SEIKOとダットサン240Zが半世紀を超え蘇る、挑戦の心が結実したコラボモデル━━世界に挑んだ熱き魂が、再び時を刻む
「セイコー プロスペックス スピードタイマー」から、「ダットサン240Z」との限定コラボモデル4種が9月5日(金)から発売される。
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そもそも、「ダットサン」とはなにか
ダットサン(DATSUN)という名前には、日本の自動車産業黎明期の熱い想いが込められている。1914年、橋本増治郎が設立した快進社で完成した国産第1号車は、支援者である田健治郎、青山禄郎、竹内明太郎の頭文字「D・A・T」と、「脱兎のごとく」という俊敏さへの願いを込めて「脱兎号(DAT CAR)」と名づけられた。
1925年に快進社は解散、ダット自動車商会となった。そのダット自動車商会と1919年、久保田権四郎らによって設立された実用自動車製造が1926年に合併し、誕生したのがダット自動車製造である。
ダット自動車製造は小型乗用車の試作を始め、1930年に完成。試運転を経て、1932年、車名をDATの息子(SON)という意味の「DATSON(ダットソン)」と名付けた。DATには新たにDurable(耐久性)、Attractive(魅力的)、Trustworthy(信頼できる)という意味も込められた。
しかし「SON(息子)」が日本語の「損」に聞こえて縁起が悪いという声から、太陽を意味する「SUN」に変更され「DATSUN」となった。
その後、統廃合を経て、現在の日産自動車になってもダットサンの名前は残り、国内では1980年代まで使われてきた。また海外市場でも「ダットサン」はブランド名として使用されることになる。
1970年代、太平洋を越えた二つの挑戦
1970年代、ダットサンは太平洋を越えて世界に挑んだ。それが「ダットサン240Z」、日本国内での名前は「フェアレディZ」だ。その実力はアメリカのスポーツカー市場で驚愕をもって迎えられる。
ポルシェの3分の1の価格でありながら、それを上回る性能とスタイルを実現し、大人気車種に。登場の当初に「プアマンズ・ポルシェ」との蔑称を受けたが、それをその力強い走りで誇りあるニックネームに変えていくことになる。
そして同じ時代、もう一つの日本のブランドが時計界に革命を起こしていた。それがSEIKOである。
1881年、輸入時計販売と時計修理を行う「服部時計店」が服部金太郎によって東京・銀座に開業。1892年、時計製造工場「精工舎」を設立し、掛け時計の製造から始まった同社は、1895年に初の懐中時計「タイムキーパー」を、1913年、国産初の腕時計「ローレル」を製造、発売する。
1960年代に入ると、国際的なスポーツ競技大会などで確実かつ正確に計測する「計時」により、0.1秒、0.01秒に挑むアスリートたちと向き合った。とくに1964年に開催されたオリンピック東京大会では公式計時を担当。このオリンピックの成功はSEIKOの技術力を世界に認知させるきっかけともなった。

1964年に開催されたオリンピック東京大会。セイコーが計時システムの開発をスタートしたのは1961年のこと。当時はスポーツ用ストップウォッチの技術も有しておらず、まさにゼロからのスタートだった。このときに小型水晶時計の開発も進められ、この際に培った技術や知見、ノウハウなどが1969年、世界に先駆けて発売された量産型クオーツ腕時計「クオーツ アストロン」に結実した。オープン型のステップモーターを搭載し、その後のクォーツ腕時計の特徴となる1秒ごとに動くステップ運針が取り入れられた。当時の価格は45万円。クオーツ(Cal.35SQ)。18KYGケース(直径36mm、厚さ11mm)。
また1969年、世界初のクオーツ腕時計「クオーツ アストロン」を発売すると、世界は新技術を歓迎。結果、スイスが何百年もかけて築いてきた機械式時計の牙城を崩すほどの衝撃は「クオーツショック」という言葉まで生まれるほどだった。
運命的な出会い、そして伝説の誕生
クオーツの発売と同じ年に発表されたダットサン240Z(フェアレディZ)は、前述したとおり、日本だけでなく北米市場を中心に世界的な大ヒットとなり、日産の世界的なイメージリーダーとしての地位を確立した。その後、スポーツカーとしての高性能を実証する意志も込め、ダットサン240Zは過酷なモータースポーツ競技として知られる世界ラリーへ挑戦を開始する。
ひたむきに世界へ挑戦し続ける姿勢に共感したSEIKOは、1970年代初頭、ダットサン240Zのモータースポーツ活動を支援。そして1971年、SEIKOロゴとカーナンバー「11」を付けたダットサン240Zは、全長6200kmに及ぶ、世界でもっとも過酷なレースと呼ばれる東アフリカ・サファリラリーで優勝を果たし、名実ともにその名を世界に轟かせることになった。
この瞬間、日本の時計技術と自動車技術が、世界最高峰の舞台で証明されたのである。

「ダットサン240Z(日本国内名フェアレディZ)」は1971年と1973年の東アフリカ・サファリラリーで総合優勝を果たす。また1972年の第41回ラリー・モンテカルロ3位入賞という成績を収め、欧米で高い名声を獲得した。またラリー・モンテカルロでも3位入賞を果たしている。

