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クルマ最終更新日:2020.07.13 公開日:2020.07.13

新型コロナ後の2020年、世界のモータースポーツ開催カレンダー

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、さまざまなモータースポーツイベントが中止・延期された。しかし5、6月になり欧州などの一部地域で感染拡大が沈静化したため、F1やWRC世界ラリー選手権、WEC世界耐久選手権などの再開計画が発表されたので紹介しよう。

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F1は今期10戦へと縮小

F1の開幕戦オーストラリアGPのスタート。

F1の開幕戦オーストリアGPのスタート。写真:メルセデス・ベンツ

アストンマーティン・レッドブル・・レーシングのアルボン

ホンダエンジンを搭載するアストンマーティン・レッドブル・レーシングは、フェルスタッペン、アルボンとも開幕戦をリタイヤ(写真はアルボン)。写真:ホンダ

 開幕戦オーストラリアGPが開催直前の320日(金)に中止となったF1は、当初予定していた史上最多となる年間22戦というカレンダーを8戦に減らしたものを6月12日に発表。その後、7月10日にトスカーナ(イタリア)とロシアの2戦を追加した10戦というカレンダーになった。新たな開催国は、オーストラリア、ハンガリー、イギリス、スペイン、ベルギー、イタリア、ロシアとヨーロッパ近隣に限定。開催国をヨーロッパ近隣としたのは、まず大陸をまたぐ渡航は新型コロナウイルス拡大のリスクがあるため。また73日から927日という約13週間で、10戦を開催するという過密スケジュールなので、機材搬送やスタッフ移動の負担を軽減するためもある。さらにオーストラリアGPとシュタイアーマルクGPのレッドブル・リンク、そしてイギリスGPのシルバーストーンは、同一サーキットで2週連続開催だ。これで機材搬送とスタッフ移動が不要となり、過密スケジュールを軽減させている。F11つのサーキットで年1回開催というのが慣例だったが、新型コロナウイルスはそれすらも書き換えてしまった。

 このような開催地の限定や過密スケジュールなどの理由により、毎秋に行われていた日本GP(鈴鹿)は中止となっている。それだけでなく感染拡大によって、歴史あるモナコGPも中止に追い込まれたという異例づくしの新カレンダーとなった。

F1 2020年開催カレンダー

73日(金)-5日(日):第1戦オーストリアGP(レッドブル・リンク)
710日(金)-12日(日):第2戦シュタイアーマルクGP(レッドブル・リンク)
717日(金)-19日(日):第3戦ハンガリーGP(ハンガロリンク)
731日(金)-82日(日):第4戦イギリスGP(シルバーストーン)
87日(金)-9日(日):第5戦イギリスGP(シルバーストーン)
814日(金)-16日(日):第6戦スペインGP(カタルニア・サーキット)
828日(金)-30日(日):第7戦ベルギーGP(スパ・フランコルシャン・サーキット)
9月4日(金)-6日(日):第8戦イタリアGP(モンツァ・サーキット)
9月11 日(金)-13日(日):第9戦トスカーナGP(ムジェロ・サーキット)
9月25日(金)-27日(日):第10戦ロシアGPソチ・オートドローム
※カッコ内は開催サーキット名。

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WRC世界ラリー選手権

WRCは新カレンダーでも、最終戦はラリー・ジャパン!

第3戦ラリー・メキシコで優勝したトヨタのオジェ/イングラシア

3戦ラリー・メキシコで優勝したトヨタのオジェ/イングラシア。写真:トヨタ

 新型コロナウイルス感染拡大前の1月に開幕したWRC世界ラリー選手権(以下WRC)は、3月の第3戦ラリー・メキシコの開催中に、新型コロナウイルスが世界的に感染拡大し始め、世界各国で渡航・入国制限が厳しくなった。そこで関係者の帰国に配慮し、会期を1日短縮して14日(土)にラリーを終了。その後はシリーズを中断していた。

 新型コロナウイルス感染拡大前には年間14戦を予定したWRCだが、新たなカレンダーは8戦へと縮小。この8戦には終了している第1戦から3戦のラリー・モンテカルロ、ラリー・スウェーデン、ラリー・メキシコも含まれている。残りの5戦は94日から1122日で開催。その再開戦となる第4戦ラリー・エストニアは、会期を3日間に短縮したスケジュールで行われる予定だ。それ以降のラリーは通常の4日間開催に戻る。

