福島の「小名浜道路」が念願の開通! 無料バイパスで常磐道と小名浜港が繋がり、アクセス性が大幅向上【道路のニュース】
福島県いわき市を東西に貫く「小名浜道路」が2025年8月7日(木)15時に開通します。東日本大震災からの復興と地域振興を担う基幹ルートとして整備されてきた道路は、今後どのような効果をもたらすのでしょうか。
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小名浜道路が8月7日に開通!

小名浜道路の広域図。
福島県とNEXCO東日本は、福島県が整備を進めてきた「小名浜道路」が2025年8月7日(木)15時に開通すると発表しました。これに合わせ、常磐自動車道 いわき小名浜ICも開通。フルインター形式で小名浜道路と接続し、全車種が利用可能となります。
小名浜道路は、福島県の重要港湾である小名浜港と常磐道を結ぶ延長約8.3kmの自動車専用道路。 東日本大震災からの復興を支援する「ふくしま復興再生道路」に位置付けられており、東日本大震災後の2012年度に事業がスタートし、2016年度から工事が進められてきました。
幅員13.5m、2車線、設計速度80km/hの自動車専用道路として整備され、通行料金は無料。「いわき泉IC」「いわき添野IC」「いわき小名浜IC」「いわき山田IC」という4つのICが設置されます。
【小名浜道路の開通概要】
開通日時:2025年8月7日(木)15時
開通区間:小名浜道路(福島県いわき市泉町~いわき市山田町まで)、常磐道 いわき小名浜IC
延長:約8.3km
小名浜道路がもたらすメリットとは

常磐道から小名浜港への所要時間短縮が見込まれています。
小名浜道路は、いわき市渡辺町から小名浜港までを南北にむすび、常磐道と小名浜港が直接つながることで、物流や人の流れの円滑化が期待されています。
この道路は、東日本大震災後に策定された「復興支援道路網計画」の中核として位置づけられており、被災地の産業再建と生活基盤の強化を目的としています。複雑な地形や既存交通に配慮し、高架橋やトンネルを含む多様な構造が採用されました。
開通によって市街地の交通量が分散し、アクセス性が向上。特に物流の時間短縮や輸送コスト削減といった産業面の効果が期待されます。福島県の試算によると、常磐道から小名浜港までのアクセス時間は従来の約30分から約13分へと半分以下に短縮される見込みです。
また、通学や救急搬送の安全性が高まること、地震や津波といった災害時の緊急輸送路としても機能することなど、生活から防災・減災までをカバーする重要なインフラとなっています。
開通を祝うイベントも多数開催

内陸部への物流アクセスも向上します。
開通に先立って防災訓練や地域参加型のイベントも実施されました。
福島県のWebサイトに掲載されている「小名浜道路ニュースレター」によると2025年7月には、いわき添野IC~いわき泉ICの上り線において、濃霧で視界不良になり路肩に停車していた普通自動車に軽自動車が追突したことを想定した通報訓練や通行規制訓練、救助救急訓練や現場検証訓練が実施。
また、2025年8月3日には小名浜道路開通記念イベントが開催。サッカーチーム「いわきFC」の代表と市長によるトークセッション、地域の方によるフラダンスショー、開通前の道路を自転車で駆け抜けたサイクリングなど、多くの催し物が行われた。
開通日当日には、いわき泉IC付近にて開通式典が実施予定。テープカット、くす玉開披、通り初めなどが行われます。
東日本大震災からの復興と地域経済の再生に向けた取り組みの象徴ともいえる同道路は、今後の交通・防災・産業の各分野においてさまざまな効果を発揮することが期待されます。今後の持続的な活用や沿線地域の発展に向けた、地域と行政の取り組みに引き続き注目していきたいところです。
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