV8エンジンを搭載した大排気量モデルまで、アメリカ・ユタ州の大地を走った。今回はその前編をお届けする。

文=小川フミオ 写真=ステランティス

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登場したのは実走可能なコンセプトカー!

 ジープが魅力的なコンセプトモデルをどっとお披露目しました。その数、いっきに7台。注目点は、どれも、ジープの未来とつながるモデルということです。2023年4月1日から9日にかけて、米ユタ州モアブのキャニオンランズ国立公園において「イースター・ジープ・サファリ」なるジープファンによるイベントが開催されました。

 23年でなんと57回を数えるというこのイベントには、もちろんジープ本体も参加。ここにジープが持ち込むコンセプトカーに接するのも、ファンにとって大きな楽しみのひとつです。しかも、ジープの(デザイン部主導で)手がけたコンセプトカーは、実走可能。きつい勾配の岩場をがんがん走るチャンスを、私にもくれました。

「1978ジープ・チェロキー4×eコンセプト」

「1978ジープ・チェロキー4×eコンセプト」はレストモッドという改造スタイルをなぞったもの

「1978ジープ・チェロキー4×eコンセプト」の中身はプラグインハイブリッド

 イメージソースは、70年代のチェロキー。ラングラー・ルビコン4×e(フォーバイイー)なるPHEVモデルのシャシーに、チョップドルーフのボディを載せています。

 専用の大径タイヤと、車高を上げるリフトアップキットを組み込んでいて、マッシブでカッコいい。デーナ社が製造するアクスルを前後に組み込み、それに37インチタイヤ。岩場だろうが、ぐいぐいと登っていきます。

 スタイルは明らかにコンセプトカーなのに、走破性はどんなライバルにも退けをとらない感じ。ジープのデザイン部は明言しませんが、そのうち、こんなふうにうまく昔風のデザインを取り込んだモデルも出てくるかもしれませんね。

「ジープ・ラングラー・マグニトー3.0コンセプト」

21年の「マグニトー1.0」、22年の「マグニトー2.0」からの進化形である「ラングラー・マグニトー3.0コンセプト」はパワーが上がっている

40インチ径という大きなタイヤで踏破能力の高いピュアEVの「ラングラー・マグニトー3.0コンセプト」

 23年4月初旬のニューヨーク・オートショーでもバッテリー駆動のEV(BEV)が数多く出展されて話題を呼びました。ジープも、2024年にはBEVモデルを発表するといっています。なので、このマグニトー3.0は、ジープの未来像を垣間見せてくれるモデルといってもいいかも。

 バッテリーの詳細は未発表ですが、4WDシステムと組み合わされたモーターは、なんと1220Nmものトルクを発生するとか。スタイリングはブルーの半透明素材を各所に使っていてSFチックですが、実際には、静かに力強く、岩場を駆け上がり駆け下りと、BEV化の可能性の高さを感じさせてくれました。

 マニュアル変速機を備えているのも注目点。今回の試乗では3速に入れっぱなしでOK(エンストなし)でしたが、舗装路などで加速していくときにシフトアップする楽しみがあるそうです。

「ジープ・スクランブラー392コンセプト」

「スクランブラー392コンセプト」のボンネットは6.4リッターV8が見えるようになっている「スクランブラー392コンセプト」のボンネットは6.4リッターV8が見えるようになっている

 ジープといえば、やっぱり大排気量のマルチシリンダー(多気筒)エンジンでしょ、というファンは少なくないようです。最新のラングラー・ルビコンに搭載した6.4リッターV8を、未来志向の2シーターボディに載せたのが、スクラングラー392。392キュービックインチは6.4リッター。

 回転が上がるにつれてぐいぐいとパワーが上がっていくのはエンジン車ならでは。この楽しさは止められない、というファンがいるのは承知しています、とジープの開発者は認めています。

 V8を今後どうするかは現時点では明言できないということですが、もしeフューエルという合成燃料が一般的になれば、エンジンは延命するかもしれません。「現時点ではあらゆる可能性を捨てたくない」とは、このクルマのベースになったラングラーの開発責任者であるピート・マイロ氏の言葉でした。残り4台は後編で紹介します!

【後編につづく】

今回試乗した全部で7台のコンセプトモデルたち

今回試乗した全部で7台のコンセプトモデルたち

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