はじめよう、クルマのある暮らし。

Traffic

公開日:2026.01.29

京都~和歌山を結ぶ「京奈和自動車道」の「橿原JCT」が2026年春に開通! 大和北道路と大和御所道路の全線開通はいつ?【いま気になる道路計画】

橿原高田IC(大阪方面接続ランプ)の整備状況。

「京奈和(けいなわ)自動車道」は、近畿地方の主要都市である京都・奈良・和歌山の連携強化を図るために整備が進められている高規格道路。その一部で整備中である大和北道路と大和御所道路について、概要やメリット、進捗を紹介しよう。

橿原高田IC(大阪方面接続ランプ)の整備状況。

文=藤井宏治

画像=国交省

この記事をシェア

「京奈和自動車道」は京都・奈良・和歌山を結ぶ広域道路

大和北道路と大和御所道路の位置図。

大和北道路と大和御所道路の位置図。

「京奈和自動車道」は、京都府京都市を起点に奈良県北西部を通過し、和歌山県和歌山市に至る全長約120kmの高規格幹線道路だ。一般国道24号のバイパスとしての役割を果たす他にも、西名阪高速道路や阪和高速道路に接続し、大阪府を中心とした近畿圏の環状ネットワークを形成する。京都府の城陽JCT・ICから木津ICの約40kmは有料区間であり、その他の約80kmは未開通区間を除き無料で供用されている。

京都府南部から奈良県、和歌山県北部は、山が多くかつ盆地に市街地が形成されるという地形条件にある。それを踏まえ、区間によって高架構造や掘割構造、トンネル構造が採用されており、沿線環境や土地利用へ配慮しながら事業が進められている。

2025年1月時点、京奈和自動車道は全体の約7割が開通済みであり、奈良県内の中心部を結ぶ「大和北道路」約12.4kmと「大和御所(やまとごせ)道路」の「橿原(かしはら)北IC~橿原高田IC」約4.4kmを残すのみという状況だ。

大和北道路と大和御所道路の全通メリット

京奈和自動車道が全線開通すれば、京都市から和歌山市の所要時間は約1/3になる。

京奈和自動車道が全線開通すれば、京都市から和歌山市の所要時間は約1/3になる。

京奈和自動車道全体でみると、全線開通すると京都市から和歌山市への移動時間が大幅に短縮されるメリットがある。国交省の試算では、国道24号利用時の所要時間は約270分かかるのに対し、京奈和自動車道の所要時間は約100分と1/3近くに短縮される見込みだ。同エリアには、自然景観や世界遺産などの観光資源も多く、地域経済の活性化も期待されている。

事業中の大和北道路と大和御所道路に焦点を当てると、どちらも渋滞解消により交通がスムーズになることと、交通事故の低減がメリットとして挙げられる。

大和北道路では、主要渋滞箇所である国道24号の下三橋町交差点と大江町交差点の渋滞解消が期待されている。また、大和北道路に内包される柏木町交差点から西名阪自動車道では、死傷事故率が奈良県の幹線道路における死傷事故率の約1.4倍と高くなっている。大和北道路の整備により、渋滞を起因とした追突事故が減少するとともに、渋滞回避のために生活道路に流入する車両も減少するため、地域住民の安全性も向上する見込みだ。

さらに、薬師寺や春日大社などの主要な観光地も近くにあるため、アクセス性の向上による活性化も期待できる。

大和御所道路は、未開通区間が残されている現状でもメリットが現れている。開通区間の周辺道路では、交通事故件数が約3割減少。奈良県の南北移動に関して定時性が向上し、所要時間も大幅に短くなった。これが全線開通すれば、安全性・アクセス性の両面でさらに向上すると見込まれる。

大和北道路・大和御所道路の課題と現状

京奈和自動車道 大和北道路と大和御所道路の概略図。

京奈和自動車道 大和北道路と大和御所道路の概略図。

2025年11月に開催された「奈良県京奈和自動車道連絡調整会議」において、大和北道路と大和御所道路における事業進捗状況や課題、事業費の見直しについて共有された。

大和北道路では、奈良北~奈良区間で用地取得が難航しており、その取得率は約1%と進捗は限定的だ。一方、その他区間では、用地取得率約99%で事業進捗率約73%となり、事業が順調に進んでいることが分かる。

しかし、地質調査の結果などを基に、設計の見直し、トンネル工事の安全・安心な施工のため構造の決定、沿道条件を踏まえた架設計画の精査が必要とされている。

大和御所道路では、用地取得率は100%、事業進捗率は約83%。未開通区間の南側に位置する橿原高田ICにおいて、国道165号「大和高田バイパス」の大阪方面と直結するランプ「橿原高田IC(大阪方面接続ランプ)」が2026年3月8日(日)6時に開通する予定だ。

なお、物価上昇をはじめ埋蔵文化財調査費用などの土地柄も影響して事業費は、大和北道路で540億円増の1430億円、大和御所道路で336億円増の5800億円と、両区間ともに大幅に増額されている。

気になる「京奈和自動車道」の全線開通のタイミングだが、2026年1月現在ではまだ発表されていない。


「京奈和自動車道」の一部では、依然として用地取得の課題が残るものの、その他の区間では着実に工事は進んでいる。事業費が大幅に増加してしまったとはいえ、京奈和自動車道が全線開通することの経済効果や安全性向上は大きな意味を持つだろう。まずは橿原JCTの開通を待ちながら、引き続き進捗に注目したい。

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(2026年2月1日まで)
応募はこちら!(2026年2月1日まで)