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公開日:2025.09.18

ヘッドライトの“黄ばみ・曇り”は自分で落とせる! 新車のような目力を取り戻す、格安&シンプルな施工方法を紹介【カーマニア本田浩隆の愛車日常メンテナンス】

黄ばみと白ボケ(曇り)が目立つクルマは、何とも締まらない印象を受けてしまいます。

クルマのボディがどれだけキレイでも、ヘッドライトに黄ばみや曇り(白ボケ)があると、どうしても締まらない! こんなとき、自宅でできるメンテナンス方法はあるのか? “35歳以下のクルマ好き”が集まるカーミーティング「YOKOHAMA Car Session」運営メンバーである本田浩隆さんに、ヘッドライトの黄ばみ・曇り取りの施工方法を教えてもらった!

黄ばみと白ボケ(曇り)が目立つクルマは、何とも締まらない印象を受けてしまいます。

文=本田浩隆(YOKOHAMA Car Session)

写真=内藤敬仁

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ヘッドライトの“黄ばみ・曇り”を放置してはダメな理由

洗車やガラスの油膜取りを実践しても、なぜかクルマがキレイに見えない……。そんな経験はありませんか?

その原因は、ヘッドライトの劣化にあるかもしれません。

黄ばんだり曇ったりしたヘッドライトは美観を損ねるだけでなく、光量を大幅にダウンさせ、車検に通らないリスクもあります。

そこで今回は、車検前や「最近ヘッドライトが暗いかも」と感じたときに役立つ、“クルマのアイメイク術”をご紹介します。

なぜヘッドライトは劣化する? 施工に必要なモノは?

最近のクルマのヘッドライトレンズは、ほとんどがポリカーボネイトというプラスチックで作られています。この素材は透明度が高く複雑な造形も可能で、ガラスと比べて軽量かつ耐衝撃性にも優れるため広く使われています。

しかし、そんなポリカーボネイトにも紫外線に弱いという欠点があります。表面に塗布されたコート層が紫外線によって劣化すると、黄ばみを起こしたり、剥離したコート層の隙間からレンズ本体を侵蝕し、曇り(白ボケ)を引き起こします。

今回の撮影で使用したクルマも、屋外保管歴が長かったためか、黄ばみ・曇り・くすみが進行しており、コートの剥がれ跡も見られました。

そこで、まずは過去のコーティングでの失敗跡を消し去り、その後でレンズを復活させたいと思います。

左から、Fornaer「紙やすり耐水ペーパー 36枚セット」、ソフト99「眼神 ヘッドライトリフレッシュ」と、その内容物です。

左から、Fornaer「紙やすり耐水ペーパー 36枚セット」、ソフト99「眼神 ヘッドライトリフレッシュ」と、その内容物です。紙ヤスリは9種類の粗さが各4枚ずつセットになって、価格は約800円でした。眼神 ヘッドライトリフレッシュは税込み2178円で、2つ合わせて3000円以下で済みました。

最低限用意するものは次の2点です。
・耐水紙ヤスリ(番手#400〜 #3000程度)
・ヘッドライトフィニッシュ剤

あれ、そんな少ない道具で大丈夫なの? とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、その他にもバケツに入った水や、ウエス、マスキングテープに加え、作業しても許される環境、そして半日程度のまとまった作業時間が取れることなど、準備品ならたくさんあります(笑)。

ヤスリがけは少し根気が必要?

マスキングテープでライトまわりを養生しておくと、作業がしやすくなります。

マスキングテープでライトまわりを養生しておくと、作業がしやすくなります。

それではさっそく作業を始めます。

まずは水洗いでヘッドライトレンズの汚れを落とします。次に、ウエス等で水分を拭き取ったら、ヘッドライト周辺をマスキングテープで養生します。

これは、ヤスリがけの際にうっかりボディを傷付けることを防ぐためです。綺麗なボディに傷が付くとモチベーションが下がってしまうので、簡易的で構いませんのでマスキングすることをオススメします。

まずは番手が粗い#400からヤスリがけを行います。このように最初からカットされたものを選んだ方が、作業が捗ります。

まずは番手が粗い#400からヤスリがけを行います。このように最初からカットされたものを選んだ方が、作業が捗ります。

ついランダムな方向にヤスリがけしたくなりますが、グッとこらえて規則正しく擦りましょう。

ついランダムな方向にヤスリがけしたくなりますが、グッとこらえて規則正しく擦りましょう。

次に、最初は粗めの番手(#400)の紙ヤスリを使い、水につけながらタテ→タテ、ヨコ→ヨコと規則正しく磨いていきます。この粗めのヤスリがけでは、表面のコート剤を落とす狙いがあります。削りカスは最初は淡い黄色ですが、次第に白くなっていきます。

ついランダム方向にヤスリがけしたくなりますが、グッとこらえて規則正しく擦りましょう。

ついランダム方向にヤスリがけしたくなりますが、グッとこらえて規則正しく擦りましょう。

全体的にレンズが白く曇ったような風合いになったら、より高い番手の(目が細かい)紙ヤスリに持ち替えます。

これをひたすら繰り返すため、なかなか根気のいる作業です……。

粗い目で擦っていると、どんどん黄ばみが落ちていきます。みるみる透明になっていくので、この工程は楽しいと思いますよ!

