スタッドレスタイヤはいつまで履いてOK?
桜の咲くころになると気温も上昇し、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤにいつ履き替えようか、と悩む人も少なくないだろう。交換タイミングは地域の天候次第ともいえるので、今回は気象とタイヤの特性という観点で交換のタイミングを紹介する。
気象庁で雪・霜・結氷の終日を確認
スタッドレスタイヤからノーマルタイヤに履き替えるタイミングを検討する際に、履き替え後の雪や凍結の心配がある。この心配を解消する指標の1つが、気象庁の雪・霜・結氷の終日の平均値だ。これは、気象庁が1981年から2010年までに観測した雪・霜・結氷のシーズン初日や終日(最後の日)、30年間分から算出した地域ごとの平均的な日にちのこと。これが同庁のウェブサイト内の「過去の気象データ検索」で公表されている。これにある終日を過ぎていれば、降雪の心配も少なくなるので、安心してノーマルタイヤに交換できるだろう。
もし、4、5月に雪の心配がある地域にドライブするなら、それらの地域の天気の週間予報と、過去の気象データも参考にするといい。
気象庁<過去の気象データ検索>
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
※ページ左の「都府県・地方」「地点」を選択し、ページ右の「霜・雪・結氷の初終日と初冠雪日の平年値を表示」をクリックすると気象データが表示される。なお平均値を表示できるのは、「地点」で赤丸に表示されている各都道府県の気象台、測候所などのみ。
ノーマルタイヤは低温が苦手
ノーマルタイヤへの交換で、雪・霜・結氷の終日とともに考慮したいのが「気温」。気温が低いとノーマルタイヤはゴムが硬くなり、グリップ能力が十分に発揮できない。雪や凍結の心配がなくとも、春先は朝晩の気温が低いケースもある。通勤で運転は朝晩がメインというような人もいるだろう。
たとえ雪や氷のない乾いた路面でも、5度を下回るとノーマルタイヤよりスタッドレスタイヤのほうがグリップ力がよくなるといわれている。逆にスタッドレスタイヤは、気温が上がってもグリップ力が下がることはないので(摩耗は進むが)、運転する時間帯の多くが5度以下なら、スタッドレスタイヤを履いていたほうが安心だろう。朝晩がメインという人は、車の外気温計などを観察して履き替えのタイミングを計ろう。
スタッドレスタイヤは雨が苦手
スタッドレスタイヤは、アイスバーンなどの氷の上に薄く張った、わずかな水膜を排水する能力は長けておりグリップ力もある。しかし水深1mmを超えると排水能力の限界を超え、滑りやすくなる。つまりスタッドレスタイヤで雨の時は、ブレーキやハンドル操作をより慎重に行う必要がありそうだ。
近年のスタッドレスタイヤは乾いた路面でも曲がる・止まるがスムーズになっているので、雨が苦手なことを忘れがちだ。春先は冬より雨量が増えるので、スタッドレスタイヤは雨が苦手なことを覚えておこう。
スタッドレスタイヤからノーマルタイヤへの履き替えタイミングは、過去の気象データ検索にある「霜・雪・結氷の終日」、運転時間帯の気温が5度以上を参考にするとよいだろう。さらにスタッドレスタイヤは雨が苦手ということも考慮に入れて、春先のドライブを楽しんでほしい。