1971年の第19回サファリラリーでエドガー・ハーマンとハンス・シュラーが駆り、優勝を果たしたマシンを復元。サファリラリーZは、クローズド・ファストバッククーペのボディに、2393ccのOHC直列6気筒エンジン(L24型)を搭載し、215馬力にチューニングされている。
半世紀を超えて蘇る、挑戦の魂
ロングノーズの美しいシルエットで世界を魅了したダットサンと、優れた計時精度を実現し時を刻むSEIKO。二つのブランドに共通するのは、「世界基準を超える」という日本のものづくりへの矜持である。
そして2025年、2社が作り上げてきた伝説が再び蘇る。
「セイコー プロスペックス スピードタイマー」から、ダットサン240Zコラボレーション限定モデル4種が発表されるからだ。
今回、ベースモデルとして採用された「セイコー プロスペックス」は、ダイビングやスポーツ競技、登山などの正確なタイムマネジメントを必要とするアクティビティを楽しむための信頼性と本格機能を備えた総合スポーツウオッチブランドである。まさに今回のコラボモデルに最適なコレクションといえる。
限定モデルのカラーリングは、「ダットサン240Z」ラリーカーをデザインソースとし、強い日差しを反射しないようにボンネットに塗られていたマットなブラックをデザインの基調とし、アクセントに赤色を使用する。
とくに「セイコー プロスペックス スピードタイマー メカニカル ダットサン240Zコラボレーション限定モデル/SBDC219」はカウントダウンタイマーを搭載し、ラリーのイメージを強くする。カウントダウンタイマーとはスタートまでの残り時間や、タイヤ交換・給油等の作業が完了するまでの目標時間など、ラリーを始めとするモータースポーツ競技における任意の時間のカウントダウン計測が可能となる機能のこと。残り15分を示す赤いラインが視認性を確保すると同時にデザインアクセントとなっている。
またボディカラーを全面に押し出した「セイコー プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ ダットサン240Z コラボレーション限定モデル/SBDL123」は日本のみの限定モデルであり、注目いただきたい。

「セイコー プロスペックス スピードタイマー メカニカル ダットサン240Zコラボレーション限定モデル/SBDC219」ダイアル外周にカウントダウン目盛りつき内転リングを装備する。4時位置のリュウズで目盛り位置を操作し、残り時間や作業完了までの目標時間など、任意の時間のカウントダウン計測が可能。6時位置にロゴを配す。

「セイコー プロスペックス スピードタイマー メカニカルクロノグラフ ダットサン240Z コラボレーション限定モデル/SBEC029」機械式クロノグラフ機能を搭載。3時位置がスモールセコンド、9時位置が30分積算計、6時位置が12時間積算計。時速50~60kmの計測結果の表示も可能なタキメーターベゼルを採用する12時位置に「DATSUN」のロゴを配す。

「セイコー プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ ダットサン240Z コラボレーション限定モデル/SBDL121」動力はソーラーで、フル充電時は約6か月間駆動する。50~60㎞まで計測可能なタキメーターベゼルを搭載。ダットサンのロゴカラーのブルーは60分と24時間の積算計の針色に採用。

「セイコー プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ ダットサン240Z コラボレーション限定モデル/SBDL123」動力はソーラーで、フル充電時は約6か月間駆動する。50~60㎞まで計測可能なタキメーターベゼルを搭載。ダットサンのロゴカラーのブルーは60分と24時間の積算計の針色に採用。
もう1点、限定モデルで注目いただきたいところがカウントダウンタイマー表示やタキメーター表示、クロノグラフ積算計の目盛などに使用されているアラビア数字。
「ダットサン240Z」の計器盤のような、判読性の高いフォントとして新たに書き起こし、モータースポーツファンを大いに楽しませるポイントとなっている。

INFORMATION
「セイコー プロスペックス スピードマスター メカニカル ダットサン240Z コラボレーション限定モデル」
品番「SBDC219」
サイズ:直径39.5mm、厚さ12mm
ムーブメント:自動巻き(Cal.6R55)
パワーリザーブ:約72時間
ケース:ステンレススチール
ストラップ:牛皮革
ガラス:カーブサファイアガラス(内面無反射コーティング)
防水:日常生活用強化防水(20気圧)
価格:17万6000円(税込み)、世界限定2500本(うち国内1000本)

「セイコー プロスペックス スピードマスター メカニカル ダットサン240Z コラボレーション限定モデル」

「セイコー プロスペックス スピードマスター メカニカル ダットサン240Z コラボレーション限定モデル」
「セイコー プロスペックス スピードタイマー メカニカルクロノグラフ ダットサン240Z コラボレーション限定モデル」
品番「SBEC029」
サイズ:直径42mm、厚さ14.6mm
ムーブメント:自動巻き(Cal.8R48)
パワーリザーブ:約45時間
ケース:ステンレススチール
ストラップ:牛皮革
ガラス:デュアルカーブサファイアガラス(内面無反射コーティング)
防水:日常生活用強化防水(10気圧)
価格:47万3000円(税込み)、世界限定500本(うち国内120本)

「セイコー プロスペックス スピードタイマー メカニカルクロノグラフ ダットサン240Z コラボレーション限定モデル」

「セイコー プロスペックス スピードタイマー メカニカルクロノグラフ ダットサン240Z コラボレーション限定モデル」
「セイコー プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ ダットサン240Z コラボレーション限定モデル」
品番「SBDL121」「SBDL123」
サイズ:直径41.4mm、厚さ13.0mm
ムーブメント:ソーラークロノグラフ(Cal.V192)
ケースとブレスレット:ステンレススチール
ガラス:カーブサファイアガラス(内面無反射コーティング)
防水:日常生活用強化防水(10気圧)
価格:14万3000円(税込み)
限定数:「SBDL121」世界限定4000本(うち国内1200本)、「SBDL123」日本限定300本

「セイコー プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ ダットサン240Z コラボレーション限定モデル」

「セイコー プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ ダットサン240Z コラボレーション限定モデル」

「セイコー プロスペックス スピードタイマー ソーラークロノグラフ ダットサン240Z コラボレーション限定モデル」
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