 そして感染拡大前から最終戦とされていたラリー・ジャパンは、新カレンダーでも最終戦に組み込まれた。開催は1119日からで、愛知県新城市にて開催される予定だ。

WRC 2020年開催カレンダー

123日(木)-26日(日):第1戦ラリー・モンテカルロ
2
13日(木)-16日(日):第2戦ラリー・スウェーデン
3
12日(木)-14日(土):第3戦ラリー・メキシコ

———–中断———–

94日(金)-96日(日):第4戦ラリー・エストニア
9
24日(木)-27日(日):第5戦ラリー・ターキー(トルコ)
10
15日(木)-18日(日):第6戦ラリー・ドイチェランド(ドイツ)
10
29日(木)-111日(日):第7戦ラリー・イタリア・サルデーニャ
11
19日(木)-22日(日):第8戦ラリー・ジャパン
※カッコ内は開催国。

第3戦終了時点のWRCドライバーランキング上位

1位:セバスチャン・オジェ(フランス、トヨタ)62ポイント
2
位:エルフィン・エバンス(イギリス、トヨタ)54ポイント
3
位:ティエリー・ヌービル(ベルギー、ヒュンダイ)42ポイント
4
位:カッレ・ロバンペラ(フィンランド、トヨタ)40ポイント
5
位:オット・タナック(エストニア、ヒュンダイ)38ポイント
※カッコ内は国籍・自動車メーカー。

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WEC世界耐久選手権

2019-2020年シーズンのル・マンは、920日がゴール

WEC第5戦ローン・スター・ル・マンのスタート

WEC第5戦ローン・スター・ル・マンのスタート。写真:トヨタ

 シーズンが年をまたぐWEC世界耐久選手権(以下WEC)は、20197月から20206月にシーズン82019-2020年)を開催し、20208月からシーズン92020-2021年)が開幕する予定だった。感染拡大前のWECは、シーズン8の第5戦ローン・スター・ル・マン(2020223日開催)までを終了していた。その後は新型コロナウイルス感染拡大によりシーズン8を中断。

 そして今回、シーズン8の新たなカレンダーが発表された。まず813日に、第6戦スパ・フランコルシャン6時間レースで再開。9月に第7戦ル・マン24時間レース、11月に第8戦バーレーン8時間レースが開催される。WECの目玉である第7戦ル・マン24時間レースの決勝は、919日にスタートし、20日にゴールという予定だ。なおシーズン9のカレンダーは未発表となっている。

WEC 2019-2020年(シーズン8)開催カレンダー

2019
8
30日(金)-91日(日):第1戦シルバーストーン4時間レース(イギリス、シルバーストーン・サーキット)
10
4日(金)-6日(日):第2戦 富士6時間レース(日本、富士スピードウェイ)
11
8日(金)-10日(日):第3戦 上海6時間レース(中国、上海インターナショナル・サーキット)
1212日(木)-14日(土):第4戦バーレーン8時間レース(バーレーン、バーレーン・インターナショナル・レース)
2020

2
22日(土)-23日(日):第5戦ローン・スター・ル・マン(アメリカ、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)

———–中断———–

813日(木)-15日(土):第6戦スパ・フランコルシャン6時間レース(ベルギー、スパ・フランコルシャン・サーキット)
9
16日(水)-20日(日):第7戦ル・マン24時間レース(フランス、サルト・サーキット)
11
19日(木)-21日(土):第8戦バーレーン8時間レース(バーレーン、バーレーン・インターナショナル・レース)
※カッコ内は開催国、サーキット名。

第5戦終了時点のWECドライバーランキング上位

1位:ホセ・マリア・ロペス(アルゼンチン、トヨタ)112ポイント
1位:小林可夢偉(日本、トヨタ)112ポイント
1位:マイク・コンウェイ(イギリス、トヨタ)112ポイント
2位:ブレンドン・ハートレー(ニュージーランド、トヨタ)107ポイント
2位:中嶋一貴(日本、トヨタ)107ポイント
2位:セバンスチャン・ブエミ(スイス、トヨタ)107ポイント
※カッコ内は国籍、自動車メーカー。

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フォーミュラE

フォーミュラE9日間で6戦の超過密スケジュール

フォーミュラEに参戦する日産e.dams

5戦マラケシュで2台とも10位以内でゴールした日産e.dams。写真:日産

 フォーミュラEWECと同様に年をまたいでシーズンが開催されている。201911月から20207月でシーズン6を年間14戦開催で予定していたが、2020321日に予定されていた第6戦 三亜(中国)が新型コロナウイルス感染拡大で中止となり、シーズン6が中断した。

