2020年04月13日 18:50 掲載

クルマ 【自動車燃費ランキング2019:普通・小型車編】JC08モード最後の年を制したのは?

国土交通省が毎年発表している燃費ランキングベスト10。まずは普通・小型車編を、各車に搭載される燃費技術の解説とともにお届けする。なお2019年は、日本独自の試験方法であるJC08モードによる燃費値比較の最終年。はたして、ランキングの顔ぶれは?

神林 良輔

2019年燃費ランキングの第2位から第10位までのクルマたち。

2019年燃費ランキングの第2位から第10位までのクルマたち(並べ方は順不同)。はたして1位は?

 国土交通省は毎年3月に、前年12月31日時点で発売されている車種を対象とした燃費性能値をランキングにして公表している。メーカーには燃費性能の優れたクルマの開発を促すと同時に、ユーザーには省エネルギーへの関心を高めてもらい、燃費に優れた車種の購入を促すことが目的だ。

 なお"燃費性能の評価"とは、「自動車の燃費性能の評価及び公表に関する実施要領(平成16年度国土交通省告示第61号)」に基づく評価のことである。燃費とは1Lの燃料でクルマが走行する距離のことだが、具体的には型式指定審査において取得する国土交通省審査値のことだ。つまり、カタログに記載されているJC08モードの燃費値のことで、単位は「km/L」。この数値が大きければ大きいほど、燃費性能に優れる(低燃費な)クルマということになる。

2019年は燃費試験法「JC08モード」の最終年

 2019年の燃費ランキングの大きなトピックは、2011年以来採用されてきた日本独自の試験方法であるJC08モードの最終年となることだ。2020年からは国際的な試験方法のWLTCモードによるランキングに切り替わる。

 WLTCとは、「Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycle」の略で、「世界統一試験サイクル」と訳される。混同しやすい用語としてWLTPがあるが、こちらは「Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure」の略で、「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法」のこと。WLTPとは試験方法全体のことであり、その中に含まれる試験サイクルがWLTCである。WLTPは、国ごとに実施されている燃費試験を1回で済ませられるようにして、メーカーにかかっている負担を減らすことを目的として提唱された。そして、2014年3月に開催された、国連欧州経済委員会(UN-ECE)の第162回自動車基準調和世界フォーラム(WP29)にて採択され、日本では2020年から実施することとなったのである。

 WLTCモードの特徴は、複数の速度条件の試験で燃費値を測定し、それぞれを平均的な使用時間配分で構成することで燃費値を算出すること。複数の速度条件とは、市街地(低速)、郊外(中速)、高速道路(高速)の3種類だ。それぞれの値も公表されるので、市街地のストップ&ゴーの低速走行で燃費がいいとか、高速道路の高速クルージング走行に強いとかそのクルマの得意な速度域もわかるのだ。日本ではこの3種類の試験を行うが、オプションとして独アウトバーンのような超高速域を扱う4種類目の速度条件もあり、国によっては4種類で行われる。

 またWLTCモードの燃費値は、JC08モードよりも実際の値に近いといわれており、どのクルマも総じて、WLTCモードの方がJC08モードよりも値が低く測定されるようだ。ただし落ち込み方は車種によって異なり、JC08モードとは順位が変動する可能性もあり得る。

2019年のランキングはトヨタが独占に近い形に

 またランキングの顔ぶれについては、2019年は10車種中の7車種がトヨタ車という結果となった。国土交通省は2001年発売の車種からWebサイト上で毎年燃費ランキングを発表しているが(※2)、ベスト10で7車種が同一メーカーとなるのは今回が初となる。

※2 2001~10年は、JC08モードよりもひとつ前の試験方式である10・15モードによる測定。

 理由のひとつは、「プリウス」と「アクア」の盤石の1-2位が維持されている上に、コンパクトカー「ヴィッツ」も健在。それらに加えて大躍進の原動力となったのが「カローラ」だ。2019年に「カローラ」は全車種フルモデルチェンジして12代目となったが、実は11代目もそのまま継続して販売されている。それは、12代目が11代目よりも全幅が増して3ナンバーになったこと、排気量も1496ccから1797ccに増えて自動車税が1ランク上がったことから、特に営業用途の顧客のニーズが11代目に集まっているためである。そして、それぞれのセダンとステーションワゴンが2車種ずつ、つまり「カローラ」だけで4車種もランクインし、トヨタ車が7車種を占めるという結果となったのだ。

 以下がランキングだ。項目は、順位の後ろのカッコ内が前年順位で、続いてJC08モード燃費値、車種名(型式)、メーカー名の順だ。なお、ベスト10の車種はすべてハイブリッド車である。各車の燃費性能並びに燃費に関する技術の解説は次ページから掲載した。

1位(1位):39.0km/L プリウス(DAA-ZVW51)トヨタ 1797㏄
2位(2位):38.0km/L アクア(DAA-NHP10)トヨタ 1496㏄
3位(3位):37.2km/L ノート(DAA-HE12)日産 1198㏄
3位(4位):37.2km/L フィット(DAA-GP5)ホンダ 1496cc
5位(-):35.0km/L カローラ(6AA-ZWE211)トヨタ 1797cc
5位(-):35.0km/L カローラ ツーリング(6AA-ZWE211W)トヨタ 1797cc
7位(5位):34.8km/L グレイス(DAA-GM4)ホンダ 1496㏄
8位(6位):34.4km/L ヴィッツ(DAA-NHP130)トヨタ 1496㏄
8位(6位):34.4km/L カローラ アクシオ(DAA-NKE165)トヨタ 1496㏄
8位(6位):34.4km/L カローラ フィールダー(DAA-NKE165G)トヨタ 1496㏄

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1位「プリウス」から車種別に解説

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