2019年09月06日 15:00 掲載
クルマ それって本当に楽しいの? ど素人が軽キャンピングカーで一泊してみた【体験レポート】
いよいよ軽キャンピングカーでのサバイバルが始まる?
仲間が去り徐々に日も暮れかけてきた。さて、いよいよここからは何もかも一人でやっていかなければならない。って、何すればいいんだろう? とりあえず、さっきの料理の残りを食べながら考えるか。
さっき食べたばっかりなのに旨い。キャンプ場は外にいるだけで、なぜかやたらお腹が減る。
まずは後部座席をフラットにしよう。だが、ここで早くもトラップが。クルマを借りた際に説明を受けたにもかかわらず、どうしても後部座席が床下におさまってくれないのだ。
後部座席を畳んだ様子。ここまでは難なくクリアしたのだが、これ以上シートがビクともせずに苦労することに。
上の写真のように畳んだ後部座席をさらに足元まで、もう一段下げて収納しなくてはならないのだが、座席がこれ以上びくともしない。10分近くあれこれ戸惑った結果、座席後部にベルト状の紐を発見。この紐を引っ張ったところ、やっとスムーズに座席が床下にスライドしてくれたが、レンタカーや用具を借りる際は、事前に一度は操作しておくべきだということを痛感されられた。小さなトラブルとはいえ、時間と体力を無駄に浪費してしまった。しかも、こんなことをしている間にそこそこ日も暮れかけてきた。
次の作業は電力の確保だ。ACサイトと呼ばれるエリアにはコンセントが用意されており、ここから電源が供給できるようになっている。
このようにブレーカーとコンセント差し込み口が用意されていた。ちなみに、このキャンプ場の電気使用量は1サイトにつき10A(1000W)までだった。
クルマ側の電源取り込み口は、後部ナンバーの横にあった。
今回借りた軽キャンは外部からの電源を取り込む口があるので、さっそく接続してみた。これで車内の照明もバッテリーを気にせず点灯できる。さっそくスイッチON!
これで基本となるフォーメーションは確定した。スペース的にも一人で過ごすには十分だ。
誰にも邪魔されずに好きなように過ごせる自分だけの城がついに完成した。両脇の棚がすでに山積みで、妙に生活感のある空間に感じられるのはご愛敬。
夏期の車中泊に必須の網戸を作ってみた。
さて、次の作業は「網戸作り」だ。
夏場の就寝時には熱中症を防ぐためにも、窓を開けて車内に風を通すことが必要だ。だが、キャンプ場で窓を開けていれば車内に虫が飛び込んでくるのは必至。夏場の車中泊に網戸は必須なのだ。と、キャンプマニアの同僚Sに教わったので、ホームセンターで事前に以下の3点を用意しておいた。
用意したのはこの3つ。網戸張替用のネットとハサミ、そして両面テープ。
まずは網戸張替用のネットをクルマの窓枠に抑えつけ、はみ出した周囲を大きめにハサミでカット。次に窓枠に両面テープを貼り付けて、カットしておいた網を貼り付ければ簡易網戸の完成だ。
車内から窓枠に沿って両面テープを貼り付けている様子。
両面テープで網を貼り付けてから、はみ出した部分をハサミでカットして整える。
網戸作りの所要時間は、左右の両窓分で強いて20分ほどだった。網戸を貼った後、クルマの窓を開けてみると、早くも車内の照明に向かって飛んできた虫が網の外側に張り付いてきた。自分で作った網戸が役に立ってるというだけで、ちょっとした偉業を成し遂げたようなカタルシスを感じる。
軽キャンピングカーの車内で家電を使ってみる。
必死に網戸作りをしていてあまり意識していなかったが、窓を閉じていた車内の気温と湿度はなかなかの数値になっていた。
日が沈み、多少涼しくなったとはいえ、車内温度は28度。湿度は90%ほどになっていた。
こんな時のために用意してきたのがUSBタイプの小型扇風機。車内ならシガーソケットに接続するタイプのUSBソケットでも使えるが、今回借りた軽キャンには後部のキャビネットにコンセントが付いているので、差し込んでスイッチONしてみた。おお! バッチリ使えるじゃないか。
車内のコンセントから電力を供給して稼働したUSBタイプの小型扇風機。
調子に乗って、普段家で使っている電気ケトルも試してみた。最大消費電力が900Wというのはチェック済みだったので問題ないはずだ。こちらもスイッチON! おおっ、ちゃんとお湯が沸いたぞ。
普段家で使っている電気ケトルでお湯を沸かすこともできたので、持参したハーブティーを淹れてホッと一息。
さらに恐る恐るドライヤーが使えるかどうかもチャレンジ。いざ、スイッチONしてみると問題なく使えた。すごいぞ軽キャンの車内電源!
ワイルドな気分を盛り上げるガスバーナーの炎。
ハンドメイドで網戸を作ったり、面白がって家電を試したりしているうちに、気づくと時刻は21時過ぎになってしまった。キャンプ場の消灯時間は22時なので、そろそろ夕飯を済ませなければならない。昼食はゴージャスだったので、夕飯はシンプルに袋ラーメンだ。よくアウトドアのイメージ写真で見るような、炎を見つめながら過ごす孤高の時を感じてみたかったので、同僚のSから借りたガスバーナーと鍋でラーメンを煮込んでみた。
そうそう。やりたかったのは、まさにこの雰囲気!
「ゴオオオオオ」というガスバーナーの炎の音だけが夜の闇に響く。袋ラーメンに卵を落として煮込んでるだけなのに、雰囲気だけはアウトドアの達人だ。これぞ私が体験してみたかった孤高の時。焚火をするほどの用意もノウハウもないが、夜のキャンプ場でガスバーナーの炎を見ているだけで、どんな自然の中で生き抜くことができるタフでワイルドな男に生まれ変わったような気がした。文字通り、気のせいだが。
大自然の中、孤高の時間を過ごしていると、思った以上にテンションが上がりワイルドな気分に浸ることができる(実際はラーメンを食べているだけ)。
こうして孤高の夜は更けていった。
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