 新しく発表されたカレンダーは、超過密スケジュールだった。年間11戦に短縮したうえで、再開後の第6戦から最終戦第11戦は、すべてドイツのベルリンで開催。さらに85日から13日という9日間で6戦開催という超過密スケジュール! 移動による感染リスクは低減しているが、ドライバーは体調やモチベーションの管理、メカニックはマシンのメンテナンス時間短縮などの課題に取り組むことになりそうだ。

フォーミュラE 2019-2020年(シーズン6)開催カレンダー

2019
11
22日(金):第1戦ディルディーヤ(サウジアラビア)
11
23日(土):第2戦ディルディーヤ(サウジアラビア)
2020

1
18日(土):第3戦サンティアゴ・デ・チリ(チリ)
2
15日(土):第4戦メキシコシティ(メキシコ)
2
29日(土):第5戦マラケシュ(モロッコ)

———–中断———–

85日(水):第6戦ベルリン(ドイツ)
8
6日(木):第7戦ベルリン(ドイツ)
8
8日(土):第8戦ベルリン(ドイツ)
8
9日(日):第9戦ベルリン(ドイツ)
8
12日(水):第10戦ベルリン(ドイツ)
813日(木):第11戦ベルリン(ドイツ)
※カッコ内は開催国。

第5戦終了時点のフォーミュラEドライバーランキング上位

1位:アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルトガル、プジョー・シトロエン)67ポイント
2
位:ミッチ・エバンス(ニュージーランド、ジャガー)56ポイント
3
位:アレクサンダー・シムス(イギリス、BMW46ポイント
4
位:マキシミリアン・ギュンター(ドイツ、BMW44ポイント
5
位:ルーカス・ディ・グラッシ(ブラジル、アウディ)38ポイント
※カッコ内は国籍・自動車メーカー。

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北米インディカー・シリーズ

インディカーもF1と同じく開幕戦開始直前で延期

第2戦インディアナポリスで優勝したディクソン

2戦インディアナポリスで優勝したスコット・ディクソン。写真:ホンダ

 北米大陸で開催されているインディカー・シリーズは313日(金)から開幕戦セント・ピーターズバーグを予定していたが、同日にアメリカ政府が国家非常事態を宣言。これにより開幕当日に延期が決定。同時に開幕から4戦までの延期も発表した。

 その後、4月からアメリカの各州での経済活動を段階的に再開させる動きに伴い、インディカー・シリーズも新しいスケジュールを発表。当初は年間17戦を予定していたが、15戦に短縮。期間は66日から1025日の約21週間という短期間にも関わらず、広大な北米大陸で15戦を開催する。そのため同じサーキットで2日間連続開催(ダブルヘッダー)が例年は1回のところを3回に増やしたり、インディアナポリスが複数回開催される一方で、カナダ・トロントを中止にするなどの移動負担の軽減にも苦心したスケジュールだ。

 一方で目玉となるインディ500は、約1週間のプラクティス後に週末の2日間を利用した予選、予選から1週間後に決勝という例年通りのスケジュールで行われ、伝統の維持にも努めている。

インディカー・シリーズ 2020年開催カレンダー

6月6日(土):第1戦テキサス(テキサス・モーター・スピードウェイ)
7
3日(金)-4日(土):第2戦インディアナポリス(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)
7
11日(土):第3戦ウイスコンシン・レース1(ロード・アメリカ)
7
12日(日):第4戦ウイスコンシン・レース2(ロード・アメリカ)
7
17日(金):第5戦アイオワ・レース1(アイオワ・スピードウェイ)
7
18日(土):第6戦アイオワ・レース2(アイオワ・スピードウェイ)
8
9日(日):第7戦オハイオ(ミッド・オハイオ・スポーツカー・コース)
8
15日(土)-23日(日):第8戦インディ500(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)
8
30日(日):第9戦ゲートウェイ(イリノイ/ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ・アット・ゲートウェイ)
9
13日(日):第10戦ポートランド(ポートランド・インターナショナル・レースウェイ)
9
19日(土):第11戦ラグナ・セカ・レース1(ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ)
9月20日(日):第12戦ラグナ・セカ・レース2(ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ)
10月3日(土):第13戦インディアナポリス(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)
10
25日(日):第14戦セント・ピーターズバーグ(ピーターズバーグ市街地コース)
※カッコ内はサーキット名。
註:予選・決勝などのスケジュールが未定のものがあるため、インディ500以外の第5戦以降は決勝開催日のみを記載。

※各カレンダー情報は20207月上旬のものであり、今後の状況によっては変更される可能性があります。

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