2021年05月12日 11:50 掲載
クルマ
アルト&キャロルが連覇
【2020年版】燃費ランキング:軽自動車編
普通・小型自動車と同じく軽自動車もWLTCモードに移行
スズキ、ダイハツとそのOEM車がトップ10を独占。
国土交通省は毎年3月末に、前年12月31日時点で発売されている車種を対象とした燃費性能値をランキングにして公表している。ユーザーへ省エネルギーへの関心を高め、メーカーには燃費性能の優れた車の開発を促すためである。なお燃費性能ランキングは、普通・小型自動車部門と軽自動車部門の2つが発表されており、今回は軽自動車部門を紹介する。
なお今回のランキングは軽自動車部門も燃費を測定する試験方法が、普通・小型自動車と同様に日本独自のJC08モードから国際的なWLTCモードへと切り替わった。また編集部で作成したランキング表には、2019年版と比較するために自動車メーカーが発表するJC08モードも記載した。
<2020年 燃費ランキング:軽自動車部門>
出典:国土交通省
WLTCモードでもアルト&キャロルが連覇
今回の軽自動車部門では、首位に同率でスズキ アルトとマツダ キャロルが並んだ。キャロルは、スズキがマツダに供給するアルトのOEM車となる。今年の変化は3位で、同率で3台が並ぶ接戦となった。その3台は、昨年も3位だったアルト ラパンに加え、スズキ ワゴンRと、そのOEM 車であるマツダ フレアだ。ワゴンR&フレアは2019年の9位から3位へと躍進。ワゴンR&フレアだけでなく、マツダへのOEM車を含むスズキ車勢は2020年に一部仕様変更などを施しWLTCモードでの燃費性能を強化したようだ。それによりダイハツ(スバル、トヨタを含む)車勢を退けてトップ6を独占することとなった。
軽自動車の燃費と加速性能
ここ数年の軽自動車の燃費ランキングの傾向と同様に2020年も、衝突安全性能の強化や予防安全装備などの搭載で車両重量が増加して燃費が伸び悩んでいるということは変わりない。そして今後に予定されている道交法改正では、側面衝突の強化、緊急通報システムやバックカメラの標準装備なども予定されているため、車両重量はさらに増加して燃費にとってはより厳しい環境となるだろう。
また車重が増加すれば、高速道路の合流や幹線道路などでの加速が鈍る可能性もある。そのとき、ターボなどの高出力化で加速性能を補うという方向性で改良が施されれば、さらに燃費低下ということもあり得るだろう。排気量の小さな軽自動車は、車両重量の増減影響が普通・小型自動車よりも大きい。たとえ軽量素材などを採用しても、それらの高価な素材が軽自動車のセールスポイントの1つである「低価格」を損なう可能性もある。このようなジレンマの中にあるのが、ここ数年の軽自動車の燃費事情であると言えよう。
そんな中で日本独自規格である「軽自動車」が今後も人気のあるカテゴリーとして存続するために、各自動車メーカーは努力を続けている。
次ページでは、トップ10に入った車種のグレード名、燃費に関する諸元や価格、発売時期などの情報を写真とともに紹介する。
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