2020年07月02日 16:50 掲載

クルマ 車検証のICカード化は2023年導入予定。その目的やメリットとは。

国土交通省は、自動車検査証(車検証)の電子化(ICチップ化)を2023年1月に導入予定であると発表した。これは、自動車保有に関する行政手続きをオンラインでまとめて申請できるようにするためのワンストップサービス(OSS)の導入に向けた取り組み。電子化が実現すれば、整備事業者などが運輸支局へ出頭不要になるなどのメリットがある。

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JAFメディアワークス IT Media部 大槻 祐士

車検証の電子化とは

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©崇正 魚谷 - stock.adobe.com

 国土交通省は、「自動車検査証の電子化に関する検討会」の報告書をとりまとめ、自動車検査証(車検証)の電子化(ICチップ化)を2023年1月に導入予定であることを発表した。

 これは、自動車保有に関する多くの行政手続きや、自動車税、検査登録手数料などの納付をオンラインでまとめて申請できるようにするためのサービスである「自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)」の拡大に向けた取り組み。

 OSSは2005年にサービスを開始して以来、徐々にその対象地域を拡大してきた。しかし、その利用率は、新車新規登録において1%にも満たない県があるなど地域によって大きな差がある。車検証を電子化することで、その利用率を向上させることを目指す。

 同検討会がスタートしたのは2018年9月。車検証の電子化に向けた基本方針や技術要件の検討、電子化された車検証のICチップ空き容量の利活用の検討など、定期的に議論を重ねてきた。 

 それに並行して、車検証の電子化に向けた法整備も実施。2019年5月に公布された道路運送車両法の一部を改正する法律において、車検証の電子化についての条文が新設されている。この改正法は、公布日から4年以内(2023年5月まで)に施行する必要があるため、国交省は前倒しして準備を進める方針だ。

車検証を電子化するメリット

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車検証を電子化した際の手続きのイメージ。 出典:国交省資料

 車検証を電子化するメリットは、オンライン上で自動車関連の申請ができることにある。例えば、ドライバーが車検を整備事業者に依頼した場合、これまでは新旧車検証の交換や、検査標章受領のために整備事業者が運輸支局などに出向いて手続きをするほかなかった。しかし、電子化が実現すれば、整備事業者はICチップに入った情報を読み取り、オンライン上で申請することが可能。時間や労力の負担が大きく軽減される。

 また、車検証のICチップには空き容量があり、その部分に車両情報(モデル・グレード、車体番号の位置、塗色など)、整備事業者の情報や整備履歴、自動車保険情報、車関係のポイントカード情報などを記録することも可能だ。どのような内容が記録されるかは検討中であるが、例えば、車両に不具合が発生した場合に、点検や整備記録を過去にさかのぼって調査し原因を突き止めることもできるようになるという。

 ドライバーにとってのメリットは、これまで、別々に管理していた車検証、自賠責保険証、車関係のポイントカードなど(詳細未定)が一体化して、携帯や保管が容易になることが考えられる。

車検証のサイズやデザインは?

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電子化された車検証の券面イメージと記載事項。 出典:国交省資料

 電子化された車検証は、銀行のキャッシュカード、クレジットカード、運転免許証などと同じサイズ(85.60×53.98×0.76mm)となる予定。このサイズは身分証明書カードの形状を定めた国際規格に準拠している。従来の紙の車検証に比べるとコンパクトになるため、財布などに入れて携帯することができる。券面には、使用者の氏名、自動車登録番号、車両番号、車台番号、その他諸元など、従来の紙の車検証に記載されていた項目から住所や有効期限を除いた項目が印字される予定。

 国交省は今後、自動車の登録や抹消、車検などに関する情報を一元管理する自動車登録検査業務電子情報処理システム(MOTAS)の改修を実施。システムの設計・開発、テスト、実証実験を行い2023年1月の導入を目指す。また、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、他の行政手続きとの連携も検討していくという。

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