茨城最長の「上曽トンネル」がついに開通! 交通の難所で悲願の「30年越しの完成」へ。9月27日供用開始【道路のニュース】
茨城県桜川市と石岡市を結ぶ交通の難所に、新しいトンネル「上曽(うわそ)トンネル」が2025年9月27日(土)に開通します。同トンネルが開通することで得られるメリットや、整備の背景・計画について紹介します。
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茨城最長の「上曽トンネル」が9月27日に開通!

上曽トンネルの事業概要図。
茨城県桜川市と石岡市は、両市の境において整備を進めてきた「上曽トンネル」を2025年9月27日15時に開通すると発表しました。開通に先立ち、同日午前10時30分から茨城県石岡市と桜川市の主催で開通式典が実施されます。
上曽トンネルは、県内最長となる延長約3.54km、片側1車線で整備されます。整備事業は1995年にスタートし、工事中断などのトラブルを乗り越えて2018年に両市が工事を再開。事業開始から30年を経て完成しました。
【開通概要】
事業箇所:上曽トンネル(石岡市上曽~桜川市真壁町山尾)
全体延長:約5.58km(トンネル3.54km、取付道路2.04km)
幅員:8.0m、6.5m
開通日時:2025年9月27日15時
「上曽トンネル」の開通メリットは?

上曽トンネル内における工事の様子。
同トンネルの整備区間には、石岡市上曽と桜川市真壁町山尾を結ぶ「上曽峠」があります。ここは幅員が狭く、道路の線形も曲がりくねったカーブや急勾配であることから大型車の多くが迂回を余儀なくされる「交通の難所」と呼ばれています。また、台風による倒木や積雪の影響で通行止めとなるなど、気象の影響を受けることもあり、トンネルの開通が待ち望まれていました。
上曽トンネルが開通することで、上曽峠を通過せずに済むため、スムーズな通行が可能となり、気象の影響も少なくなります。さらに、大型車も迂回する必要がなくなるため、物流の効率化にもつながる見込みです。
桜川市の試算によると、上曽トンネル開通後は、これまで1日約1400台だった交通量が、約4倍の6000台に増加。現在の上曽峠を通行するよりも約10分の時間短縮が見込まれるといいます。
また、災害時における緊急輸送や両市間の交流促進、沿線地域の振興にも寄与することが見込まれます。さらに、県南地域と県西地域が結ばれ、茨城空港へと東西を直結する基軸も形成されることから、県南・県西地域間の連携強化が見込まれ、地元産業や物流・観光を支える路線としても期待されます。
このように上曽トンネルの開通は、単なる地域の交通利便性向上を超えて、今後の地域発展に大きな役割を果たすようです。開通後に実際の交通流がどのように変化するのか、引き続き注目していきたいです。
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