名古屋港~岡崎ICを結ぶ「名古屋三河道路」が進展中! 伊勢湾岸道の第2ルートで浜松まで時間短縮。ルートはどこ?【いま気になる道路計画】
愛知県弥富市から岡崎市を結ぶ「名古屋三河道路」の整備計画が進められている。そのうち、優先して計画が進められている「西知多道路~名豊道路」区間では、都市計画の基本方針(案)と環境影響評価方法の縦覧が実施されるなどの進展が見られる。名古屋三河道路の概要、メリット、今後の工事計画について見ていこう。
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名古屋三河道路は伊勢湾岸道の第2ルート?
名古屋都市圏の交通ネットワーク。
「名古屋三河道路」は、愛知県弥富市から岡崎市を結ぶ延長約50kmの高規格道路構想。伊勢湾岸自動車道の南側を並行するように東西に走るルートで計画されており、名古屋港の西岸に位置する弥富市を起点に、西知多道路・知多半島道路・名豊道路を越えて、東名高速の岡崎IC付近に接続する。名古屋港から静岡県浜松市までを信号なしで走行可能にするショートカットルートである。
名古屋三河道路は、整備効果の早期発現を図るために「西知多道路~名豊道路」までの約20km区間が優先整備区間に指定されている。車線数は4車線で設計速度は100km/hの自動車専用道路になる予定だ。
名古屋三河道路(西知多道路~名豊道路区間)ルート案。
名古屋三河道路で期待される4つの効果
名古屋三河道路の整備効果。
名古屋三河道路は知多地域、西三河南部地域に産業、渋滞、安全、防災の4つの側面でメリットをもたらす。
まずは産業面への好影響だ。西三河南部は製造業の集積地であるにも関わらず、東西方向の高規格道路が不足しており、物流は一般道や名豊道路に依存している。その結果、信号や混雑による移動時間のばらつきが生じやすく、輸送の安定性が課題となっている。
名古屋三河道路が整備されることで、中部国際空港や名古屋港と西三河南部を結ぶ移動が高速化し、輸送時間の短縮、定時性の向上などが見込まれる。これは企業活動の効率化だけでなく、地域全体の産業競争力向上にもつながると期待されている。
次に渋滞対策としては、特に境川や衣浦港の周辺における混雑緩和が見込まれている。境川と衣浦港周辺は他の愛知県内の主要河川と比較しても橋梁数や車線数が少ない。一方、交通需要は大きいため渋滞が頻発している。名古屋三河道路は、そんな渋滞多発地域の境川を横断して整備されるため、交通の円滑化が期待される。
渋滞が解消されることで、安全性にも好影響がある。渋滞時は車間距離が短くなるうえドライバーの疲労が蓄積し、注意力が低下するため追突事故が起こりやすくなる。また、渋滞を避けようと生活道路に流入する車両が増え、歩行者や自転車との接触事故も増加する傾向にある。渋滞解消によりこれらの事故が減少し、地域の安全性が向上する。
最後に防災面だ。現状、名古屋都市圏は「東海環状自動車道」と「名古屋第二環状自動車道(名二環)」のダブルネットワークが形成されており、片方が通行止めになっても交通が寸断されにくい状況となっている。
しかし、この2つの環状道路の南側は、どちらも伊勢湾岸道を通るルートになっている。災害時などに伊勢湾岸道が通行止めになると、双方の環状機能が十分に発揮できなくなって輸送機能が大きく低下する状況だ。ここを名古屋三河道路が補うことで、より強固な道路ネットワークが実現できるとされている。
名古屋三河道路の進捗は? 都市計画案を策定中
名古屋三河道路の現状と今後の計画
名古屋三河道路の整備計画はどこまで進んでいるのだろうか。
2026年1月に優先的に整備される「西知多道路~名豊道路」区間について、都市計画の基本方針(案)と環境影響評価方法書の縦覧および説明会が実施された。そして、2月現在は、住民など関係者からの意見を募集している段階だ。集まった意見を踏まえて基本方針案の整理・修正が行われ、その内容を基に都市計画案の検討が進められていくことになる。
そのため、名古屋三河道路はまだ計画段階にあり、工事のスケジュールや完成時期などは見通せない状況だ。今後のステップとしては都市計画決定、事業化がなされれば、その後、用地取得を経て本格的な工事に着手することになる。
このように、「名古屋三河道路」の検討は着実に進んでいる。今後、住民の意見を踏まえた整理・修正によって、どのような都市計画案に落とし込まれるのか、その動向に引き続き注目したい。
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