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公開日:2026.02.24

飯田~浜松を結ぶ「三遠南信道」が延伸! ついに東名高速から約28kmが1本に。「東栄IC~鳳来峡IC」は3月14日開通【いま気になる道路計画】

三遠南信道 東栄IC~鳳来峡ICの工事状況。

長野県~愛知県~静岡県を結ぶ「三遠南信自動車道」の整備が進められている。そのうち愛知県区間(東栄IC~鳳来峡IC)が、いよいよ開通間近となっている。三遠南信道の概要やメリット、そして現在の工事進捗について紹介しよう。

三遠南信道 東栄IC~鳳来峡ICの工事状況。

文=藤井宏治

画像=国交省

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三遠南信道「佐久間道路・三遠道路」がいよいよ全通!

佐久間道路・三遠道路区間の位置図と標準断面図

佐久間道路・三遠道路区間の位置図と標準断面図

「三遠南信自動車道」は、長野県飯田市の中央自動車道「飯田山本IC」から愛知県を経由して、静岡県浜松市の新東名高速道路「浜松いなさJCT」に至る、延長約100kmの高規格幹線道路だ。断層や山脈がある険しい山岳地帯を通る道路であるため、完成すれば地域の発展に寄与する重要な道路ネットワークとなる。

いくつかの区間に分けて順次整備されており、「佐久間道路・三遠道路」延長約27.9kmもそのひとつだ。そのうち、「佐久間川合IC~東栄IC」「鳳来峡IC~浜松いなさJCT」は既に開通している。そして未開通区間の「東栄IC~鳳来峡IC」延長約7.1kmは2026年3月14日(土)に開通すると発表された。これにより、新東名高速道路から北へ向かう約28kmが1本で繋がり、愛知県東部や静岡県北西部のアクセス性が向上する。

三遠南信道に期待されるメリット

佐久間道路・三遠道路区間の開通メリット

佐久間道路・三遠道路区間の開通メリット

三遠南信道が全線開通すれば、長野・愛知・静岡の3県において、観光・産業・防災などのメリットが見込まれる。

観光面では、地域観光の活性化はもとより、2031年12月頃の開業を目指して工事が進められている「リニア中央新幹線の長野県駅」を利用した日帰り旅行や周遊観光も拡大する見込みだ。三遠南信道が全線開通した場合、未開通時と比べて長野県飯田市役所から静岡県浜松市役所への移動所要時間は、約65分短縮されると試算されている。

例えば、朝にリニアで東京を出て長野県に到着した後、三遠南信道を南下しながら観光し、浜松から東京に帰るという観光プランも現実的となる。

産業面では、航空宇宙産業が盛んな飯田市と浜松市周辺の関連企業の連携が強化され、新たな企業取引が創出されるなど、産業の活発化に期待がかかる。

三遠南信自動車道の中でも特に「佐久間道路・三遠道路」の開通は、防災面にも大きなメリットをもたらす。

現在、当該地域の主要道路である「国道151号」「国道152号」では、2023年6月に台風の影響による土砂災害・水没などにより通行止めになった。バイパスとして機能する道路がないため、、迂回を余儀なくされ、東栄町から新城市・浜松市への所要時間は通常より約1時間余計にかかった。佐久間道路・三遠道路の整備により、自然災害に強い道路ネットワークの形成が期待される。

また、国道151号と国道152号は、山道でカーブや急勾配が多いため、救急車の揺れや安全性が課題である。佐久間道路・三遠道路の開通により救急車の揺れや振動が軽減され、患者や救急隊員の身体的負担の軽減が期待されている。

さらに、緊急度・重症度の高い傷病者が発生した場合、県境をまたいだ医療機関までの搬送時間が短縮されることにより、救命率の向上も見込まれる。

全線開通へ向けた「三遠南信道」の課題と展望

三遠南信自動車道の整備状況

三遠南信自動車道の整備状況

三遠南信道の全体でみると、まだいくつか未開通区間が残っている。

長野県下伊那郡の北部に位置する「飯喬道路」のうち、残された「飯田上久堅・喬木富田IC~喬木IC」延長7.5kmでは、橋梁やトンネルの整備が進められている。開通時期は未定だ。

長野県と静岡県の県境にあたる「青崩峠道路(小嵐IC~水窪北IC)」延長約5.9kmでは、2023年5月26日にトンネルが貫通済み。現在は、内部の舗装工事などが進められている。青崩峠道路の開通予定時期も未定ではあるが、地盤が緩く地下水位が高いという非常に難易度の高い工事であったことは多くのメディアに取り上げられた。

静岡県西部の「水窪佐久間道路(水窪IC~佐久間川合IC)」延長約14.0kmでは、用地取得が進められており、2025年3月末時点で取得率は64%。調査・設計が進められている。

現状、長野から浜松への南北移動は、幅員が狭く急カーブの多い現道(国道151号・国道152号)に依存せざるを得ない。三遠南信道の全線開通時期は見通せないものの、今回の「佐久間道路・三遠道路」の開通によって、新東名高速から北へ約28kmが1本で繋がる意義は大きい。点だった区間が線としてつながり始めたことで、三遠南信地域の交通環境は確実に前進したといえる。残る未開通区間の整備が進み、新たな南北軸が完成する日を、引き続き注視していきたい。

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