図柄入りナンバープレートはモノトーン版廃止へ! 落ち着いたデザインの新全国版で代替案を打ち出す
国土交通省は2025年6月24日、「図柄入りナンバープレート等に関する検討会」の中間取りまとめを発表し、その中でモノトーン版の廃止について決定したことを明らかにした。“あえて”モノトーン版を選択するユーザーのニーズに応えるため、既存のモノトーン版の代替案となる「新全国版」も新設されるという。
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図柄入りナンバープレートのモノトーン版は廃止へ
国土交通省は2025年6月24日、「図柄入りナンバープレート等に関する検討会」の中間取りまとめを発表した。その中で、全国版と地方版ともにモノトーン版の廃止することを明らかにした。
図柄入りナンバープレートの全国版には“日本を元気に!”のコンセプトで全国47都道府県のシンボルの花をデザインしたものや大阪・関西万博ナンバープレートの開催を記念した特別仕様のものなどがあり、居住地に関わらず交付を申請できる。
対して図柄入りナンバープレートの地方版は、地域の風景や観光資源を図柄にすることで”走る広告塔”として地域の魅力を全国に発信することを目的としており、導入地域の居住者のみ交付を申請できる地域限定のものである。

全国版図柄入りナンバープレート(左)と地方版図柄入りナンバープレート(右)。画像は国土交通省の資料を元に編集部が作成。
図柄入りナンバープレートには、全国版と地方版ともにフルカラー版とモノトーン版が用意されている。交付手数料に加えて1000円以上の寄付をするとフルカラー版の選択が可能。寄付金なしの場合はモノトーン版となる。

全国版図柄入りナンバープレートのモノトーン版(左)と地方版図柄入りナンバープレートのモノトーン版(右)。画像は国土交通省の資料を元に編集部が作成。
「図柄入りナンバープレート等に関する検討会」では、地方版図柄入りナンバープレートの導入要件を緩和し種類を増加していくことを前提に、制度の持続を含めた話し合いを進めきた。
その中で、ナンバープレートの交付代行者にとってカラー版とモノトーン版の両方を取り扱うのは負担という意見をもとに、モノトーン版の廃止を検討するに至った。
モノトーン版の代替案で「新全国版」新設へ
図柄入りナンバープレートのモノトーン版の廃止は、今後の導入要件の緩和と種類の増加を踏まえて交付代行者の負担を軽減するためのもので、決して需要がないからというわけではない。
国土交通省によると図柄入りナンバープレートの申込件数の約7割が軽自動車だという。登録車においては8割以上がフルカラー版である一方で、軽自動車においてはフルカラー版とモノクロ版はほぼ同数なのだそうだ。軽自動車ユーザーのニーズの高さが伺える結果と言えるだろう。
また、「図柄入りナンバープレート等に関する検討会」では自動車ユーザーに対してアンケート調査を実施。その結果、モノトーン版のユーザーの多くは、寄付金の有無ではなく「モノトーン版のデザインが良いから」という理由で選んでいると回答。車両のデザインと合わせたいといった、ユーザーのこだわりによるところが大きいとみられる。

国土交通省のアンケート調査でモノトーン版の図柄入りナンバープレートを選んだ理由についての回答。モノトーン版のデザインが良いからという理由が多数。画像は国土交通省の資料より抜粋。
そこで国土交通省はモノトーン版の需要を鑑みて、全国版図柄入りナンバープレートに寄付金有りのモノトーン基調で落ち着いた色合いの「新全国版図柄のナンバープレート」の追加を決定。

「図柄入りナンバープレート等に関する検討会」の中間まとめでは、導入要件の緩和に伴いモノトーン版の廃止を決定。モノトーン版の需要を補うかたちで「新全国版図柄」を新設する。画像は国土交通省の資料より抜粋。
新全国版図柄ナンバープレートについて、テーマの検討およびモノトーン基調のデザイン案の公募と選定までのスケジュールについては、以下のとおり発表されている。
- 2026年度 テーマおよびデザイン案募集要綱の検討
- 2026年度冬 デザイン案募集開始
- 2027年度 最終候補まで選考
- 2027~2028年度 デザインへの国民意見募集、採用デザイン発表
- 2028度中 図柄の決定、交付開始
なお、新全国版図柄入りナンバープレートの交付開始時期は、すべてのモノトーン図柄がフルカラー図柄に一本化される既存の地方版図柄ナンバープレートの見直し実施時期と合わせるものとしている。
今後、導入要件の緩和で地方版図柄入りナンバープレートの種類も増える見込みで、未導入の地域での期待も高まる。新全国版図柄入りナンバープレートの新設で、モノトーン基調のデザインの選択肢も増えることから、図柄入りナンバープレートの交付拡大にもつながりそうだ。
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