2021年08月03日 06:00 掲載

ライフスタイル 『イタリア発 大矢アキオの
今日もクルマでアンディアーモ!』第17回
ユーロ統一は遠い!? 羨望のナンバープレート

イタリア在住のコラムニスト、大矢アキオがヨーロッパのクルマ事情についてアレコレ語る人気連載コラム。所変われば品変わる? 第17回は、ヨーロッパのナンバープレート事情について。

文と写真=大矢アキオ(Akio Lorenzo OYA)

よく見るとバラバラ

 今回は欧州におけるナンバープレートのお話を少々。

 夏、筆者が住むイタリア中部トスカーナ地方は、欧州各国からやってきた観光客のクルマを頻繁に見かける。新型コロナウイルスで落ち込んだこの国の観光産業を、彼らがどこまで回復させてくれるかが鍵となる。

 だが、昨2020年夏よりも回復傾向にあるのはたしかだ。街を歩いたり運転しているとき、彼らのクルマを見つけると、「いよいよ観光シーズンだな」と毎年思う。

 近年はロシアからのドライブ客もたびたび目撃するようになった。比較的西側であるモスクワから計算しても片道3,000キロメートル、ぶっ続けで走り続けても30時間はかかる。思わず「よく来たねえ」と声を上げてしまう。

ロシアのナンバープレートを装着した、観光客のものと思われるクルマ。シエナのホテル前で。ロシアのナンバープレートを装着した、観光客のものと思われるクルマ。シエナのホテル前で。

 外国人客のクルマを見分ける手段は、イタリアであまり人気のないモデルや車体色だったりするが、やはりもっとも簡単なのは自動車登録番号標、つまりナンバープレート(以下ナンバー)である。

 欧州連合(EU)加盟27カ国では、1998年に導入された統一様式のナンバーが用いられている。前後とも横長のプレートである。左側の青いストライプには、EUの丸い星マークと、登録国を示すイニシャルが記されている。イタリアなら「I」、ドイツなら「D」である。

EUの統一ナンバー。これは筆者がポーランドで借りたレンタカーで、左脇に同国を示す「PL」の文字が入っている。EUの統一ナンバー。これは筆者がポーランドで借りたレンタカーで、左脇に同国を示す「PL」の文字が入っている。

Dの文字が入ったドイツのナンバープレート。この国の場合、左から登録された州の略語1-3文字、続いて州章が入る。Dの文字が入ったドイツのナンバープレート。この国の場合、左から登録された州の略語1-3文字、続いて州章が入る。

ドイツ北部ハンブルク(HH)のタクシー。ドイツ北部ハンブルク(HH)のタクシー。

ポーランドで。ポーランドで。

 以前は国境を越えるとき、同様に国別イニシャルを記した楕円ステッカーを貼る必要があった。筆者も得意になってIマークのステッカーを貼っていたものである。だが、統一ナンバープレート導入によって、それは不要になった。

イタリアを示すIの楕円ステッカーを貼った、筆者のかつてのクルマ。フランスのコルシカ島で。ただし彼らには、こちらが外国人観光客であることはわからなかったようだ。イタリアを示すIの楕円ステッカーを貼った、筆者のかつてのクルマ。フランスのコルシカ島で。ただし彼らには、こちらが外国人観光客であることはわからなかったようだ。

「統一様式」と記したが、実は厳密には統一されていない。その最たるものは書体である。これは各国ごとに独自のものが用いられている。クロアチアのように国章や、ドイツやオーストリアのように州の紋章が字間に入っている国もある。ベルギーは赤文字である。

 また、オランダやルクセンブルクは黄色地が採用されている(オランダの前部用は白)。いずれも統一書式が導入される前のデザインをベースとしているのである。そもそも、前部ナンバープレートの左右長は国によって違う。また、一部米国車のように、横長ナンバーが収まらないクルマのためには、より横寸法が短く、縦寸法が長いサイズが用意されている。

ベルギーのナンバーは赤文字である。ベルギーのナンバーは赤文字である。

シエナにて。イタリアの前部用ナンバーは、先に写真で挙げたドイツやポーランドより天地・左右とも短いが......シエナにて。イタリアの前部用ナンバーは、先に写真で挙げたドイツやポーランドより天地・左右とも短いが......

アメリカ車だけでなく、欧州のモデルでも横長ナンバーの装着が難しいクルマには、異なる縦横比のものが発行される。ドイツで。アメリカ車だけでなく、欧州のモデルでも横長ナンバーの装着が難しいクルマには、異なる縦横比のものが発行される。ドイツで。

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