2020年02月13日 16:50 掲載
ライフスタイル 上限1800円。首都高・横浜北西線⇔東名高速の連続利用料金について徹底解説
画像1。首都高・神奈川7号横浜北西線の横浜青葉JCTのドローンによる空撮画像(2019年11月撮影)。左端中央から右斜め上に向かっているのが東名高速。
これまで首都高で東名高速と接続しているのは、3号渋谷線のみだった。3月22日からは、首都高・神奈川7号横浜北西線(K7北西線)も横浜青葉JCTで接続することになる(画像1)。K7北西線の開通は、横浜の高速道路ネットワークを大幅に強化するだけにとどまらない。横浜青葉IC・JCTから首都高を利用して東京へ向かう新たなルートとして大いに期待されているのだ(画像2)。
画像2。首都高・神奈川7号横浜北西線の開通で、東名高速と首都高は2か所で接点ができ、コース選択ができるようになる。
便利になったが故に課題も
K7北西線の開通で、横浜青葉ICから東京を目ざすルートは2通りになる。しかしこのふたつのルートは、現行の首都高の料金制度に上限があるため、大きく料金に差がついてしまうことが課題とされていた。例えば、東名高速の横浜町田ICから首都高6号三郷線の三郷ICまで普通車で向かうとしよう。従来ルート(東名高速+3号渋谷線)と、新ルート(東名高速+K7北西線)ルートでは画像3のような料金差が生じる。
画像3。首都高の上限が従来通りの場合のルートによる料金の差(普通車の場合)。
このように新ルートの方が430円も安価になるため、交通量が新ルートに大きく偏ってしまうことが懸念されたのだ。K7北西線を通行するクルマのうち、東京方面へ向かう割合が極端に増えてしまうと、横浜市内の交通に影響をきたす可能性が出てくる。また、K7北西線の沿線環境が悪化する恐れなどもある。このようなマイナス要素が考えられたため、料金制度を改めることでその解決が図られた次第だ。
K7北西線⇔東名高速の連続利用に限り、首都高のETC料金に新たな上限が設定されることに
交通量の偏りを防ぐため、K7北西線⇔東名高速の連続利用に限り、ETC料金に新たな上限が設定されることとなった。首都高の料金制度は35.7kmで通常は頭打ちとなるが、連続利用をした場合に限って50.4kmまで上限が上がることになる。普通車を例に取ると、これまでの上限料金は1320円だったが、連続利用すると1800円となる(画像4・右のグラフ)。ただし首都高のみの利用なら、例えば横浜青葉IC⇔三郷IC(64.3km)のように35.7km以上だったとしても、これまで通りの上限料金である(画像4・左のグラフ)。
画像4。右が、K7北西線開通後の、K7北西線⇔東名高速の連続利用時の料金制度。上限が50.4kmとなり、普通車の場合は頭打ちになるのが1800円となる。
画像5が、車種区分ごとのK7北西線⇔東名高速の連続利用料金だ。これにより、従来ルートと新ルートどちらを通っても料金差がほぼなくなり、同水準となる。
画像5。車種区分別の連続利用料金一覧。左から連続利用時の料金、連続利用しない通常のETC料金、連続利用時の上限から通常料金の上限を引いた差額。
この新しい上限料金を加味した、東名高速・横浜町田IC→6号三郷線・三郷ICまでを例に、普通車で走行した場合の料金比較が画像6だ。首都高と東名高速(NEXCO中日本)で料金体系が異なるため、完全な同額とはならないが、従来ルートの方が50円安くなり、新ルートに大きく偏ってしまいかねない要因は取り除かれたのである。
画像6。首都高の上限が上げられた新しい料金制度でのルートによる料金の差(普通車の場合)。
ちなみに、横浜青葉JCTから連続利用で東京方面へ向かう場合、従来の上限料金を超える(35.7kmを超える)ICは以下の通りだ。これらのICから先は、横浜青葉ICからの距離が35.7km以上となり、従来の上限から超えていく(0.1kmごとに10円アップ)。ちなみにB湾岸線の空港中央ICまでは従来の上限料金内となる。
●神奈川1号横羽線(K1横羽線)→1号羽田線:芝浦ICから先
●B湾岸線:大井南ICから先
注意したいのは、東名高速→K7北西線だけが連続利用の対象となるのではなく、首都高で初乗りしてK7北西線→東名高速でも連続利用料金が適用される点だ。よって既述した2か所のICよりも遠方のICで首都高に乗り、K7北西線を利用して東名高速を連続利用した場合は、連続利用料金が適用される。
その一方で、35.7km以上でも連続利用対象外となる特例もある。B湾岸線のE16横浜横須賀道路との接続部(並木IC)と、終点の幸浦ICは本来35.7km以上になるが、横浜市内であることから連続利用料金は適用されない。
現金利用の場合の料金と支払時の注意点
また現金払いの場合、K7北西線⇔東名高速を連続利用する際の料金は画像7の通りとなる。ETCの連続利用料金の上限額と等しい。
画像7。現金払いで連続利用する際の首都高の車種区分別料金一覧。左からK7北西線⇔東名高速を連続利用した際の料金、連続利用しない通常の料金、そしてその差額。
料金を払うタイミングは上下線で異なる。東名高速→K7北西線(上り)の連続利用の場合は、両高速が接続する横浜青葉本線料金所で東名高速の料金と首都高の連続利用料金を支払う(画像8・右)。
K7北西線(下り)→東名高速の連続利用の場合は2回に分けて払う。まず首都高に初乗りした際の料金所で通常料金を支払い、横浜青葉本線料金所で差額分を追加で払うのだ(画像8・左)。普通車での例を挙げると、まず初乗り時に1320円支払い、横浜青葉本線料金所で480円の追加料金を支払うことになる。ただし、首都高・神奈川7号横浜北線(下り)(K7北線)の岸谷生麦IC入口および新横浜IC入口、K7北西線(下り)の横浜港北IC入口から乗った場合は、横浜青葉本線料金所で利用入口証明書を提示すれば、連続利用料金の適用外となる。
画像8。現金払いの場合、K7北西線の上りか下りかで料金の払い方が異なる(左が下りで、右が上り)。
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