粗い目で擦っていると、どんどん黄ばみが落ちていきます。みるみる透明になっていくので、この工程は楽しいと思いますよ!

どんどん番手を上げていき、最後の#3000を使う頃になると、手触りが平滑になり、レンズ表面がマット塗装のような風合いになります。

このとき磨き残しがないか、しっかりとチェックしてください。この後のコーティング施工での仕上がりに大きく影響します。

細めのペーパーで磨き終えたところです。黄ばみはキレイに落ちましたが、極小のキズのせいで、最初よりも曇って見えます。でも大丈夫、必ずピカピカになりますから!

細めのペーパーで磨き終えたところです。黄ばみはキレイに落ちましたが、極小のキズのせいで、最初よりも曇って見えます。でも大丈夫、必ずピカピカになりますから!

ちなみに、この工程まで進めば、ある程度の透明感が出ます。しかし、コート剤が一切塗布されていないため、紫外線への耐性が非常に弱く、すぐに曇ったり黄ばんだりしてしまいますので、放置しないようにしましょう。今までの苦労が水の泡になります……。

仕上げに、今回使用したコート剤に付属するコンパウンドで磨き跡を整えれば、下準備は完了です!

クリーナー液剤を専用のスポンジに付けています。こんなちょっとの液剤でも研磨と溶解の2役をこなし、極小のキズを除去して表面が滑らかになります。※黄ばみが今回ほどヒドくない場合、この商品だけで黄ばみや曇りを落とすことも可能です。

クリーナー液剤を専用のスポンジに付けています。こんなちょっとの液剤でも研磨と溶解の2役をこなし、極小のキズを除去して表面が滑らかになります。※黄ばみが今回ほどヒドくない場合、この商品だけで黄ばみや曇りを落とすことも可能です。

コーティング施工で新車みたいな仕上がりに!

最後の工程、コーティング施工です。

ヘッドライトに水滴がついている場合は綺麗に拭き取ってください。フチなどに水滴が残っていると曇りの原因になりますので、エアブローなどを行うと良いでしょう。

今回使用したソフト99のコート剤「眼神 ヘッドライトリフレッシュ」の場合は、液剤を付属のスポンジに取り、一方向に塗り伸ばす指示がありますので、そのように施工します。これは各商品の指示に従ってください。ムラにならないように塗り伸ばす作業は、どの商品でも共通していると思います。

くれぐれも、タテ、タテ、ヨコ、ヨコなどと塗り伸ばさないように。表面に微細な凹凸ができ、仕上がりが悪くなります。

塗布後は24時間以上乾燥させ、埃や水分がつかないようにしましょう。これで極小のキズを埋めつつ、強力な保護膜が完成します。

ヘッドライトにコーティング剤を塗り伸ばしていくと、みるみる新品のように透明になっていきます! この美しく仕上がる過程が気持ち良すぎて病みつきになります(笑)。

ヘッドライトにコーティング剤を塗り伸ばしていくと、みるみる新品のように透明になっていきます! この美しく仕上がる過程が気持ち良すぎて病みつきになります(笑)。

これにてヘッドライトの黄ばみ・曇り取りは全て完了です! お疲れ様でした。

いかがでしたか?

施工は手間がかかるものの、まるで新車時のような“目力”が復活して、美しさを取り戻すことができました。

さらに、ヘッドライトをONにしてみたところ、乱反射していた光がきちんと路面を照らし、明るさが回復していました。これで車検の光軸や光量の検査にNGとなり、ヘッドライト交換○○万円! といった明細を見て腰を抜かさなくて済みます(笑)。

ヘッドライトの黄ばみや曇りにお悩みの方は、ぜひ挑戦してみてください。

ヘッドライトの黄ばみ取りが完了しました! この透明感、どうですか? 我ながら美しい仕上がりです……!

ヘッドライトの黄ばみ取りが完了しました! この透明感、どうですか? 我ながら美しい仕上がりです……!

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