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クルマ最終更新日:2023.06.21 公開日:2023.01.11

2023年1月4日から車検証が電子化。車やバイク所有者は要確認!

2023年の1月4日から自動車検査証(車検証)の電子化が開始されている。これにより、今後はICチップが埋め込まれたA6サイズの車検証が発行されることになる。2020年に発表していた仕様とは異なる点もあるため、改めて確認してみよう。

文=くるくら編集部
資料=国土交通省

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これまでの車検証との違いを確認

電子化された車検証は、郵便はがき(縦148mm×横100mm)より少し大きめとイメージすると分かりやすい。

 はじめに、従来の車検証と電子車検証の違いから解説しよう。まずサイズだが、従来の車検証がA4サイズに対し、電子車検証はA6サイズ相当(縦105mm×横177.8mm)となる。ICタグが貼付されたため電子化を謳っているが、素材は厚紙となる。

 国土交通省が2020年に発表していた電子車検証の仕様では、運転免許証と同じサイズとする予定であったが、カードサイズでは必要項目が券面に記載しきれないことや、手数料がさらに値上がりしてしまうことを理由に、この仕様に決まった。カードサイズの方が管理は楽そうなので、この点は残念に思う人もいるだろう。

こちらが電子車検証の券面。Aは変更登録などによる記載事項の変更を伴わない基礎情報が記載される。Bの裏側に貼付されているICタグには現行の車検証情報が全て記録されている。Cの5つある二次元コードには、車両登録番号や型式に初度登録年月など、21項目の情報が割り振られている。

 ICタグには車検証の有効期間、使用者の住所、所有者の氏名・住所・使用の本拠の位置、帳票タイプなどの情報が格納され、車検証の券面だけでは住所等が分からないようになる。また、車検証の電子化に伴い、窓口申請での新規検査は300円値上がりして1,500円に、継続検査(更新)は200円値上がりして1,400円になるなど、各種手続きの手数料がおおよそ50円~500円ほど値上がりしている。

車検証閲覧アプリについて

「車検証閲覧アプリ」がアプリの名称となる。左はPC(Windows)、右はスマートフォンの起動画面。

 ICタグに格納されたユーザー情報は「車検証閲覧アプリ」で確認することができる。アプリを利用するためには、PCの場合はWindowsとICカードリーダーを、スマートフォンの場合はNFC(近距離無線通信規格)に対応したiOSとAndroid端末を用意する必要がある。

■動作環境の詳細やアプリのインストール方法はこちら

 アプリをインストールして起動した後、券面に記載されているセキュリティコードを入力してICタグを読み取ることで、車検証情報を閲覧することができる。具体例として、24時間いつでも車検証の基礎情報や、車検証の有効期間お知らせサービスを確認できる。また、当該車両に対してのリコールがあった際に通知する設定することもできる。他にも、車検証情報が記載されたPDFデータを保存したり出力することも可能だ。

車検証情報を表示しているアプリの画面。左がPC、右がスマートフォン。

次のページでは、
いま持っている車検証の運用についてを紹介!

いま持っている車検証はどうなる?

(c)naka – stock.adobe.com

 車やバイクの所有者は、車検証の電子化に伴い、これから自分がどうするべきか気になる人もいると思われるので、判断材料を以下にまとめてみた。

◆いま持っている車検証はどうなる?
→そのまま次の車検の更新まで有効。電子車検証は次回の車検まで入手はできない。

◆よくわからないので、次回も従来の車検証を希望したい
→電子車検証の発行対象である場合は不可。従来型の車検証との選択はできない。

◆電子車検証の発行対象って?
→2023年1月時点では「登録車(普通車)」と「小型二輪車(排気量250cc超)」が対象。「軽自動車」は2024年1月から対象となる予定。

◆そもそも何のために電子化した?
→一般ユーザーや整備事業者などの負担軽減のため。整備事業者はオンラインで一括申請が可能となるワンストップサービス(OSS)が導入されることで、運輸支局等への出頭をしなくて済むようになる。一般ユーザーにとっては、書類をコンパクトに管理できるようになり、車検にかかる時間を短縮できるメリットがある。ただし、使用者や住所、車の改造などがあった場合は、運輸支局に足を運ぶ必要がある。

新たに構築された記録事務代行サービス。オンライン上で申請や通知を受けられることで、整備事業者の負担が軽減されるようになる。その結果、いユーザーにとっても車検完了までの時間が短縮されることになる。

複数の車両を管理するには便利

 車検証の電子化を謳ってはいるが、完全なペーパーレスに至らなかったことや、手数料が値上がりしてしまったことは残念ではある。しかし、複数の車両を管理する人や企業、整備事業者にとっては一つのアプリで一括管理できる恩恵はありそうだ。

 一般ユーザーとしては、当日車検やスピード車検のような、よりスムーズな車検サービスが受けられることが期待できる。また、電子車検証に搭載されるICタグには、アプリケーションの搭載が可能な記憶領域を設けているとのことなので、今後の機能追加もあり得るかもしれない。

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