クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

クルマ最終更新日:2023.03.29 公開日:2023.03.29

ヒョンデがカワイイEV自動充電ロボットを発表!

現代自動車(ヒョンデ)は、EV用の自動充電ロボットを開発し、3月21日にその映像を公開した。映像では、ヒョンデのアイオニック6が駐車すると、ロボットが車両の充電ポートに自動でケーブルを接続し、充電を開始している。この自動充電ロボットとはどのようなものなのか、正体を追ってみよう。

文=くるくら編集部

記事の画像ギャラリーを見る

正体はお手伝いロボ?

EV Automatic Charging Robot 写真=Hyundai Motor Group

 韓国のHyundai Motor Group(ヒョンデ)は、EV用の自動充電ロボット「EV Automatic Charging Robot」(ACR)を開発し、3月21日に映像を公開した。このACRは自動でEVの充電を行い、充電完了後に車のオーナーに通知するという、一本腕が付いた設置型ロボットだ。

 映像では、ヒョンデの中型セダンEV「アイオニック6」がEV充電スペースに自動的に駐車しており、車両が静止するとACRが車両と通信して充電ポートを開き、アームに搭載されているカメラで座標を合わせて充電を開始。充電が完了すると、ACRは充電器を取り外して充電ポートを閉じている。

動画=Hyundai Motor Group

 ヒョンデ ロボティクスラボの責任者Dong Jin Hyun氏は「ACRは、特に暗い環境でのEV充電をより簡単かつ便利にするのに役立ちます。また、高速充電を可能とする充電ケーブルは重量が重くなるため、特に持ち運びが難しい人にとって利便性が向上します」と、コメントしている。また、同氏はロボットが充電器を充電ポートに固定するためには、複数の要素(車両の駐車位置、充電ポートの形状、天候、障害物、充電ケーブルの重量など)を同時に計算できるソフトウェア技術が必要。そこで、3Dカメラを用いたAI技術をロボットに応用したアルゴリズムを開発し、ロボットのアームが重量のある充電器を正確に扱うことを可能にした、とも述べている。

 安全性については、EV充電器を屋外に設置することを考え、防水・防塵性を確保。さらに、ロボットの周りにはレーザーセンサーを内蔵した安全ポールを設置し、静止している障害物や移動する障害物を検出できるようにすることで、充電中の事故を防止するという。

ヒョンデのアイオニック6にACRが充電している様子。

フレキシブル・アームの拡大写真。太く重たいケーブルを安定して支えるため、アームの耐荷重性は高いようだ。アームの先端部には充電ポートの座標を検知する3Dカメラが搭載されている。

独立式は難しそう?

 ヒョンデ ロボティクスラボでは、将来的にこのACRと自動駐車システムと組み合わせることで、駐車中の複数の車両を順次充電できるようにして、稼働率を向上させたいという。

 気になったのは、ACRと呼ばれるアーム付き自動充電ロボットは、あくまで「腕」であり、本体である充電器と、周囲の情報を検知する安全ポールの3つの要素で構成されているため、独立式ではないという点だ。ACRも初見では移動式かと思っていたが、アームとケーブルの重量を支えるためなのか、設置式となっている。

 それならば、本体の充電器にカメラとアームを付ければ済むのでは……と、思ってしまった。しかし、目指す姿がスターウォーズのR2-D2のように移動もできて、EV充電のアイコンとなるようなロボットを造りたいというのであれば、気持ちは理解できる。ACRの構成や使用方法は2022年7月に発表されたコンセプト映像から変わっているので、まだまだ進化の途中なのだろう。

 今回発表されたACRは、3月31日から4月9月にかけて開催されるソウルモビリティショーにて展示される予定だ。

2022年7月に公開されたACRのコンセプト動画。動画=Hyundai Motor Group

車両の充電ポートのゲートが自動で開き、座標を合わせて充電ケーブルを挿し込む場面。

ACRの中央部は縦長のディスプレイが搭載され、充電状況をグラフィックで表示したり、「READY」、「BYE」などのシンプルなメッセージも表示できる。

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(4月30日まで)
応募はこちら!(4月30日まで)